見出し画像

#04 遺影写真について語りたい

夏休みも終わりかけの頃に身近な人が他界されたので、急遽実家のある福岡に帰っていました。
コロナ禍ということもあり、故人と近い人のみの少人数でのお別れの時間でした。

お別れの時間が過ぎて、横浜に戻り母から遺影写真を作り郵送してほしいと頼まれたので、先日無事に郵送しました。

私は昔スタジオでカメラマンとして働いていた経験があり、スタジオで遺影写真を撮ったり、プリントしたり、額に入れたりという経験をしています。

スタジオを退職して約7年の時間が過ぎ、今回自分で大切な人の遺影写真を用意してみて色々と思うところがあったのでまとめてみたいと思います。

老舗のスタジオがコロナで激減

私がかつて働いていたスタジオは学校や幼稚園で行事の撮影をしたり、スタジオで成人式や七五三、お宮参りを撮影し、土日は結婚式場に撮影に行くような個人経営のいわゆる町の写真館でした。

土日も休みがないため子育てをしながらは厳しいと判断し、退職しました。

話が少しそれましたが、コロナ禍で行事が激減したため、このようなスタジオは廃業に追い込まれたお店が多いように思います。

なので、写真をプリントしたい場合にみなさんが駆け込むのがカメラのキタムラになるのではないでしょうか?

実際、私もカメラのキタムラさんでプリントしてきました。

お店のパソコンにデータを差し込み、サイズを指定して、プリントしてもらい、額を注文して、額装してもらう。

私はスムーズに額装した写真を受け取ったのですが、そのお店で見たのは私の親世代の方々がパソコンと戦う姿。

中には私のように遺影写真を作るためにきている方もお見かけしました。

失礼かもしれませんが、皆さんなれないパソコンに四苦八苦されているように見えました。
だから、出来るだけ親世代の写真整理やプリントは手伝ってあげましょう。
いい親孝行になるかもしれませんよ?

遺影写真を用意したい場合、小さい写真(Lサイズ)から大きい写真(4つ切りなど)を作るとなるとお金がかかり、鮮明なキレイな写真を残すのは難しいです。

なぜなら、写真を読み込むのにお金がかかり、遺影写真の場合背景を消したり、服を着せ替えるのにお金がかかり、プリントにお金がかかり、額代がかかるからです。

選ぶ額の値段でも金額は前後してきますが、大体1万円を少し超えることが多いと思います。

「え!?高い!!」
そう思われた方、多いと思います。
しかも出来上がった写真は小さい写真を無理やり引き伸ばしているため、ちょっと微妙な出来上がり。
では、どうすれば綺麗な納得のいく写真を、手頃な値段で残すことができるのかをお伝えしたいと思います。

価格も納得の遺影写真を残すためにできること

それは、お手持ちのスマホでもデジタル1眼レフでもいいので、デジタルデータをお店に持って行きプリントすることです。

それさえできれば大丈夫だと思います。

お店に入ったらまずはお店にある遺影用の額の在庫を確認してもらいましょう。
そして、デジタルのデータを額のサイズに合わせてプリントすれば大丈夫です。
先に額のサイズを確認しておけば店員さんがプリントサイズのフォローをしてくれると思います。(お店の忙しさによるとは思いますが)

最近のスマホのカメラは解像度が高いので大きく引き伸ばしたとしてもそれなりにキレイなプリントに仕上がります。
でもピントはしっかり合わせてあげてくださいね。

背景はできるだけシンプルな方がお勧めです。

ですが、今はコロナ禍ということもあり、お葬式すら人を呼びにくい時代です。
しかも時代は令和になりました。
遺影写真も今までのように写真を無理やり引き伸ばして、背景を消して、洋服も変えて、遺影っぽくする必要はないのかなと思うようになりました。

家族の方々が好きな写真を好きなように残すのがベストだと思います。

今回私が用意した写真は2枚。

一枚は私の一眼レフで撮った約10年前の写真。
まだ病気をする前の元気だった頃、たくさんのコスモスの前で撮った、正面向きで背筋をぴしっと伸ばし、トレードマークのキャップを被っている写真です。

もう一枚は、母が一緒に観覧車に乗ったときにスマホで撮った横を向いている写真です。
最近撮ったものなんですが、この10年で何度か手術をしているため、心も体もすっかり丸くなったように感じる写真です。

どちらもいい写真です。

私としては正面を向いている写真がいいのでは?と思ったのですが、母が一緒に観覧車に乗った時の思い出を語っている姿を見て、正面を向いているかどうかよりもこの一瞬の思い出が何よりも大切なんだと思い、その思いを大切にしてあげたくなり、どちらでも好きな方を選べるように二つの写真を用意することにしました。

額も色違いで白と黒を用意しました。
私が働いている頃は黒しかなかったけど、今は白い額もあるんですね。

以前の私であれば背景をきっちりパソコンで消して、洋服もきっちり着せ替えていたと思うのですが、母がすぐに故人との思い出を思い出せるように、背景も服もそのままの形でプリントする事にしました。

仕事で遺影写真を作っているときは、時間に追われてそこまで考えることはなかったのですが、今回身近な人のお別れのお手伝いをして色々と考えることができました。

最後まで読んで頂き、ありがとうございます。

大病をする前とその後では人の顔は変わってしまいます。
そのどちらの写真を残すのかは人によって意見が分かれるところです。

あなただったら、どちらの写真を残したいですか?

もし私だったら、私が逝ってしまう立場であれば大病する前ですが、看取る側であれば病気の後の写真を選ぶのではないかと思います。
人の考えは変わるものです、今日はこっちの写真で明日はこっちの写真で故人に向き合い、49日くらいまではとことん悲しんでみるのもいいかもしれません。

このnoteを読んで、私も遺影用の写真を撮ろうと思った方、大切な人の写真を撮ってあげようと思った方はこちらのnoteを参考に撮ってみてください。


この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?