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031.読書日記/「サイコセラピスト」

文春のミステリーレビューにアレックス・マイクリーディーズの第二作「ザ・メイデンズ ギリシャ悲劇の殺人」が紹介されていて、そういえば第一作の「サイコセラピスト」を読んでなかったな、と思って借りてみました。

全世界で750万部も売り上げたんですって。印税いっぱい入ったんだろうな〜いいな〜。2019年発行で、なんとなく話題になったのは覚えているのだけど、「サイコ」って語感から手が伸びなかったんですよね。映画のアレを思い出して。邦題は「サイコセラピスト」だけど原題は「The Silent Patient」なんですね。

物語は…
画家のアリシアが写真家の夫を射殺し、事件以降、施設で完黙状態で6年。そこに心理療法士(サイコセラピスト)のセオがアリシアを助けたいと転職してきて話をさせようとするところから始まる。
出だしは面白そう、中盤くらいは少し退屈で、終盤はなるほど、そういうことか!という感じ。そして「8つの完璧な殺人」に続いて、暗い。暗い話はイヤなんだよな〜と思いながら読み進めた。
ギリシャ悲劇の「アルケスティス」が物語を読み解く鍵になっているところは好きな感じでした。

セラピーで絵を描くアリシアは何を考えていたのか。

イヤミス(湊かなえさん)とか読まなくはないんだけど、殺人の本を選んでおいて暗いのはイヤとかわがままやん、とは思うんだけど、アガサ・クリスティだったら、セオがいろんな登場人物の話を聞いて、アリシアの無実を証明して、なんならどこかから遺産が転がり込んで、セオとアリシアは大金持ちカップルになってめでたしめでたし、だと思うんですがw

そういえば前に、シゴトの関係のとても感じの良い同年輩の方(キレイで聡明で、お子さん二人をしっかり育てて素敵なヒトでした)と話してて、読書が趣味だと仰るので、どんな本が好きか聞いたら「人が死ぬ本は、基本読みません」と仰って、(内心「えっ!?」と驚いて)嫌われたくないので、「この人とは本の話はしないでおこう、トマス・ハリスやピエール・ルメートルが好きとか絶対に言わんとこ」と思ったのでした。

驚きのラストで面白かったけど、好きな本ではなかったかな。

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