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得意と好きと推しとのはじめまして。

「”好きなこと”と”得意なこと”。この2つが掛け合わさっているお仕事が1番いいんだよ。」


中学の頃、将来どんな道に進もうか悩んでいたときに学校の先生が言っていた。

好きと得意の違い。

英語で言うならlikeとbe good at。私は根っから不器用人間に生まれてきてしまったのでこの二つが掛け合わさることなんてほぼなかった。

歌は好きだ。でも下手くそ。
絵は好きだ。でも下手くそ。

だから純粋に好きなことが続かない。絶対途中で心が折れる。続けないから得意にもならない悪循環を何度もループしてきた。


推しが好きだ。
でも、

まさか、あのとき先生が”推しごと”のことも話していたなんて思ってもいなかった。


私は私立恵比寿中学エビ中ヲタクだ。
通称、エビ中ファミリー
風見和香(ののかまる)推しであり、ののかまるの犬(ファン名称)である。



話すのが好きだ。


好きか嫌いかで聞かれたら即答するくらい、って感じだけど

話すのが好きだ。

友達ときっと3時間後には覚えてないであろうどーでもいいような話をするのが好きだ。その後ちょっとだけ無言になるあの空気感が、近すぎず遠すぎないあの距離感で聞こえる声たちが好きだ。

ただ、話すのが苦手だった。

人見知りで超のつくほど緊張しいの私。楽しくおしゃべりできるのは限られた数人。
初対面でお友達!みたいな経験は全くないし、地元から進学して誰も知り合いのいない場所に行ったら1か月間誰とも会話することがなかった。(近寄りがたい雰囲気をかもしだしてて怖かったと後に言われる)

わかってる。わかってる、けど、さ。

英検の面接とか、だいたい何言ってるのかはわかっているのに喉が詰まって上手く声が出ない。あっちが気を遣って話しかけてくれてるのに言葉がまとまらない。

冒頭に書いた先生にも「うん、(本名)さんは接客業ではないよね!」と言われてしまうほど。その後金欠で行く当てもなく焼肉屋で1か月バイトしたけど本当にキツかったし毎日怒られてた。それがトラウマでその焼肉屋にはそれ以来行けてないし、食べるといろいろ思い出すのであんまり好きでもなくない。

私という人は、ネタにするならコミュ障ってやつで。
何より、そんな自分が嫌いだった。


アイドルと特典会は切っても切り離せない。

特典会をざっくりいうと、CDを買ってくれたファンに対するサービス。CDの枚数で長さや内容も違う。だから同じCDを何枚も買う。世間一般から見るとなぜそんなにもと思われてしまうだろうが、ヲタクにとっては「雨が降って土に帰って川や海に流れ、また雨となる」的なごく一般的な循環の形である。

有名どころで言うと握手会やお見送り会。AKB48の選抜総選挙、というのも一種の特典会と言えるだろう。我らが私立恵比寿中学はなかなかに変わった特典会も多かったらしく、、、実際そのとき私は出逢っていなかったから詳しくは知らないが、それはそれでめちゃくちゃ楽しい、らしい。

しかしコロナ渦。特典会の形はオンラインでの特典会が主流となっていった。

この利点の一つとして、会場に集まらなくてよくなった。つまり、全国どこからでも参加できる。別に触れるわけでもないので持ち物確認もないし、どんな格好(倫理に反さないレベル)ならなんだっていい。山のてっぺんからでもいいし、海の中だとしても電波環境さえあればいい。

つまり、私も参加できる。

北海道のど真ん中あたりに住んでいる。きっとこれがオンラインではなかったら交通費宿泊費コミコミで〇万は全然してしまうけど、東京まで行かなくてもいいオンライン型は本当にCD代と手数料のみ。

そして、新曲「kyo-do?」の発売に合わせて6月に特典会がある、らしい。
(3月時点での情報)


迷う。


非常に!!迷うっ!



