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税務調査は拒否できません~税務署から連絡があったときの対処法~


はじめに

こんにちは、島田(@mshimada_tax)です。

税務調査は個人事業者であれ法人であれ、事業を営んでいれば誰でも受ける可能性があります。

もっというと、事業を営んでいなくても、個人が行う贈与や相続、譲渡の申告が税務調査の対象になることだってありえます。

で、税務調査に関しては、皆さん一定の関心はある、ということが分かっています。

というのも、インスタで投稿している動画のうち、税務調査関連の再生回数が明らかに多いからです。

今回は、その中でも最も再生回数が多いタイトルのテーマについて掘り下げていきます。

税務調査は任意じゃないの?

税務調査は任意だけど、、、

一般的な税務調査は任意調査です。

というと拒否できるのか、と思われるかもしれませんが、残念ながらそうではありません。

税務調査自体は拒否できないのです。

ここでいう任意というのは、資料などを確認するときに納税者の同意が必要になるという意味です。

たとえば、調査官が引き出しの中を見たいと思ったときに、納税者の同意なく引き出しを開けてガサゴソ資料を探したり、勝手に証拠物件になるものを持ち帰ったりすることはできません。

一般的な任意調査では、調査官が自らの手で引き出しを開けるのではなく、納税者に依頼して開けてもらい、中身を確認するという流れになります。

そして、基本的には税務調査の前に事前通知があります。

稀に突然税務調査官が自宅や事務所に訪ねてくることがありますが、事前通知があるケースが大半です。

事前通知があったときの対処法は後半に説明します。

強制捜査もある

いっぽうで、任意ではなく本当の意味で強制捜査が入るときもあります。

いわゆるマルサによる調査です。

ニュースやドラマでよく見かけるような、いきなり玄関にやってきて裁判所からの令状を見せられ、強制的に証拠物件を回収して段ボールに入れて持ち帰るような調査が強制捜査です。

強制捜査はよっぽど悪質性や秘匿性が高く、脱税していると思われる金額が大きい場合に行われます。

強制捜査で脱税行為が見つかれば告発され、起訴されて裁判を受けます。

最近の例だと、パパ活で詐欺罪に問われた頂き女子りりちゃんが記憶に新しいですね。

拒否したらどうなるの?

先ほどお話したように、任意調査であっても税務調査自体を拒否することはできません。

税務調査を拒否すると、1年以下の懲役もしくは50万円以下の罰金という罰則が課されます。

この罰則の対象は、調査から逃げ続けることのみならず、税務調査官の質問に対して答えなかったり、ウソをついたりした場合も含みます。

税務調査官も調べる権利があるので、調査の邪魔をすると罰を受けるということです。

さらに、正当な理由がなく拒否し続けると、税務調査官は納税者への調査以外の方法で、その納税者の情報を取得しようとします。

銀行口座から取引先の情報を取得して、その取引先へ反面調査を行うことにより、調査対象納税者に売上計上漏れがないか、を確認したりします。

つまり、自分が拒否し続けると取引先にも迷惑がかかるので、その後のビジネスに影響が出る可能性もあります。

むやみに拒否せずに、税務調査官の調査に協力する姿勢をある程度出すことが、税務調査を早期に終わらせることに繋がると言っても過言ではありません。

税務調査の連絡が来たら何をすればいいの?

一般的な税務調査は、実地調査(税務調査官が自宅や事務所に来ること)の前に、事前に通知がきます。

通知の方法は原則として電話で口頭により行われます。

事前通知あったら、税務調査をスムーズに始められるように準備することが大切です。

税務調査対応は顧問税理士がいる場合と、そうでない場合に対応が分かれるので、それぞれ分けて解説していきます。

顧問税理士がいる場合

顧問税理士がいる場合は、その顧問税理士が税務代理権限証書という書類にに納税者の代わりに通知を受け取る選択していると、顧問税理士に通知が来ます。

この場合、日程調整は顧問税理士を通じて行うことになります。

申告書の作成のみ税理士が関わって、税務調査の代理を委任していない場合は、納税者本人に通知が来ます。

顧問税理士がいない場合

顧問税理士がいない場合は、納税者本人に通知が来ます。

税務調査の連絡を受けたら次の3つをしっかりと抑えてください。

①調査対象になる税目と申告年度
調べられるのは所得税なのか、法人税なのか、消費税なのか、相続税なのかを把握しておきましょう。

同時に、どの年度分が調査対象になるのかも確認してください。

これを知ることで、税務調査前までに申告内容の見直しや書類のチェックをすることができます。

②担当調査官の氏名
担当調査官の氏名を知っておくことで、その調査官の職位を知る事ができますし、その後税務署と連絡がとりやすくなります。

③調査日程
税務調査の日程は一方的に税務署の都合で決められるわけではありません。

正当な理由があれば納税者の都合を考慮してくれるので、都合が合わない場合は交渉できます。

この3つを抑えたら、税務調査で必要になる会計帳簿や通帳や請求書等などの書類を整理しておきましょう。

おわりに

まとめると、税務調査は拒否できず、逃げ続けたりウソの回答をすると罰則を受けます。

そして、一般的に税務調査前には事前通知がいきます。

基本的に電話で連絡がくるので、顧問税理士がいない場合は、①調査対象になる税目と申告年度、②担当調査官の氏名、③調査日程を確認しましょう。

特に③調査日程は納税者の都合を考慮してくれるので、都合が合わない場合は交渉できます。

税務調査は必ず来るというわけではありませんが、誰にでも突然税務署から電話が来る可能性はあります。

今回のポイントを踏まえて、慌てず誠実に対応しましょう。




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