宮部みゆき『ペテロの葬列』読後雑感
宮部みゆきは、人物の内面描写に定評のある作家で、私の大好きな作家のうちの一人です。
代表作を問われたならば、今なら「三島屋シリーズ」が真っ先に上がるでしょうか。20年程前に書かれた『模倣犯』も評価の高い作品です(映画は酷評されましたが、それは原作のせいではありません)。
今回俎上にあげる『ペテロの葬列』は今から10年近く前の作品です。ドラマ化もされているそうですが、そちらは私は見ていません。杉村三郎という男性を主人公にした作品群の一つですが、その中でもこの『ペテロの葬列