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セカンドチャンス、人間も犬も

11月1日の今日はワンワンワンで犬の日らしいので、私の大好きな犬関連の団体をひとつ紹介させてください。

Pawsitive Change というカリフォルニア州で、受刑者たちを対象にしたリハビリプログラムです。(Paw=前足、とPositiveをかけています)

もう長く活動されているノンプロフィットの団体ですが、目的はひとつーーー人間と犬にセカンドチャンスを与えてあげることです。(写真はPositive change のインスタグラムから)

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簡単に説明すると、州の刑務所に長期収監されている受刑者の何人かを殺処分されるリストに載っている犬たちと引き合わせ、一緒に12週間に渡るトレーニングを行う、というプログラムです。受刑者は詳しく書かれてはいませんが10年も20年も収監されている人たちですので、殺人などではないですが”凶悪犯”の人間です。

その中で希望者を募り、対話や筆記のテストを行ったのちに、犬のトレーナーとしての訓練を受ける10人ほどが選ばれ、それぞれにペアとなり12週間を一緒にすごく犬たちを引き合わせます。犬たちはシェルターにいる捨て犬や殺処分を待っている”いらない”レッテルを貼られた子達です。人間を怖がり、なつかず、噛んだり暴れたりする子達もおり、その子達が人間を信じ、きちんとしつけをされ、新しい家庭にもらわれるようにしっかりと訓練をするのが受刑者トレーナーの仕事です。

受刑者トレーナーに犬に関するすべてを教えるのはボランティアのプロトレーナーたちで、彼らは犬にも受刑者たちにも真摯に向き合い、このプログラムを続けています。もう数え切れないほどの犬たちが養子縁組され、刑務所を出てから社会に出てドッグトレーナーやドッグウォーキングなどの犬に関する仕事につく元・受刑者の人も多いです。

このプログラムを何度も履修することによって、受刑者たちは自分の過去を振り返り、それまでの自分に欠如していたであろう学びや感情・愛情、信頼関係などの大切さを知ることになります。ポジティブな経験をすることにより、自分と社会との関わり方を考え、新しい人生を送る機会を大切にするようになります。実際にこのプログラムを卒業した受刑者の再犯率はほぼ0のようです。

自分が担当した犬たちを手放すのが悲しくて、”社会に戻れる日まで”と家族に引き取ってもらっている人もいます。

このプログラムは残念ながらまだ一般的ではなく、ほんの一握りの受刑者たちと捨て犬たちしか恩恵を受けていませんが、これから活動が認められ全米の刑務所で同じようなプログラムが始まるといいな、と願っています。

人間にも、犬にも、社会にも、セカンドチャンスをあげたい・・・そんな強い思いから始められたプログラムです。

シマフィー 



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