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宮崎から宇宙へ開拓だ! 宮崎県科学技術館に潜入してみた

サイエンスライターたるもの各地の科学館でどのような展示があってどのような解説文があるのか把握しなければ、という建前で飛行機代とホテル代を経費に計上して宮崎県の宮崎科学技術館に行ってきました。

宮崎科学技術館はJR宮崎駅から徒歩3分といったところ。もともと宮崎刑務所だったところを宮崎中央公園に整備して、その公園の中にあります。1987年開館なので、まあまあの歴史があります。

1階と2階が展示フロアになっていて、3階はプラネタリウムです。プラネタリウムは子ども向けが多く、アニメと融合させたコンテンツがほとんどです。今回は時間の都合上プラネタリウムは諦めました。


H-1ロケット模型

敷地内に大きく鎮座しているのがH-1ロケットの実物大模型。H-1ロケットは1986年から1992年の間に9機の打ち上がったもので、日本のロケット技術の原点となっています。

アポロ11号月面着陸船イーグル号の模型

館内に入ってまず目に入るのがアポロ11号の月面着陸船イーグル号の実物大模型。1969年7月に人類が初めて月に降り立ったとき、アポロ11号に搭載されて月面着陸に使われた宇宙船です。イーグル号の実物大模型は日本ではここしかないらしく、あとはアメリカのスミソニアン博物館にあるだけとのこと。宇宙船好きにはなかなかレアな展示、なのかも。

ジェミニカプセル

そのアポロ計画の前、2人乗り宇宙船として開発されたのがジェミニカプセル。こうやって見るとかなり狭いことがわかります。スタッフに言えば乗せてくれるみたい。

技術試験衛星V型「きく5号」熱構造モデル

天井にも衛星がぶら下がっています。これは、1987年にH-1ロケットで打ち上がった「きく5号」と同じ構造をしたもの。きく5号は、H-1ロケットの試験機の性能確認や衛星の姿勢制御実験、船舶や航空機との通信実験に1989年から1997年まで使われたとのことです。

火星基地の模型

火星を開拓したときの基地の模型もあります。

宇宙開発の歴史

こんなふうに宇宙開発の年表もあります。

ここまで見て回って感じたことは、この宮崎技術科学館は宇宙開発推しということです。展示の半分くらいは宇宙船、ロケット、ちょっとした天文学という感じで、宇宙好きの人には結構刺さる内容になっていると思います。


他の半分もいろいろあります。

コスモ博士

入り口の近くにある、動く模型。この科学技術館について音声で説明する役目も担っています。ちなみに2代目らしく、初代は……

初代コスモ博士

ターm……なんでもないです。

竜巻発生装置

2階に伸びる竜巻発生装置。ただこれに関しては名古屋市科学館の9メートル級のほうが見応えあります。

この施設でとてもいいと思ったのは、小中学校で習うものについてラベルが貼ってあること。学年があることで、「これは習った」みたいなことが家族の会話のきっかけになりそうで、これはシンプルながらいいアイデアだと思います。

エネルギーサーカス

火力発電、水力発電、原子力発電、地熱発電、風力発電、太陽光発電の6つの発電方式を知るギミックで、自転車を漕いだりハンドルを回したりして発電してボールをレールで転がすというもの。広島のこども文化科学館にもあったけどいっとき流行ったのだろうか。

VRゴーグル

VRゴーグルが8台もあって自由に体験できます。僕が使ったときに流れていた映像はヒムカイザー。え、宮崎のご当地ヒーローヒムカイザーをご存知ない??

これ以外にも4D-VRを体験できるブースもあって、あれは子どもが喜びそうだと思いました。

アレでロボット対決

ロボットの正確さを実感するためのゲーム。金属の棒を持って、細い通り道を壁にぶつけずに動かしていってクリアまでにかかった秒数からぶつけた回数を引いた点数でロボットと競います。要は、爆裂電流イライラ棒。まさかこんなところでお目にかかるとは。


あとは実験・工作用の部屋もあって、土日を中心にいろいろやっているようです。

たのしい実験室
ビカビカに光る案内板

この日は紙筒ロケットを作っていて満席でした。僕は午前の早めの時間帯に行ったけど、多分これが終わったら館内をゆっくり家族で見るのかな、と思いました。


昔ながらのアナログなギミックもありつつ、VRといった先端コンテンツも充実していて、バランスは結構いいと感じました。そして展示の半分くらいはロケットをはじめとする宇宙開発モノになっているので、館内全体の雰囲気が閉じこもった感じになっていなくて宇宙に向かって視界が広く感じられるような演出になっています。

科学技術館なので「技術」要素が強いのですが、竜巻や宇宙を通じて自然科学も触れられるような工夫がなされていました。個人的には生物系の展示がもっとあるといいなあというのが要望です。

「こちらの展示は◯年生で学習します」というラベルがあったり、頻繁に実験・工作イベントが行われていたりと、地元の理科教育でかなり活用されていそうな科学館でした。イーグル号やジェミニカプセルは他ではなかなかない展示なので、宇宙好きの人は行ってみるのがいいかと思います。


ちなみに、時間がなくてプラネタリウムを見なかった理由はこれに行くためでした。

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