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日本人にしか聞こえない音

日本語を勉強している台湾のツイ友さんが、高見沢さんがビデオメッセージの中で頻繁に “今夜もつらつらと話してしまいましたが” というのを聞き、これはつらつら?ずらずら?どっちですか? と質問していたので、私はこう答えました。
どうでもいいことを長々と話すときつらつら、を使います。

彼女はきちんと辞書で調べた上で質問をしていて(偉い!学習者の鑑!)、つらつらは辞書にはきちんと考えるという意味しか載っておらず、わからなかったと言っていました。

調べると、つらつらは倩々・熟々と書くのは念を入れてみたり考えたりする様、という意味と連々・滑々だと止まることなく・流れるように、という二つの意味があることがわかり、自分が使用していた“内容のないことをだらだらと話す”というのは全くの誤用だとわかりました。

イメージだと偉い人が長々と繰り返し同じことを言い聞かせるときのような状態を つらつら だと思っていました。どこでそんなイメージがついたのでしょう?

日本語は擬音・擬声語や擬態語がたくさんあり、日本語学習者が苦労するという話を思い出しました。一方、日本人が何かを外国語で表現したいときにうまくピタリと当てはまる擬態語がないのをもどかしく感じることもあります。

外国語では動物の鳴き声も生活にあふれるあらゆる音も、日本語とは違って聞こえ、 へー、アメリカ人にはそんな風に聞こえるんだ と吃驚することもあります。犬のワンワン・バウワウ、くしゃみのハックション・アチューなどです。
更には音のないものにも音を当てはめて表現する日本語は、学ぶ側から見ると難しいだろうな〜と思います。
こっくりこっくりする、ぶらぶら歩く、ピリピリ辛い、ぷりぷり怒る
どれも情景が見え、日本人ならば多分似たような絵が思い浮かぶはずです。
私たちは日本という文化を共有しているので、それは当然ですが、違う文化で育った人には難しいでしょうね、ニュアンスが。ぷりぷりとブリブリはどんな差があるのか、ピリピリとビリビリ?ぶらぶらとふらふら・・・・うぅぅぅぅ。

我が夫は流暢に日本語を話し、家ではほぼ100%日本語です。私しか日本語で会話できる人間がいないので、何か理由がない限りは日本語を話してね、と結婚当初から言われてきました。

彼は ”日本語で話す”ことを徹底していて、日本語がある場合はカタカナの単語は使わず、私が使うと ちゃんと日本語で言って とダメ出しされます。カタカナしかない場合はそれでいいのですが、なぜか不必要な外来語を使ってしまう時があるのです。
例えばピザソースはそのままでいい、でもトレイはダメ(お盆)。
バスタオルはいい、でもソックスはダメ(靴下)。
カーペットはいい、でもキャビネットはダメ(棚)。
英語を話さない日本人でも普通に使うであろう“英語”は怒られるのです、ちゃんと日本語があるんだから!って。

そんな我が家ですが、夫が日本語学習で苦労したけれど、日本らしくて大好きな擬音・擬声・擬態語がたくさん会話にでてきます。日本にしかない音の世界が大好きなのです。
もちろん一般的に使う言葉もありますが、うち以外の人が聞いたらなんのことやらわからないようなものもあります。

キュッキュしておいて〜とか、ジョリジョリするの?とか、パチパチ直して〜とかです。

擬音・擬態語は文化に密接に関係していますので、家庭内文化でそれが発達してもおかしくはないのです。

あなたの家でも“うちでしか通じない”擬音・擬態語がありますよね!

さて、そろそろシマリスとぽやぽやしてきますかね。

シマフィー

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