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感情知能の基礎知識 - あなたの中に眠る真の力を引き出す

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AI の進化と共にビジネスにおいてハードスキルと呼ばれる専門知識のみでは差別化が困難な時代がやってこようとしています。また、ひとり親、共働き、同性婚など多様な家族像が叫ばれる中、… もっと読む
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世界を変えたビジネスアイデア – 感情知能 (Emotional Intelligence)

皆さんは、21世紀の日本のビジネス社会で成功するには何を学ぶべきだと思いますか?かつて、データサイエンティストは21世紀で最も魅力的な仕事であるとハーバードビジネスレビューで紹介されたこともありました。そのハーバードビジネスレビューのポッドキャスト番組 HBR IdeaCast の100回放送記念の特別放送が2022年10月にあり、四回にわたって世界を変えた四つのビジネスアイデアを紹介しています。 科学的管理法 (Scientific Management) 破壊的革新

睡眠の質を高める5つの方法

睡眠は脳の成長に欠かせない行動です。「寝る子は育つ」といいます。適切な睡眠の重要性は、古来より多くの人が感じてきただけでなく、科学的にも証明されています。朝起きた時に、頭がすっきりしていなかったり、日中眠かったりするのは睡眠が不十分な可能性があり、運動のような肉体的にも、勉強のような認知的にも、怒りや不安のような感情的にも、自分の能力を発揮することが難しくなります。そして、不完全な自分によって自分の人生を積み重ねることは、人生の幸せを感じる力にも悪影響を及ぼしかねません。

あなたが犯しうる人生最大の過ち

今回は、皆さんに一つの問いについて考えてもらいたいと思います。 あなたが犯しうる人生最大の過ちは何だと思いますか? 殺人?自殺?親不孝?結婚? SNS や報道等で知ることになる様々な事件や事故を思い描いた人もいるかもしれません。しかし、SNS や報道等で知るそのような不幸は、実際には、それよりもずっと前に起きた本当の過ちが原因になっているかもしれません。 皆さんの中に、自分の感情を無視してしまった経験のある方はいませんか?自分の感情と対話をしないで無視し、自分を理解しよ

感情の持つ特権と6秒の本当の意味

「カッとなる」「頭に血が上る」「キレる」など突然やってくるネガティブな感情の高ぶりを経験したことはありませんか?ここで「感情のハイジャック(Emotional hijacks)」と呼ぶそれらの体験は、人間の脳が本来持っている重要な機能によって引き起こされます。残念ながら現代では、この機能が本来の役割とは違う場面で動作してしまうことがあります。これはある意味人生で最も厄介な副作用の一つだと思いますが、自分自身の感情知能を成長させることで改善します。 脳の中で起こっているこの現

人生の幸せを再定義しよう

今回は、皆さんに三つの問いについて考えてもらいたいと思います。 幸せな人生を送りたいですか? 今、幸せですか? 自分の幸せが何か理解していますか? 統計的なデータが手元にあるわけではありませんが、多くの人が最初の質問には「はい」、あとの二つには「いいえ」と答えるのではないでしょうか。そこで考えていただきたいのです。それでいいのでしょうか?自分の幸せとは何かを理解せずに、幸せな人生を送れるでしょうか?なぜ学校は何もせず、大人はこの重要な問いに答えられないのでしょうか?

好奇心の奇跡

歴史上の画期的な発見や驚くべき発明の多くには、ある共通点があります。それは好奇心です。 新しい情報や経験を求め、新たな可能性を探ろうとする衝動は、人間の基本的な性質です。今年もノーベル賞発表の時期がやってきましたが、「好奇心」に突き動かされた人々の新たなサクセスストーリーを聞くことができるでしょう。 このように、好奇心は学問の世界では大成功を収めていますが、一方で、ビジネスの世界ではあまり聞かないと感じる人もいるのではないでしょうか?好奇心は未熟で幼稚だと感じる人さえいる

子どもの未来と心の健康

子供の頃の心の健康が大人になってからの心の健康を左右すると聞かされていたら、そして、心の健康が人生の成功を大きく左右すると聞かされていたら、きっと違った子育て方法を試したのではないでしょうか? 心の問題を抱える大人が増えているのは、子供の頃に刻まれた感情や気持ちの表現方法に深く根ざしていると言われています。問題は、社会全体として感情リテラシーが欠如していることにあります。子供を授かり親になる大人に対して、子供の気持ちや感情に共感することや思いやりをもって接する具体的な方法を

