授業アイディア③「本文テキスト」に書き込む現代文の授業

今回は現代文の授業について書いてみたいと思います。現代文というと、教科書を読んで、意味調べをさせた後、内容を解説および板書して、生徒はそれをノートに書く(あるいはプリントに書き込む)、みたいな授業が一般的ではないでしょうか。自分もしばらくはこのような一般的な手法でやってきました。しかし、ノート(プリント)と教科書を一体化させれば、もっと教員も生徒もラクができるのではないかと漠然とした思いを抱えていました。そんな時、他校の先生で教科書を拡大コピーして書き込みをさせていた方がいたので、それをアレンジして現在の方法に行き着きました(現在も試行錯誤中です)。

自分が実践しているのは、教科書を拡大コピーして冊子のようにして、それに直接書き込みをさせていく方法です。教科書を拡大コピーした冊子は便宜的に「本文テキスト」と呼んでいます。準備がちょっと面倒ですが、良かったら参考にしてみてください。進学校で試したことはありません。

やり方

①該当単元の教科書の本文を全てコピー機でA3に拡大コピーする(指導書に入っている本文のPDFデータを使うと便利)。ただし後で袋綴じで冊子にするので、ページの表裏に注意する必要がある(A3の右側が、教科書の左のページ、A3の左側がその次のページになる←わかりづらくてすみません)。もちろん、教科書の本文そのままではなく、本文のデータがあればそれをワード等で編集して使ってもよい。

②冊子の表紙や、本文の後につける資料があれば作成して、①と同様にコピーしておく。

③生徒に配布して、A3のプリントを半分に折らせて袋綴じにさせ、ホチキス等でとめさせる(表紙の右側にホチキスでとめるための目安になる線を引いておくと良い)。ホチキスはある程度厚いものも綴じられるMAX社のVaimo11などをいくつか準備し、生徒に回している。

④あらかじめ、書き込みをさせる内容(段落番号を書き込む、行数を下に書き込む、意味調べの語句、マークする接続詞等)を書いたプリントを用意しておき、配布して書き込みをさせる。調べた意味は語句の隣に書く。

⑤授業中は、指示語や大事な文に線を引かせて(線には①②やABなどの記号をふっておく)、その都度解説や板書をして生徒は本文テキストに書き込む(「それ」などの指示語に赤い線を引いて、指示内容の部分を赤マーカーを引く等)。分量が多い単元の場合、線を引く文や言葉はあらかじめパワーポイントで映しておくと便利。ちなみに最初は本文テキストに全て書き込んでいたが、さすがスペースが厳しいので段落のまとめはノートも補助的に併用している(今後の課題)。

生徒に用意させるもの

・細い芯のボールペン3色くらい(拡大しているとは言え、小さい字になるので細い方が望ましい)

・マーカー3色くらい(ボールペンと色を揃えると良い)

・定規(本文にきれいに線を引くために必要)

メリット

・毎回教科書を持ってこさせる必要がなくなる。

・この1冊でほぼ完結するので、テスト勉強がしやすくなる(たぶん)。

・線を引いたりする作業が多いので比較的生徒が寝づらい(気がする)。

・たくさん書き込むと「勉強をしている」気になる(と思う)。

・段落番号を書くので、朗読させやすい(朗読の方法についてはまた次の機会に書こうと思います)。

・資料も全て綴じこむので、後からプリント等を配布する必要がなくなる。

デメリット

・準備が結構大変。

・紙をたくさん使う。

・文字が小さく書けない生徒にとっては結構しんどい。


また、気づいたことがあれば追記します。





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