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国境

昔にアメリカに旅していた頃の話
サンディエゴからテファナ、アルバカーキからエルパソ、メキシコ国境の町に滞在した事がある。現在の事は知らないが毎日不法移民を巡る凶悪事件が現地メディアのテレビや新聞で報道される。
かつての映画、トラフィクやアカデミー作品のノーカントリーと同じ様な現実があるのは確かだ。
更には19世紀の米墨戦争、テキサス共和国併合等々の複雑で根深い歴史問題もあることも現地を訪れて新たに初めて理解できる。
メキシコ人は未だに、カリフォルニアはバハであり、テキサスやニューメキシコは自国の奪い取られた土地であり領土だという
思いがあるのだ。
しかし、国家のアメリカ人にとって不法移民によって脅かされる生命のリスクは計り知れない。麻薬密売、強盗殺人、不法移民による劣悪な犯罪を現実に目の当たりにすると、日本のメディアによる、不法移民への同情はあまりにも稚拙で偏向的だ。

我が国は、四方を海に囲まれているので、あまり不法移民のことを考えることは少ないのですが、アメリカ合衆国では南北を地続きに国境が通っているため、そこを乗り越えてくる不法移民が後を後を絶ちません。
トランプ前大統領が「アメリカとメキシコの国境線に、万里の長城のような高い壁を作る」大統領令にサインして世界的な物議を交わし物議があったが、そのアイデアに賛同するアメリカ人が主流です。それほどアメリカでは深刻な問題となっております。
この問題は、実はアメリカだけの問題ではなく、メキシコ合衆国でも大問題となっている事柄なのです。アメリカにはすでに1,000万人を超える不法移民がおります。彼らのほとんどが経済的な理由で仕方なく、自らを危険にさらして越境するのですね。
越境はかなり大変なことで、アメリカ・メキシコ両国の国境警備隊が、その国境線では不法移民が出ないように常に監視しており、見つけるやいなやすぐに発砲し、射殺する可能性もあるのです。
このような過酷な国境越えを何とかクリアした、不法移民には幸福な人生が待ち受けているのかというとそういう訳ではありません。常に、身分をひた隠し、日陰で生活しなければならないのです。
もちろん、まともな仕事に就くことも難しく、殺し屋、麻薬ディーラーなどの犯罪に加担する違法な仕事に就く人々も数多くいます。
また、自分たちの住む住居を確保することすらも、ライセンスNo.身分証を持たない彼らにとっては、とても大変なことなのです。
さらに、この身分証がないことで、アメリカ人なら皆が政府から当たり前のように与えれている保障を享受することは一切できません。
例えば、資産を築くことはもちろん、パスポートもないので帰りたくても母国に帰れず、また保険証も社会保障番号IDカードという国民識別番号のようなものもないので、本当に何もかもが不自由な状況なのです。
不法移民の大変さはこれだけではありません。最も辛いことは、彼らの子供なのです。
アメリカでは、公立学校であれば高校まで、特に身分証を必要とせずに、義務教育を受けることができます。(●事実上完全無償化)つまり、彼らの子供たちはメキシコ系アメリカ人として育っていくのですが、ある時自分の親が不法移民であることに気づかされるのです。
そこで、もし捕まってしまった場合、両親や親族などアメリカで生まれていない人たちは皆、即時強制送還されてしまいます。そうすると、たった一人だけアメリカに残されてしまうのです。
このようなことを経験している不法移民の子供たちは年々増加しております。
その多くが違法行為や凶悪犯罪に手を染めたりしているのが実態です。
このような、日本人の知らないアメリカの荒んだ現実を知ることは、彼らと付き合っていく上で、とても大切なことなので、皆さんも普段から意識して調べてみると良いと思います。

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