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”公務員バッシング”を受け入れるということ
皆さんは「公務員バッシング」について、どうお考えですか?
「公僕なんだから、それくらい言われて当たり前」
「公務員叩きなんて、誰も得しないよね」
立場によって様々な考え方があると思います。
今日は、そんな「公務員バッシング」について考えてみたいと思います。
まず、議論が迷走しないように、ここで「公務員バッシング」とは何かを定義しておきます。
【この記事における「公務員バッシング」とは】
特定の公務員に関するネガティブな情報を基にもしくは、何ら根拠なく、公務員に関するネガティブな事象を公務員全体に一般化して、公務員は一般的かつ全体的にケシカランと批判する行為
つまり、特定の公務員が起こした具体的なミスや不祥事に関して、その当事者である公務員本人や当該組織の体制などを批判する行為ではありません。
例えば収賄をした●●市役所の職員Aに対して「あの●●市役所のAという職員は許せない」と言葉にしたり、伝えたりすることは、この記事においては「批判」であってバッシングとは区別して考えます。
そうではなくて、例えば、●●市役所の職員Aが収賄したという情報に接して「公務員はどうせろくな仕事もせずに、税金から給料をもらいやがって許せない」と批判することを公務員バッシングと考えて記事を書いています。
その前提に立って、この記事では、
①公務員バッシングは社会的に望ましいものではない
②私たち公務員は公務員バッシングとどう向き合うか
この2点について、お伝えしたいと思います。
①公務員バッシングは社会的に望ましいものではない
公務員バッシングって、誰得なのでしょうか?
一般の皆様にとっての「ガス抜き」になっている可能性はありますね。それが仮に必要だとしても、健全なものではない気がしますが。
また、抑止力という観点はどうでしょうか。
公務員バッシングが存在するから、公務員は真面目に働くのか。不正を働こうとする公務員の抑止力になるのか。
このあたりは人によって考え方が様々ですが、監視して抑止力を効かせることで真面目に働かせ、不正を防止するって、正直、異常な世界だと思いませんか。
一方、デメリットもいろいろと考えられます。
例えば、公務員に優秀な人材が集まりにくくなること。
もう一つは現役の公務員の意欲が低下すること。
公務員バッシングのおかげで「公務員になりたい」と思う人が増えるわけはありませんし、現役の公務員が「もっと頑張ろう」と思うわけはありません。
もしかしたら「人材が集まりにくくなる」「意欲が低下する」という主張に対して、
「そういう人間は公務員にならなくていい。そういう環境でも公務員になりたいという人材、意欲が低下しない人材こそ公務員になるべきだ」
という考え方を持っている人もいるかもしれません。
私はこの主張に反対の立場をとっています。
これから公務員になるかどうか悩んでいる学生等の前では、公務員は選択肢の一つに過ぎず、他の職業との競争にさらされています。
他に給与など待遇面で魅力的な就職先が多くある中でも公務員になりたいという人材というのは、結局「公務員にでもなるしかなかった」という人材。
「公務員にでもなるしかなかった人材」が続々と役所に新入職員として就職して、最終的に不利益をこうむるのは地域の住民です。
もし「そういう環境でも公務員になりたいという人材」でありながら「でもしか公務員」を採らずに済む方法があるとしたら、それは「公務員バッシング」によって成されるのではなく、公務員の業務の実態をキチンと伝え、そのやりがいも苦労も理解してもらうことによって成されるのではないでしょうか。
そういう考えから、公務員バッシングは決して社会的に望ましい現象ではないと私は考えています。
②私たち公務員は公務員バッシングとどう向き合うといいのか
では、現役の公務員である私たちが「公務員バッシング」に対して取るべき態度や行動というのは、どのようなものなのでしょうか。
そのような公務員バッシングに触れたとしても、怒ったり、憤ったり、落ち込んだり、悲しんだり(私は未熟なので少し悲しくなりますが・・・)、バッシングを強く批判したりする必要は無い、むしろそういった感情や態度から距離を取っていたいと思っています。
一人ひとりの公務員は、所詮役所のいち職員に過ぎません。
ですから、報道される内容をどうこうすることもできませんし、それに批判の声を上げたところで、報道の内容を批判する世論を巻き起こせるわけでもありません。
スポンサーにはスポンサーの、制作者には制作者の信じる正義(視聴率であったり、広告へのリーチ数であったり)があるわけですから、そこを否定しても何も始まりません。
なので、どんなバッシングに触れたとしても、基本は自分の仕事を信じて、仲間を信じて、評価してくれる市民を信じて、毅然と業務を頑張るしかできません。
バッシングというのは「外部からの刺激」です。
バッシングに触れれば傷つくかもしれませんが、私たち個々の公務員の心の内側から自然発生するものではありません。
「外部からの刺激」を受けて、それに対してどう反応するのか(怒るのか、憤るのか、落ち込むのか、悲しむのか)は一人ひとり、自分で選択しています。
そして、「反応しない」という選択を自ら選ぶこともできます。
だったら、「外部からの刺激」に過ぎないバッシングに触れたとしても、「反応しない」や「気にしない」を選べばいいのです。
こういった行動・態度によって、結果的に市民の評価を高め、信頼を得ることで「報道の内容」と「市民の認識」を乖離させることが、決して無くなることのない「公務員バッシング」の影響力を低下させることにつながるのではないでしょうか。
公務員をつくるということは、
地域をつくることに繋がります。
では、その公務員は誰がつくるのか。
それは私たち公務員と地域の市民とで一緒になってつくっていくべきものです。
決して、バッシングで脅し、強制をしてつくっていくものではないと思うのです。
皆さんはいかがお考えでしょうか。
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主に若手公務員を対象に「公務員が充実した気持ちでイキイキと働くことが、住民の幸せにつながる」という想いで、「自分の人生のハンドルは自分の手で握ろう」というメッセージを込めて書かせていただきました。
そのあたりのことは、こちらの記事でもお伝えしています。
よろしければお手に取っていただけたら嬉しいです。
また拙著に関連する記事はこちらのマガジンにまとめて掲載していますので、併せてご覧ください。
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