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松葉杖をつきながら妊婦生活を送っていた時の話3 〜すこしだけ、顔を上げてみよう〜

そんな周囲の方々の親切もあって、これから生きていく世界にすこし期待がもてるようになった。

春に出産をし、大腿骨頭萎縮症は本当に一過性だったのを証明するように痛みがなくなった。痛みが引くまでに仙骨痛にもなって、もう腰全体が痛くてなにがなにやら時期もあったけど、それも今はない。

母になって外に出た時に、気づいたことがある。

みんな、下を見過ぎだ。

移動中、なにをしていることが多いですか?
スマホ触ってること、多くないですか?
私は小さいあの画面を見てる時、まわりの状況がまったく目に入らなかった。
目の前にお年寄りが立っていても、ずっと下を向いていたせいで、自分が降りる時に初めて気づくこともあった。

先にお母さんになった人や、年配の方と話していると、「まわりの人は冷たい」とよく聞いていたのだけど、もしかして……

単純に、気づいてないだけなんじゃ!?

気づいた上で譲りたくない人もいるかもしれないけど、悪い方にばかり考えていると辛くなっちゃうので、私はこういうふうに捉えることにしました。

動画もニュースもSNSも全部詰まってるスマホは楽しいんだけど、このことに気づいてから、意識して移動中に触るのをやめてみたのだけど、これがけっこう快適でして。

まず、目が疲れない。首が楽。(感想がおばちゃん……)

窓の外の景色を見るのが楽しい。
動画やニュースは待っていても見られるけど、窓ガラスの向こうではリアルタイムで変化してる。特別なことが起こるわけじゃないけど、「あー、あの家気合い入ったイルミネーション飾ってる。小さい子いるのかなあ」とか想像するのはけっこう楽しい。

電車のなかの人間観察も楽しい。
変わった格好のカップルとか、お母さんにずーっと喋っている女の子とか、場所変えた方がいいんじゃ、ってくらい重い話をしている人とか……ああ、現実は小説より奇なり。

勉強したりニュース見て社会勉強してる人もいると思うし、それも大事な時間だけど、たまには意識して顔を上げてみるのもいいですよ。
大きな気づきをくれる情報も大事だけど、半径1メートル圏内の小さな気づきも大切だと思った。

ちょっとの親切が、その人が見る世界を変えることがあるのだ。

ところで本を読んでいる時はどうなんだろうって思って、文庫本を読んでみたんだけど、大きさはそこまで変わらないはずなのに、これはまわりが見える。(単に私に集中力がないからなのか?)

これから出産を控えている妊婦さん、子ども欲しいけど世の中こわい……と躊躇してる方、不安なことだらけですよね。
毎日悲しくなるようなニュースが目に入ったり、実際に嫌な経験をした方は、日本て地獄ぢゃん……て思いますよね。私は(足の激痛は置いとくと)妊娠中から今まで運良く、ベビーカー蹴られたり泣いてるところに舌打ちされたりしてないけど、いつかそういう目に遭うかもと思うと怖い。けど、妊婦+怪我人スタイルの時に親切にされたことを思うと、嫌な人より優しい人の方が多いのでは、と思うのです。

ちょっとでもほっこりしてもらえたらと思って書きました。
2023年は育児で終わった……。来年はもう少し余裕がもてたらいいなあ。

2024年もよろしくお願いいたします。
いい一年にしましょう!!

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