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鎌倉に絵を見にいった日。

先週の今日、4月9日。
葉桜の咲く鎌倉に、絵を見に行きました。

先日お話ししていた、兼さん・今井さんの展示です。

「絵を観る」ではなくて「絵を見る」なのは、じっくり観覧するではなく、目に止まってふと見るという感覚だったから。そんな展覧会で癒しと決意を得たお話です。

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よく晴れたその日は、まだ4月とは思えない暑さでした。改札を出ると強い潮風が吹いていて、髪の毛があちらにこちらにとくるくる飛ばされます。

目的のギャラリーは、駅から由比ヶ浜方面にくだったところ。消防署を左手にすぎ、小道に入ると見える小さな古民家。木の塀で囲まれた入口は大きく開いていて、足が自然とギャラリーに引き込まれてゆきます。

(あ、少し頭が切れてた…)

小さなギャラリーには、裏手の庭に面した大きな窓からやわらかい光が差し込み、白い壁にお2人の描いた花たちが並びます。

↑リンク先でもう少し作品が見られます

兼さんの作品は、ひだまりのような暖かさ。
近くで見ると顔料がのった部分が膨らんで、ぷくぷくして可愛らしい。顔料に反射して光るキラキラには、兼さんの優しさと丁寧さが詰まっていました。

一方、今井さんの作品はどこまでも深い黒の世界。そこにぼんやり浮かぶように佇む花には想像力を掻き立てられます。特徴的な真っ黒の背景は一色で塗りつぶすのではなく、何色も重ね塗りすることで漆のような艶がでているそう。不思議とそこに怖さはなく、包まれるような安心を感じます。

一見真反対にみえた二人の世界は、このギャラリーで出会うことで、心地よい柔らかい世界となっていました。

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ここ数ヶ月ではっきりと自覚するようになった、自分の夢。それはこの展覧会にも大きな影響を受けました。

私は自分が何かを創作するよりも、創作されたものをみたり、感じたり、誰かにすすめたりすることが好き。

素敵なものを創作しても披露する場がないなら、私がその場を作りたい。誰かに知ってもらう機会がないなら、私がその機会を作りたい。いろんな繋がりを増やして点と点を結びながら、みんなの集う場所を作りたい。

その答えが、「ギャラリーを持つこと」でした。

その思いは日に日に強くなっていて、兼さんにも時々お話していました。
「だったら今回のギャラリーは絶対見た方がいい、いいところだよ」と勧めていただき、当日はオーナーさんとお話する時間もつくってくださいました。

私の理想はより鮮明になった。
それでも「なにから始めたらいいかわからない」

そう悩む私にオーナーさんが教えてくれたのは、まずは自分のやりたいことを色んな人に話しておくということ。そしてそれがいつか巡り巡って、チャンスとして現れるということ。タイミングは人それぞれだけど、一歩入ってみないと何も始まらないということ。

だから私はここで皆さんにお話ししたいと思います。

「自分のギャラリーを持ちたい、それが夢です」

そのためにたくさんのギャラリーを見て、まずはお勉強しようと思います。どんなところで、どんな風にすることが一番自分の理想に近づくのか。それを探していけたらなと考えています。

兼さん、私と出会ってくれて、夢を与えてくれてありがとうございます。
鎌倉に行ったあの日は、決意の強まる日となりました。

いつかギャラリーを開けたら、その時は兼さん。
オープン記念の展示、やらせてくださいね。

《おしまい》


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