みなさんの”ちゃんとした”お弁当には何が入ってますか?
最後に”ちゃんとした”お弁当を食べたのはいつだろうか。
そんなことをぼんやり考えたのは、夫との会話で、もう9月から彼のお弁当を作らなくてもよいことがわかったから。夫の職場(*アメリカの州立大学)には学食があるけれども、これまで昼過ぎまで授業がある日は日本のランチジャーやお弁当箱に詰めたBENTOを持って行っていた。お弁当、ではなく BENTO にしたのは、その中身は日本のお弁当にはあるまじきモノだったから(笑)。
私の職場は(*アメリカの私立高校)カフェがあり、そこでビュッフェ形式で好きなものが食べられる。なのでお弁当を持っていくことは皆無だ。
noteやインスタで日本の”ちゃんとした”お弁当を見ると、いいなぁぁぁぁぁぁぁ とため息をつかずにはいられない。正直に言うと、ご飯の上に佃煮や、塩ジャケや、唐揚げなんかがぴらっと乗った(作者曰く)”簡単弁当”なんかをみても盛大なため息が出る。
まぁ弁当箱はあるので自分で作ればいいだけの話なのだが、自分で作ってしまうと”ちゃんと”してないのでよろしくない。アメリカの食材で私が作るなんちゃって和食はちゃんとしてないからだ。
私が最後に”ちゃんとした”お弁当を食べたのは多分10年ほど前に帰国した時だと思う。帰りの飛行機の中で食べなね、と母が小さなプラスチックのパックに詰めたお弁当を持たせてくれた。ありあわせで、簡単で、質素な弁当だった。
小さな俵形のおにぎりがふたつ、甘い卵焼き、昆布の佃煮、多分小さな唐揚げ、そんな弁当だった。食べたらすぐに捨てられるようにとペラペラの透明プラスチックのパックに入れられ、輪ゴムで止められ、母のハンカチでギュッと包まれていた。
中学生の時は毎日お弁当だったのに中身は何だったのか、ほとんど覚えていない。多分ハンバーグとかコロッケとか手の込んだものは入ってなかった。冷凍のおかずも今ほど種類もなかったはずなのでちゃっちゃっと作った何かが入っていたのだろうが、多分私が持たされた簡単な弁当と同じようなものだったのかな、と思う。
三つ子の魂百まで、というが、その通り私の中の”ちゃんとした”お弁当は色とりどりの幕内でもおしゃれなサンドイッチでもなく、巻かれた味付け海苔がふにゃふにゃになり、隣においてある昆布の佃煮の茶色が色移りした俵形のおにぎりと何も入っていない甘い卵焼き、あとは何かあったものがぎゅっと詰められたもの。
そんなちゃんとしたお弁当がもう一度食べたい。
シマフィー
*こんなことを書くと母から”今度帰ってきた時につくっちゃる!”と張り切ったメールが来ます笑
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