リーダーシップは共感に根ざす

感情知能の四つの領域の最後の領域である人脈管理は、影響力 (Influence)、コーチとメンター (Coach and mentor)、対立管理 (Conflict management)、チームワーク (Teamwork)、リーダーシップ (Inspirational leadership) の五つの特性から成り立ちます。今回はいよいよリーダーシップに関して TED の動画などを参照しながら理解を深めたいと思います。動画を見る際には日本語の字幕を活用してください。 リー

対立を制する者はリーダーシップを制す

感情知能の四つの領域の最後の領域である人脈管理は、影響力 (Influence) 、コーチとメンター (Coach and mentor) 、対立管理 (Conflict management) 、チームワーク (Teamwork) 、リーダーシップ (Inspirational leadership) の五つの特性から成り立ちます。その中から今回は対立管理に関して TED の動画などを参照しながら理解を深めたいと思います。動画を見る際には日本語の字幕を活用してください。

心理的安全性は成功への道しるべか、失敗への落とし穴か

今回は、心理的安全性 (Psychological safety) の高い集団を築くためにはどうすれば良いのか考察を重ねたいと思います。皆さんの職場の中でも心理的安全性に注目した組織改革を進めている会社で働いている方もいるかもしれません。心理的安全性を構築するためには、トップダウンとボトムアップの両方の取り組みが必要になります。具体的にどのような能力が個人個人に求められ、また、リーダーに求められるのかを、そして、感情知能がどのような役割を果たすのかを、心理的安全性の世界的な第

怒りの感情は恐ろしいもう一つの感染症

2023年5月に新型コロナウイルス感染症が5類感染症に分類され、WHO (世界保健機関) も緊急事態宣言を終了するなど、Withコロナも新たなステージへ進みました。世界中で多くの犠牲者を出し、恐ろしいウイルスであることに変わりはありませんが、ワクチンの開発は進み、手洗いなどを含む新しい生活習慣を身につけることで前進できそうな兆しが見えてきました。 風邪やインフルエンザのようにウイルスが引き起こす病気は人から人へ伝染しますが、一方で、感情が人から人へ伝染することも広く知られて

失敗から学ぶフェイルファスト(Fail Fast)を実現する心理的安全性と成長思考

今回は、フェイルファスト(Fail Fast)で革新的なプロジェクト(イノベーション)を進めるビジネス手法に関して考察を重ねたいと思います。フェイルファスト(Fail Fast)はイノベーションを成功へ導く戦術です。しかし、並みの組織では限られた効果しか上げることは難しく、高い心理的安全性を礎とした組織文化が求められます。そこでは、個人レベルの成長思考を超えた、組織レベルの成長思考が根付いています。また、その文化を推し進めていくためには、先見性のあるリーダーシップも必要になり

マインドフルネスで自分の感情と価値観の繋がりに目覚める

ビジネスでは、不確実で刻々と変化する状況がつきものです。そのような状況で、不必要な不安や恐怖を感じ、疲れ果ててしまうことはありませんか?あるいは、自分の感情をうまく対処できず、相手を困らせ問題を複雑にしてしまった経験はありませんか? そのような状況は、感情認知力 (Emotional self-awareness) を高めることで改善する可能性があります。感情知能の四つの領域の中の最初の領域である自己認知は、感情認知力を高めることによって、そのような状況でも自分の感情を上手

確証バイアスや、有害な脳内のおしゃべりの影響に気づき、成長するための内省力を手に入れる

内省力 (Reflection) は、感情知能の四つの領域の中の最初の領域である自己認知を高める際の、感情認知力と並ぶ重要な柱の一つです。内省は、自分の内的状態に継続的に注意を向ける行為で、自己反省的な気付きの中で、感情によって引き起こされる体験、例えば、怒りで顔が紅潮し目を見開くとか、緊張で心臓が高鳴り手に汗をかく、などを観察し改善することです。 マインドフルネスによって自分の「現在」を意識できるようになり、感情認知力の高い状態を引き出すことができれば、内省力によって自身