ALWAYS with you.【しまさんの読むラジオ】
5月のGW明けに始まった、ミュージカル創りのプログラム「A COMMON BEAT」(以下、コモンビート)が、8月19日・20日の公演をもって、終了しました〜!
公演を見に来てくださった方、本当にありがとうございました。なんとなんと3公演で3,000人にご観覧頂けたとお聞きしてます!
さて、このミュージカルプログラムを通して、本当に心強い仲間たちに支えられたな、と感じました。
というのも、僕がいたチームは「至高」だと思ってるので、何がどう「至高」なのか、を語りたくなったんですよね。
同じミュージカルに参加したメンバーが「最高のチームにめぐりあえた」というので、「我も!」というナゾの対抗意識で書きます。(ちなみになぜ対抗意識があるのか、も書きます)
▼そんなメンバーのnoteはこちら
ちなみに、先日書いた記事では、「僕自身が歯を食いしばったこと」だったのが、今度は「かけがえのない仲間たち」について、になります。もちろん歌付きで。
▼先日の記事
そもそもの前提のお話から
といっても、少し前提のお話をしないと理解が難しい気がしたので、前提を揃えるところから。
ミュージカルのコモンビートの世界(言うなれば舞台上)は赤・緑・黄・青の4つの大陸に分かれているという設定です。それぞれサブタイトルとモチーフとなる地域が付いてて、
情熱の赤(アフリカ、中東)
気品の緑(ヨーロッパ)
調和の黄色(アジア)
自由の青(アメリカ)
となっています。
出演する参加者は、4つの大陸のうちのどこかに割り振られます。別の記事でサラッと触れましたが、歌と役の演じ方(セリフ)とダンスのオーディションを通じて、です。
プログラムの参加者の人数にもよりますが、1つの大陸はだいたい20~30人程度。
僕は初めての参加で、大人しい雰囲気だからなのか、オーディションで歌った歌(自分で選べる)が布施明の「君は薔薇より美しい」を選んだせいなのか、「気品の緑」になりました。
さて、そんな気品の緑が今回の話の舞台。はじまりはじまり。
そしてそんな舞台を彩る曲はゆずの「ALWAYS with you」です。(※LIVEアレンジの曲)
こうして出会えたキセキを今ここに刻むよ
チーム結成から、「大人」な緑
僕らのチーム(以下、個人的な違和感があるので「緑大陸」と呼ばせてください笑)の特徴は、みんなをひっぱるリーダー言わく「穏やか」。
各色の大陸のリーダーのミーティングでも「緑大陸は今日も異状ありません!穏やかです!」という報告をあげていたというほど。
チーム結成、あ、大陸結成のときから、「大人の余裕(=気品?)」をバリバリ出していました。
その反面、みんなで集合した時にダントツにうるさく、一人一人謎のギャグセンを発揮し、参加全メンバーの中でも整える役回りもできちゃう、という大陸でもあったのですが、これも「大人の余裕」だったのかも分かりません。笑
極め付きは「飲み会の回数がダントツに多い」。もはや気品とは???
