コピーとは経営そのものだ/博報堂 ミライの事業室 室長 吉澤到さん
武蔵野美術大学 大学院造形構想研究科
クリエイティブリーダシップコース クリエイティブリーダシップ特論
第13回目の授業は、博報堂 ミライの事業室 室長の吉澤到さんの講義でした。
吉澤到さんについて
博報堂 ミライの事業室 室長
東京大学文学部社会学専修課程卒業。ロンドン・ビジネス・スクール修士(MSc)。1996年博報堂入社。コピーライター、クリエイティブディレクターとして20年以上に渡り国内外の大手企業のマーケティング戦略、ブランディング、ビジョン策定などに従事。その後海外留学、ブランド・イノベーションデザイン局 局長代理を経て、2019年4月、博報堂初の新規事業開発組織「ミライの事業室」室長に就任。クリエイティブグローススタジオ「TEKO」メンバー。著書に「イノベーションデザイン~博報堂流、未来の事業のつくり方」(日経BP社)他
博報堂 ミライの事業室
https://mirai-biz.jp/
コピーとは経営そのものだ
長年の間、コピーライターとして活躍されてきた吉澤さんのお話で印象的だったのは、「コピーとは経営そのもの」だということ。
具体的な例として、ユニクロやGU、セオリーといったブランドで有名なファーストリテイリングのステートメントを挙げられました。
STATEMENT
「服を変え、常識を変え、世界を変えていく」
この簡潔でわかりやすい言葉に、ファーストリテイリングがこの世に存在する意義や実現したい未来、そのために取り組むことまでが示されいることがわかります。
吉澤さんいわく、コピーによって、「経営者の想いを伝え、意味を与え、進むべき方向を示し、感情に訴えて人を行動させる。また現場の創意工夫を引き出したり、経営に一貫性を与える」ことができます。
つまりコピーは企業の羅針盤でありエンジンになるのだと理解しました。
「言霊」という言葉がありますが、改めて言葉の持つ強いパワーを感じさせられます。
自分の事業を通じて感じた、コピーと経営の密接な関係
また、つい最近まで私は自分の事業のOKRをつくっていました。そのプロセスを思い返すと、吉澤さんのおっしゃるように「経営とコピー」の関係の深さを実感せずにはいられません。
▼OKRとは?
https://jinjibu.jp/keyword/detl/883/
OKRの中でも特にObjectiveを考える際に、コピーや言葉と経営の密接な関係を感じました。
なぜなら、Objectiveには「私たちがこの事業を行う意義を含んでいるか?」「一緒に事業を運営していくメンバーが心からワクワクするものになっているか?」「事業の未来を指し示すものになっているか?」といった観点を込めており、これを考えることは事業の未来を考えることだったからです。
考えるプロセスにおいて、何度もメンバーや関係者のフィードバックをもらいながらつくったのですが、そのプロセスの中で組織やチームの中での事業に対するビジョンやミッションがすり合わされていき、この「コピーをつくるというプロセス」こそが、「経営」というものの一環だと感じました。
そしてこの「コピー(今回の場合はObjective)」を実現させるために、売上計画や組織運営が必要になってきて、「経営」というものが形作られていくのだと考えています。
(実はObjectiveを考えていた1ヶ月間、こんなに時間をかけちゃって大丈夫なのだろうか…?と悩んだこともありました。しかし、今回のお話を聞いて、コピーとは経営にとって非常に重要なものであるということが理解でき、自分の進め方は間違っていなかったと感じられました。ここからはつくったコピーが形骸化しないように、組織に浸透させ、実行できるよう努めていきます!)
吉澤さんのお話から、改めて自分が行ったことを俯瞰的に捉え、経営とは何か?ということを言語化することができ、感謝のっ気持ちでいっぱいです。
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