ヲタクは星の数ほどいて、もちろん推し方も星の数ほどある。
正直なところ、私自身認知されたい!とはそこまで思ってはいないし、目立ちたかったりレスがほしいというタイプでもない。

なんというか、こうやってnoteを書いてるのも本人に届け!というよりかはエビ中を知らずに読んでくださってる方への「この指と~まれっ!」であって。ののかまるがもし読んでくださったとしたときに、「変な犬もいるもんだな笑」ってクスっと笑ってくれればいいなぐらいの気持ち。

もしも、シマまるという存在を知ってくださっているのであれば。
もちろん嬉しい。嫌なわけないし、この上ない幸せだ。でも、


でも。


シマまるの中の人(という表現をしてみる)は、言うなればデモデモ星人だ。自分に全く持って自信がない。何かと言い訳をつけて本音をごまかすプロである。

だからこそ、シマまるが、シマまるでいる自分が好きだ。
毎朝推しへのおはようツイートをし、好きだとはっきり言えるシマまるが。企画とか立ち上げて周りを巻き込んじゃったり、自作Tシャツ着てライブ行ったり、熱すぎるnoteを書いたりするシマまるが。


シマまるは、いや私は!
やっぱり話してみたい!!


コロナが終わる。元の生活に戻りつつある今、オンラインで開催してくださるのが終わるのもそう遠くない。実際対面でのお話し会や2ショット会、フリーライブも同時並行で行われる。オンライン特典会は絶滅危惧種レベル。

上手くなんか喋れるはずもない。キャピキャピJKでもないし、ガールズトークができるほどの女子力なんぞない。コミュ障だよ、どこからどう見てもコミュ障なんだよ。周りから何度いじられたことか。そんな人。


でも。私は人である前に
犬なのだ。風見和香の犬なのだ。

(何度も言うがあくまでファン愛称)


シマまるとして自信をつくりだしてくれたのは推しである風見和香なのだ。
シマまるとして生き始めてから毎日楽しくてしょうがない。そして、私生活での”私”も影響されて少しずつだけど明るくなれている。そんな気がする。

私も頑張りたい。
変わりたい。

いつもそう思わせてくれる君に、ちゃんと伝えたい。


1枚できっと数秒。

相手はアイドルだ。友達じゃない。話すためにはCDを買わなきゃいけないし、時間もだいぶ限られるのはしょうがない。そういうもんだ。
だがしかし、自分が話したいことすべてを伝えきれるほど積めない。

で、聞いてみた。

口に出してしまった。
もう引き返せない。やるっきゃない…!

これはいろんな意見があって。話が続くのか問題や、記憶に残るのか問題等々。にしても短いだろうな、、
と買った直後から思うようになり各部1枚ずつ購入した後にもう1枚ずつ計4枚買った。金欠。
今まで同じCDを買うなんぞやったこともなかったから、実家に届いた箱を見た母は心配そうな顔でこっちを見ていた。

かあちゃん大丈夫。15歳の生きる時間をおすそわけしてもらっただけだから!(だからだよ)


そうこうしているうちに

ついに当日


申し込みをしてから2か月弱。頭の中でシミュレーションを何度も何度もしてきた。いつもありがとう、あ、うん、そうなの~、あ、時間だ!バイバイ!!
この通りにできれば間違いなかった。

直前にかけていろんなこと起こりすぎる。

いや、あの、ほんとに。

note書いた→ちょいバズ
苫小牧公演をPR→ののかまるのブログで紹介
メッセージ送る→ラジオで読まれる

は?(詳しくはこちらをご覧ください)

言いたいことが多すぎる。
どうやっても伝えられないぐらいの感謝。時間内におさまるはずもないし、ここに触れないわけにはいかない。うぅ、、

私が申し込んだのは1部と3部。
早起きして身だしなみを整えて。気合い入れに鎧を着る。あぁ、今頃エビ中ちゃんたちもきっと準備をしているんだろうなぁ、なんて思いながら緊張で味のしないパンを口いっぱいに放り込んだ。危なく喉詰まりするところだった。

9時。エビ中公式さんの告知ツイートで本当にもうすぐなんだと実感する。1部は10時から。1時間後に私は推しと話してる。もう意味がわからない。そのときの感情を例えるなら、なんだかテスト用紙を配られたときの空気感のような。ちょいとワクワクして、ドキドキして、血が巡らなくて頭が痛い。ついでにお腹がぎゅるぎゅるいってる。


