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なぜ「デザイン」という言葉を選んだのか~42のデザインで幸せな公務員を増やしたい~


週に一度、週末は2月に学陽書房さんから出させていただく本のことをnoteで書かせていただいています。


今日は本のタイトル『仕事の楽しさは自分でつくる! 公務員の働き方デザイン』に使ったデザインという言葉のこと。


この言葉は、想いがあって選びました。


公務員一人ひとりが幸せを感じ充実した気持ちで働いていたら、きっと住民を幸せにするようないい仕事ができる


この理想を現実のものにするのを少しでも後押ししたいと思って、この本を書きました。主に若手公務員を対象に

公務員って、ままならないことがいろいろあるよね。
でも、ひとのせいにしても何も変わらないから、自分の人生のハンドルは自分の手で握ろうよ。

そういう想いを込めています。


そう、ままならないことがいろいろとあるんですよね。
仕事でも、プライベートでも。


でも、そのままならないことをそのまま受け入れて、「こういうもんだよね」とか「どうせ、ね」とか言って、「ちゃんとわきまえてますから」感を出してるのは、見た目にはクールなのかもしれませんが、それで本当に幸せなのでしょうか?

そうじゃなくて、上司との関係がままならなくても、人事異動でままならなくても、大量の仕事に追われてままならなくても、私がこの状況に対して1ミクロンもできることがないなんていうことはあり得ない。必ず何かできることがある。それがたとえ微細であったとしても。


ところでデザインという言葉を辞書で引くと、こんな風に書いてあります。

デザインーする(他サ)〔design=下絵〕①設計(図)。②図案。意匠。
(新明解国語辞典(三省堂))

日本語的なデザインは、専らいわゆる「カタチ」のあるものに使われますが、本来の意味はもう少し広くて、グッドデザイン賞を運営している公益財団法人日本デザイン振興会はこんな風にデザインの意味を伝えています。

「常にヒトを中心に考え、目的を見出し、その目的を達成する計画を行い実現化する。」この一連のプロセスが我々の考えるデザイン
公益財団法人日本デザイン振興会


キャリア・デザインとかプロセスデザインとか、コミュニティデザインとか、図面を引くことのない概念的なデザイン。

これらに共通するのは、ある課題を解決するために目的と意志をもって、その構造や関係性などを(目に見えないけど)形づくること

本のタイトル『仕事の楽しさは自分でつくる! 公務員の働き方デザイン』に使ったデザインという言葉も、この意味に近いもの。
私がデッサンもCADもろくにできないのに「デザイン」という言葉を選んだのはこのためです。

私はデザインという言葉の語源とか本当の意味とか、正しい使い方というのは、あまりよく知りませんが、デザインという言葉の持つ能動性・主体性を帯びるイメージが本書で呼びかけようとしている働き方のイメージにピッタリだと思っています。



公務員って、ままならないことがいろいろあるよね。
でも、ひとのせいにしても何も変わらないから、自分の人生のハンドルは自分の手で握ろうよ。

「公務員として自分の人生のハンドルを自分の手で握る」その目的のために働き方を自分の手でデザインしましょうよ、いや生き方をデザインしましょう、というご提案の方が本書が伝えようとしている本来の意味に近いのかもしれません。


上司との関係がままならなくても
人事異動でままならなくても
大量の仕事に追われてままならなくても

それらの課題を解決するために目的と意志をもって、その構造や関係性などを(目に見えないけど)形づくる、つまりはデザインしよう

例えば、人事異動で希望の部署にいけなくてままならないけれど、今いる職場で自分らしく働きたくて(目的と意志をもって)、新しい仕事をつくったり既存の仕事の在り方を変えてみたりして(構造や関係性などを形づくる)、つまりは働き方をデザインする。
状況とか組織に、ただ一方的にやられっぱなしでいるんじゃなくて、自分で自分のことを幸せにして、仕事を通じて住民を幸せにしたいから。


それが本書のタイトル『仕事の楽しさは自分でつくる! 公務員の働き方デザイン』デザインという言葉を使った意図です。


ちなみにこの本では《42のデザイン》をお伝えしています。

CHAPTER1 仕事をデザインする
1 自分の仕事をデザインして幸せになる
2 状況への想像力でヌケモレを防ぐ
3 仕事は細かく分解して着手する
4 焦らず慌てず、「記憶」より「記録」に頼る
5 やりたいことがあるなら、今できることに全力を注ぐ
6 学ぶ力で人事異動を味方につける
7 「できません」から始める、引受け方のマネジメント
8 「私がやったほうが」は市民のために捨てる
9 人前に出たら自分の言葉で信頼関係を築く
CHAPTER2 人間関係をデザインする
1 「あなたの頼みなら」と言われる関係をつくる
2 「後工程はお客様」で小さな気遣いを重ねる
3 人間関係は「わかりあえていないかも」が前提
4 聴き切るという市民サービス
5 知ってもらうことで味方を増やす
6 苦手な上司の「苦手な部分」に着目する
7 役職の違いは「上下」ではなく「機能」の違い
8 心理的安全性を高めると生産性が上がる
9 プロジェクトチームは「個人的な関係」をつくる機会
CHAPTER3 心のあり方をデザインする
1 仕事に必要なのは、時間の余裕より、心の余裕
2 望まない異動でくさる前に、置かれた場所で咲こう
3 組織に共感できなくてもモチベーションを保つには
4 上司の評価ではなく、自分自身の納得感を大切にする
5 あるのは苦しい出来事ではなく、そう捉える心
6 「振り返り」と「概念化」で失敗を成長のチャンスにする
7 元気がでないときは、自分で自分を褒めてあげる
8 「意識高い系」を恐れるあなたは「自意識過剰」!?
CHAPTER4 プライベート時間をデザインする
1 「1時間=168時間」の時間割をつくろう
2 学びは活かす場面まで想定すると自分のものになる
3 息抜きは周りを気にせず自分のスタイルで
4 避難所兼稽古場「サードプレイス」を持とう
5 社会に影響を及ぼすことから、もう逃げるのはよそう
6 公務員に特有の窮屈さは正しい理解で軽減させる
7 個人としての情報発信で目に見えない資産を築く
8 SNSは発信しないことを決めればリスクを管理できる
CHAPTER5 キャリアをデザインする
1 自分の人生のハンドルは自分の手で握ろう
2 偶然を自分のキャリアの味方につける
3 役所で働くことは目的? 手段?
4 「自立/自律」した公務員になろう
5 どの部署でも使えるポータブルスキルを身につける
6 これからの公務員の“新・自由七科"
7 仕事は課の名前では決まらない
8 正解を選べなくても大丈夫



この42のデザインで、全国の300万人以上の公務員の中から自分らしくイキイキと働ける仲間が一人でも増えてくれたら嬉しいです。



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