しかし、そんな「大人」たちに足りないものがありました。というよりも、見つけられていないもの、と言った方が良いでしょうか。
突然生まれた「情熱の薔薇」
それは、「なにかにかける思い、情熱」だったのです。
それぞれ仲は良いし、歌も踊りも役作りも順調、に見えていました。
しかし、練習も半分を過ぎ、通しをしてみた時。
「このままでは、ダメだ」
と動画を見返して、演出の人のフィードバックも貰って、大人の緑大陸で20歳になりたての男が声を上げました。
「お互い、言いたいこと言えてなくない?恐れてない?ねぇ?」
そう彼は言いました。そしてその通りでした。
僕もポジティブにフィードバックするように意識しすぎて、明快にダメなところを言えていなかったのです。
そして何より、「この大陸で、僕はなんの役割を果たせば、受け入れてもらえるだろうか?」という不安が常にありました。それは、コミュニティに属することに対して、常にある悩みでした。
練習は半分をとっくに過ぎた。
まさにこんな心境。
そこでリーダーが設けたのは「みんなで思いをぶちまける時間」。
僕ら大人に足りなかったのは「各々の心に秘めた情熱(の薔薇)」だったのです。
思い思いにぶちまけました。
僕も、先述のことを、こんなふうに伝えました。
でもこのときを期にそれぞれの思いが放たれ、不安はみんなの前に出てきて、心にある情熱の赤い薔薇を外にだした気がするのです。
僕ら緑大陸の、このメンバー自体が、そもそも出会えたこと自体が、奇跡だと思いますし、ここまで来たという軌跡をまず一つ刻めたのかもしれません。
それまでは、いつもの社会人同士のお友達のサークルくらいだったのが、一気に「チーム」になった瞬間とも。
気が付けばみな仲間になれる、というわけではないんだなという体感と共に、だからどこかで決断をする、想いを共有するという時間は必要だったと言えます。
一度出したその想いは、
「枯れずにいつも共にある」。
人を想い、自らの想いを捨てなければ、どんな暗闇でさえも光は差す。
そうして、変われた。そして僕たちの道は開かれました。
夢を掴むその日まで、夢に続くこの道を、僕はゆくよ
その時に僕が口ずさんでた曲の話につながります。
この時点で本番まで2週間。
しかも、次の練習まではまた離れ離れ(物理的に)。自主練で都内に集合!と言われても行けない僕(とさらに3人)。
その期間で動いたのは、文字通りの「みんな」でした。
全員が出る場面での、それぞれの動きを共有し、相互に関わりが作れるかを検証、次回実験するように準備
個人で動きが思いついてない人にはアイデアを提供(マジで感謝してる)
毎晩Zoomをつないで、確認事項があれば都度確認
ダンスも提供された自分たちの動画を見てフィードバックしあう
この動きを見ていて、それまでのみんなとは見違えるほどでした。むしろ僕が置いてかれてたくらい。そもそも、リードしてる訳じゃないんだけど。笑
本番前最後の練習。
今までの振り返りを無駄にしない、想いを込める。
全てをここで一旦出し切る。
広い体育館(そしてありがたいことに冷房が効いていた笑)に、本番と同じような舞台用のマット(リノリウムって言うらしい)を敷いて、本番前最後の通しをしました。
この日の夜も、集まれるメンバーで集まって、合宿して、話し合ってました。「大人の部活」という表現は個人的に好きじゃないんだけど、まあ実際そんな感じの例えが近いのかもしれません。
「この動き、良くね?」
「ダンスのこれ、振り多分逆」
「歌声すげぇぇ」
前までだったら、それよりほかのことを話してたハズなのに、気がついたらその日早くもアップされていた通しの動画の画面を全員で観ていました。
夜中12時をすぎても、僕らはお互いを(動画の上で)見合っていました。それは、公演を成功させたいという気持ちになってたと思っています。
それと、毎回通し終わる度に、演出の人が「あの大陸のダンスが良かったよ!!!」と講評してくるのですが、「緑が良かったよ!!!」と言われたい気持ちもあったとかないとか。ちなみに1番多く言われてたのは、そう、「青大陸」だったのです。悔しい。
一人じゃない 心の中 どんな時も
その翌週の土日は本番。
それまでの間。。。
・最終練習日に豪雨に遭い、風邪を引く
・部署異動で公演2日前から出張
というハードモードに。うーん、こうも間が悪いのはなんなのか…
前日、出張先から都内に入り、本番の日を迎えました。コンディションは正直悪かったです。
そして本番。
どんな感情だったかと言われたら、「緊張」「不安」が勝ってたのは間違いないです。
コンディション悪いし、人に観られているし、そもそもステージにそんな立ったことないし…。
そう思っていたら、その表情に気づいた周りのメンバーたちに声を掛けられました。
「しまさん、緊張してるね笑」