10時。

始まる。

スマホを立ち上げてアプリを開く。そこには〇人待ちという表示があって。
本当に並んでいるみたいだ。一歩一歩前に、推しに近づいていく。

そうだ。私はシマまるだ。ただのオタクだ。犬だ。私がどんな人間だろうと数秒じゃあっちに気づかれない。何度も何度も言い聞かせる。


「次はあなたの番です」





びっくりした。

体感、過ぎていく時間が普段生きている何倍も速い。でもその何倍もの速さで頭が回ってて。のくせに言葉がまとまらない。

2枚出し。約15秒間。私と推し(と画面の裏にいるであろうスタッフさん)だけの時間。終わった後の余韻というか、頭の回らないほわほわと浮かんだ感じ。隣に置いてた飲みかけのペットボトルのお茶を一気に飲んでなんとか顔の熱さを冷やそうとするけど、そう簡単には冷えなかった。

推しと喋った。

推しと喋ってしまった。

ののかまると
風見和香とこの私が喋ってしまった。

夢か。夢なのか。いや、夢だ絶対。あの笑顔が私に向けられていた。言葉のキャッチボールをしてしまった。わりと大暴投ではあったけどなんとか。

直後、急な恥ずかしさと上手く話せなかった後悔みたいな気持ちが波のように押し寄せてきた。誰もいない部屋で頭を抱えた。それでも幸せだった。カーっとなった影響で握りつぶされてるんじゃないかっていうくらい頭が痛かったけど、幸せだった。


何話したのか、気になります?

さぁそのままのスピード感で!!
真実そのままを(多少吹っ飛んでますが)お届けします!!15秒で読んでください!

私のスマホの中に現れた女の子。かわいい。

『次はあなたの番です。3,2,1…』
風見「わぁ!!!アハハっ!はじめまして!」
シマ「は、はじめまして!シマまるです!(ののかまるだぁ、、、)」
風見「あのねっ!あの、ハッシュタグ!ヤバいヤバい言ってるの見たよ!!www」
シマ「あ、いや、ブログにも、、本当にありがとうございました!(待ってなんで知ってる)」
風見「いやいや!ね!」
……
……

見事に記憶を飛ばしてこの先覚えてない。すみません。
(たぶんヘコヘコしながらあとでまた来ます!と言えたような言えなかったような)

ほわっとした頭が少しずつ元に戻ってくる。

風見「ヤバいヤバい言ってるの見たよ!!www」

ヤバいヤバい、、、
ヤバいヤバい???

見たって何を?
というより見たよってことは、、、シマまるというヤツを知っていたのか彼女は!?えっ、、

たしかにブログで紹介してくれたのも自分推しの子がやってくれた、というのが大きな理由な気がする。でも、それだけだと思っていた。自分からdoでしょうの人だと名乗ろうと思っていたのに。

noteでもTwitterでも、実のところ「ヤバいヤバい」とは一度も発信した覚えがない。
でも、心当たりがあった。

この一連の慌て具合。
たぶんだけどこれだろうと思われる。(=ヤバいヤバいとなすツイート)

いやいや、、ねぇ、、、


これこそ1番ヤバいじゃんか!!!

見てたの!?ねぇ見てたの!!
本人がTwitterのアプリを入れてエゴサしてるかはよくわからないけど(それにしても検索には引っかからないはず、、、)見てたの!?

いや、SNSに弱そう(ど偏見)なうちの推し。ツイートを見せた、という可能性だってある。考えられるのは
①風見家の誰か
②小久保柚乃(特に)
③エビ中スタッフorメンバー

誰だっ!いや、もう別に誰にしてもいいけど、普段そんな見せていいようなツイートしてないから!(見せちゃいけないツイートしてるわけでもないけど)別にいいけど!やめないけど!(好きなので)
なんというか、その、ありがとうございます!(???)

もし頻繁に見てたとしたら、、、なかなかにやべぇ犬だと思われていたに違いない。うん、カメラが切り替わった瞬間の爆笑具合から言って「あ、シマまるめっちゃヘコヘコするやん、毎日あんなん言ってるのに」と思っていただろう。

訂正させて!私普段はめっちゃ真面目だからね!!普段”は”!ツイッタランドは夢の国なので、、、


そんなこんなで心がざわついたまま3部の時間が近づいてくる。お昼ご飯は喉を通らないし、さっきの?が頭の中いっぱいで、何を話そうかすらまともに決まってなかった。

13時。

15分ほどたってから列に並ぶボタンを押したら、なんと20人以上待ち。それでも待ち時間は10分もなかった。逆にこのすぐ始まらない感じが、うぅ、、心臓痛い、、、

あと5人待ちです。
あと4人待ちです。
あと3人待ちです。

あなたの番です。

(15秒で読んでねチャレンジ第2弾。いきますよ?)

