リュック・ベッソン製作映画「TAXi」が秀逸におもしろすぎた

リュック・ベッソン製作映画「TAXi」(1998年,フランス映画)を観ました。これ,秀逸におもしろい!

リュック・ベッソン監督といえば,名作「レオン」。通常版,完全版と計10回以上観るほどのめり込み,「グランブルー」「ニキータ」も観ましたが,「TAXi」は今回が初めてでした。

アマゾンプライムのオススメ作品のひとつとして出てきて,90分足らずの作品なので「ちょっと観てみるか」と気軽な気持ちで見始めたところ,これが大当たりでした。

まず,テンポよくメリハリの効いた展開。

カーアクション映画ではあるものの,カーチェイスに頼りすぎず,フランスのマルセイユを舞台に,タクシー運転手と新米刑事が強盗団を相手に奮闘するストーリーに純粋にのめり込めます。製作費を浮かすため一部CGを使用しているそうですが,ドッカンドッカン派手にぶつかったり,無駄に(?)ドンパチ銃撃シーンもあり。かといって,画面酔いするような粗暴さや不安定さはなく,会話シーンなどはじっくり腰を据えながら,メリハリを効かせてテンポよく物語が進行していきます。

おおざっぱに見えて,よく練られたストーリー。

なぜ,赤い目立つベンツの強盗団が銀行強盗を繰り返しても捕まらないのか?プロレーサー並みの運転技術を持つ主人公とはいえ,猛スピードで逃走する武装強盗団をどうやって捕まえるのか?「お見事!」とニヤリとする結末が,最後に待ち受けています。また,主人公と恋人のラブシーンが始まりそうになるたびに目覚まし時計が鳴り,視聴者をおあずけ状態にしますが,ほんの一瞬だけフルヌードシーンが登場してドキッとさせたり,フランス風の絶妙なセンス,バランスが粋です。

個性豊かな登場人物たちがいい。

ストーリー展開のおもしろさに溺れことなく,いずれの登場人物もキャラが立っています。なかなか関係が進展しない主人公と美人の彼女,ドジばかりしでかす新米刑事とそんな息子を溺愛するおおらかな母親。わめくばかりで無能な警察のボスに,冷酷無比だけどカーレースで負けたらきっちり賭け金を払う悪役。いずれも人間くさく,どこか憎めない愛すべき人物たちです。

主人公の恋人役リリー(マリオン・コティヤール)が美人すぎる。

なんなんでしょう,あの可愛さは。少女のような可憐さを見せたかと思えば,娼婦のような妖艶な雰囲気を醸し出す。日本人女性にもアングロサクソン系女性にもない,フランス人女性特有のアンニュイで捉えどころのない大人のセクシーさ。もし,現実に出会ったら(出会いませんが),100%だまされる自信があるし,だまされてもいい,いや,むしろだまされたい(笑) 演じたコティヤールは当時23歳。あの若さであの色気は,恐ろしすぎます……

全体を通して,フランス特有のエスプリが効いた軽妙洒脱な作品といえ,リュック・ベッソンの卓越したセンスに脱帽です。

どこかで観たことがあるような,手垢のついた作品ばかり観ていてはもったいない。「TAXi」のように,斬新でセンスあふれる作品を観ようと思いました。

次は,「TAXi2」かな?

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