籐の椅子の修理職人と持続可能な経済の話

「小さな村の物語イタリア」という長寿な番組があり、みていたら籐の椅子の修理職人が出てきた。手仕事で、丁寧に直してゆく。あちらに行くと、いまだにカフェで、昔からの籐の椅子がいくつも並んでいるのをよく見る。使い続けているのだ。
世界中でゴミが問題になっているが、その気になれば、一つが高くついても、この籐の椅子のようなもので、経済は回っている。なにも、大量生産と廃棄のメカニズムにしなくてもいいのだ。気の持ち方だ。

なぜ日本はこうなったか。
ブランドを創れ、ブランディングこそ売り上げアップだ、というが、本末転倒。こういう地道な心掛けが、イタリアやフランスの、ブランドの基礎なのだ。
日本は次々電化製品、車のモデルを更新し、買い替えさせる。それは一つの形で、否定すると経済がゆがむかもしれぬが、少しづつ方向転換も必要と感じている。古いものを慈しみ、何度も楽しむのは人格の根幹にもかかわる大事な心で、パリ五輪で多くが見たあの街並みにも通じる。

日本にも、頑固に古いものを守り、復活させる動きもある。能登の人らもそうだし、秋田、山形の酒蔵もそうだ。そういうものは海外からも評価され、今後伸びることが確実だ。


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