風見「あぁ~おかえり!」
シマ「(突然のおかえりにより1秒思考停止)さっきぶりですありがとうございました!」
風見「いえいえ~」
シマ「(やっべぇ吹っ飛んだ、どうしよ)これ、Tシャツつくったんですよ(いきなり何いってんねん)」
風見「そう!かわいい、、いやほんとに、ね!」
シマ「ありがとうございます!(テストなら100点満点の回答)」
風見「doでしょうもすごいけどいろいろほんと!すごいよね!」
シマ「(ん?いろいろ?)いやいや、そんなそんな!」
(残り数秒表示)
風見「わぁぁ、あの、これからもよろしくお願いします」
シマ「こちらこそです!ありがとうございました!!」
スゥゥゥゥ

覚えてた、、、何とか記憶を保った、、、

さっきよりは(飛ばしてはいるけど)スムーズに会話できた気がする。私にしては上出来。

いや、あの、最初の「おかえり!」の破壊力。
おかえりなんぞいつぶりに言われたか!!(15で家を出た女)
もうなんか推しに言ってもらえたのと、すごく久々に聞いた言葉だったのとでもう嬉しくて嬉しくて!!その瞬間に緊張が笑顔に変わったもの!

きっと本人からすると何気ない言葉だったかもしれないけど、この「おかえり」、本当に嬉しかったのよ私は。お話し会終わって数日は学校から帰ってくるたびに脳内再生して元気を取り戻してた。


そして、ね。

デデン!!

風見「いろいろほんとすごいよね!」

さぁここで問題。
この「いろいろ」なんのこと??




シマまる「待って、note読んでんの!?」

正解か不正解かは謎のままだけど、いやいや、どこまで知ってるんですか風見さん、、、もう怖いよ。怖すぎるよ、、、

ありがたいよ?ありがたいけども!ねぇ、ほんとに!
ちなみに過去のnoteを読んでいただければわかりますが、私のやってる推し活としては

・note
・Twitter
・自作参戦服(またの名を鎧)
・自作ぬい(#ののかまるの犬の散歩)
・公演場所情報発信
等々、、

このうちのどの「いろいろ」を、、、しかし「いろいろ」ということは1つ以上を知ってる、って解釈もできる。ふぇええ、、、


アイドルって。推しって。風見和香さんって。ののかまるって。


すっげぇぇ、、、


と改めて思ったお話し会だった。

(ちなみにののかまる全然年下なのに敬語使っちゃうの、なぁぜなぁぜ?)
(2個下の子はリアル中学だと結構後輩!って感覚だったのに)
(いつかタメ口でお話しするという目標があります)
(中学生当時は後輩に1番舐められてパシられてたシマまる)


好きと嫌いと得意と推しと。


話すのが得意じゃない。
今回だってレポを見ていただければわかる通り、だいぶあたふたしながら必死に喋ってた。

でも
ちょっとだけだけど、自分を超えられた気がした。

単純に、純粋に楽しかった。

ののかまるが私を知っていてくれたこと。
そして、「ありがとう」を伝えられたこと。

どうしても感謝は伝わりにくい。
SNS上でそれだけいいことを言っても、大多数の中のふわっとした感謝になってしまうことが多い。だからこそ、ちゃんと自分の声で伝えたかった。伝わったかはわからないけど、そうできただけで今回の私のミッションはクリアだ。

15秒×2回。
ほんのわずかな時間。カップ麺すらまだまだ固くて食べられないし、曲だってサビまでいかない。それでも話せる。ちょっとだけ、知らないことを知れる。まだまだ聞きたいこともあったけど、きっとこれ以上長かったら私がフリーズして大事故が起こっていたであろう。

1000km離れた場所から、ほんのわずかな時間のお話し。
こんな私からするとちょうど良かったのかもしれない。

今や会いに行ける時代。画面越しにする必要もないのにオンラインを続けてくれた運営さん。
一歩踏み出せました。本当にありがとうございました。


いつか、機械を通さずこの声で話してみたいとも思ったり。
思ってない、わけもなかったり。

お小遣い的にも、自分の緊張度合い的にも今はまだ難しいけど。
もうちょっとだけ成長できたら、行く。
絶対行く!


だから。

待っててください、風見和香さん。
いつか会いに参ります。

そのときは、
ヤバいヤバい言わないように。ちょっとは頑張りますので。


ただのヲタク シマまる

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