「考えるな、感じて楽しめ!」
「見せるんじゃない、楽しんでればそれでいいの」
普段からめちゃくちゃ考え込むタイプなので、気が付いたら下向いているし、考え事しているし、という中、周りに声を掛けられて顔が自然と上がったと思います。本当にありがとう。
そんな仲間たちがいて、舞台に無事立って、演じることができたと思います。気が付いたら幕も閉じていた気がします。
このとき、僕たちは「大人の余裕漂う、気品のある、至高の緑大陸」になったんだなと。
ただ穏やかで物静かな人たちの集団が、気が付いたら情熱を携えて、下を向いている人がいても、支え合い、励まし合い、そのさらに向こうへ。
ステージに立つという夢を持った人もいる。
マイクを掴んで、立ちたいと願った人もいる。
踊りにいまの命をかけている人もいる。
それぞれのステージがあって、役があって、与えられた命があって、それを「輝くため、愛するため、強く今を生きてゆく」。ひとつのステージで輝きを放つ。
でもだからといって一人じゃない。
このステージの上では、一人じゃない。万が一、一人のところがあっても(例えば歌のソロがあっても)、心の中ではどんな時も「with you(そばにいるよ)」。
それを感じ取れる舞台が、仲間が、そこにはありました。
そして、舞台を終えて、僕らは日々変わり続ける
舞台は終わり、気が付いたら2週間が経ちました。
あのときの「至高の緑大陸」は、LINEグループでこそ残ってるけど、もうあの舞台においてきたんだな、と寂しくなっています(なにぶん、山梨県から東京は遠い笑)。
公演直後に、書いた感想を少し見返しながら、このnoteを書いています。
「僕自身がどういう人か知りたい」
これは、一番最初のプログラムが始まるときに宣言した、「今回のミュージカルを作る100日間での目標」。
悩む自分、考える(考えすぎる)自分、そして動けなくなる自分。嫌いになりそうでしたが、好きになることはできなくても、受け入れられた気がします。
あと、ゴールに対するこだわり、負けず嫌いがめちゃくちゃ前面に出たのもこのプログラムで感じたことでした。
気づきはそれだけではありませんでした。
このミュージカルは、「役設定を自分で考えてくる」という特徴があります。(ちなみに、衣装を自前で作るのも、その一環だったりします)
なので…
みんなそれぞれが「主役」、というのが特徴。
それぞれがそれぞれの「役」を自由に考えてくる、その大陸の中だったり、ほかの人たちとだったり、関係性を作るのも自由。だから、その役を演じれるのはその人だけ。
僕自身は、緑大陸を支配する権力者の「護衛」という役を自ら選びました。
それは、色んな理由がありましたが、理由はいくらでも後付けできるものなので、最初に選んだ直感を話せば「それが一番自分のチームにおける役割で、パフォーマンスが出やすいから」なのかなと思います。
普段からも、「仲間のために」「目の前のお客様のために」「会社・団体のために」と自らの身体も頭も時間も捧げてきました(と思ってます)。
だから、直感的に1番フィットしたのかもしれません。実際、護衛として、権力者の横に居続けました。舞台でも、現実でも。
一方で、配役(どのシーンに出るか)は演出が決めるのですが、その中で、全員で踊るミュージカルナンバーがあって、そこでは「メインダンサー」という役をいただきました。
そう「メイン」です。「主」です。
その配役を受け取った時には全く気付かなかったのですが、舞台に立つ直前に気が付いたんです。
気が付いたら、「誰かの為に」「皆の為に」が先行してしまう自分。
それは違うぞ、と気が付かせてくれたのはこのミュージカルの、しかもたったの1パートだったわけです。
あなたは何がしたいの?
あなたは何でありたいの?
あなたは何を思うの?
その問いを突きつけてきた気がしましたし、それに気づけたことがこの100日間の集大成だったのかも分かりません。現実世界でも同じ問いを続けたいとも思いました。
思えば、この100日間、そして公演を通して、舞台を終えて、僕自身気づきがたくさんあり、僕の仲間たちは「至高」のものになりました。
かけがえがない、至高の僕ら。
毎日変わり続ける世の中と僕ら。
1度舞台の幕は降りたけども。
舞台の幕は閉じて、環境も人も何もかも変わり続けていく世界に戻っていく。
あのときサヨナラだったかもしれないけど、いつか空を見上げて、僕らをつなげていた、言葉や音楽やダンスや場を思い出す。ついつい立ち止まって、口づさむかもしれない。
サヨナラを越えて、微笑む明日へ。
もう、いつもの日々に戻っていくけど。
いつでも仲間が支えてくれる。
「ALWAYS with you」。
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