シマハルカ

海が好きな、恋愛小説家。 視覚障害者(網膜色素変性症による)歴25年 夫との二人暮らし…

シマハルカ

海が好きな、恋愛小説家。 視覚障害者(網膜色素変性症による)歴25年 夫との二人暮らし生活を恋愛小説にしてみる。

最近の記事

■「うさぎとカメの物語」令和ver.

ぼくは、うさぎ。 ぼくの友達は、これまで うさぎ仲間ばかりだったけど、 ある日、カメくんと 友達になった。 カメくんは ぼくの知らない話をたくさん知っていて 本当におもしろい。 ぼくはカメくんのことが すぐに好きになった。 だけど 仲良くしているうちに どうしてかわからないけど ぼくはカメくんと一緒にいると イライラするようになってしまった。 カメくんは 歩くのがめちゃくちゃ 遅い。 いつも ゆっくりゆっくり 歩いている。 それを見ると ぼくはなぜだか イライ

    • 「恋旅」というショートストーリーを制作しました♡

      お久しぶりのシマハルカです。 2月15日に 第5話「恐れ、おののく」を投稿してから ずいぶんと日がたってしまいましたが、 その間に、 3冊のショートストーリーを 制作しておりました。 「恋旅Ⅰ 失恋」 「恋旅Ⅱ 出会い」 「恋旅Ⅲ 育む」 の3作です。 海も山も美しい 福岡県糸島市を舞台にした 恋のお話を書いてみようかな、なんて 思いつきまして 大好きな糸島の海沿いカフェと 大好きな糸島の写真家さんに ご協力をいただき、 フォトブックとして眺めていただくのも と

      • 第5話 恐れ、おののく

        子ども心にも うすうす気づいていた。 母は、ばあちゃんのことが怖いのだ。 ばあちゃんは、なぜだか 母にとても厳しかった。 母は、朝早く仕事に出かけ、 夕飯の時間をとっくにすぎた頃に帰宅する。 帰りが遅い!とばあちゃんになじられながら 父が帰宅する前に、猛スピードで夕飯を作る。 父もまた、母に厳しいのだ。 食事が終わったら 猛スピードで他の家事をする。 それが終わったら、 職場から持ち帰った仕事を夜中までする。 仕事があるから家事はお休み、なんてことは許されない。

        • 第4話 ブラックホール

          ゴジラの中には、ブラックホールがあった。 はるちゃんと付き合って数ヶ月、 そりゃあ、もちろん楽しかった。 ドライブをして道に迷ったら、大喜び。 旅行で選んだホテルがハズレだったら、大はしゃぎ。 とにかく僕らはなんでも楽しんだ。 何より楽しいのは、 ごはんを美味しそうに食べる はるちゃんを見ることだった。 美味しそうに食べる世界選手権があったら 間違いなくグランプリをとるだろう。 こんな才能があるのに、 なぜプチトマトばかり食べていたのだ??と 首をかしげたくなるほど

        ■「うさぎとカメの物語」令和ver.

          第3話 締まれ、顔肉

          40手前で恋をした。 今から7年前 新緑の季節のことだ。 突然、私の前に ブログのファンだとか言って やたらと誘ってくる男子が現れた。 どうも見た目が若そうだ。 これは警戒しなくてはいけない。 「うっかり心を許したはいいけど 実は結婚詐欺だった」 なんてことになったら、 目も当てられない。 失恋したばかりのアラフォー女 金も心も奪われる、、、 泣きっ面にハチだ。 がしかし。 やんわりと断っても この年下男子はへこたれる様子がない。 ますます怪しい。。。。 自制

          第3話 締まれ、顔肉

          第2話 要するに、ゴジラ

          はるちゃんは、 とにかくチャレンジャーだ。 視覚障害があるというのに なんでも僕と同じようにやりたがる。 言い出したら聞かない。 こないだも 星がキレイだと言ったら、 私も見たいと言い出した。 なんとかひとつ星が見えたようで ホッとした。 星の名前は、ひとつしか知らなかったから 「べテルギウス」だということにした。 昔、コブクロにそんなタイトルの歌があった。 コブクロに感謝だ。 そういえば、はるちゃんと仲良くなったきっかけも コブクロだったな。 僕が好きなコブクロ

          第2話 要するに、ゴジラ

          第1話 べテルギウス

          夜の散歩から帰ってきた夫が 興奮ぎみに話しかけてきた。 「すごいよ!!! 今夜は星がいっぱい出てる!!!」 私たち夫婦は、昨年、 東京から800km以上離れた 海に近いのどかな町へと移住してきた。 東京で生まれ育った夫にとって 「夜空いっぱいの星」というのは さぞかし興奮に値する美しさだろう。 嬉しそうな夫を見て 思わず私も星が見たくなった。 「わあ!それはすごいね。 私も見てみたい。私にも見れるかな?」 その瞬間、夫の顔がやや曇った。 「うん、、、、そうだね、

          第1話 べテルギウス