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「志高く」バックナンバー⑩~見えないものを見る~

こんにちは、志高塾です。

がんばってもがんばっても、結果が出ないことがあります。
がんばりかたを変えても、やっぱりうまくいかないことが続いたりします。
期待に応えられず、「信じてたのに」とがっかりされる、なんてこともあるかもしれません。

それでも、「大丈夫」と待ってくれる人がいます。
無責任ななぐさめではなく、本気で信じてくれる人がいます。
なぜならその人には、土の下に張りめぐらされた美しい根が、はっきり見えているからです。

Vol.6「見えないものを見る 持続可能な成長のために」(2008年7月/HP掲載)

テストは、高さを測るためのものです。

今回は、勉強における成長を、植物のそれに例えて考えていきたいと思います。世の中には、テストの点数ばかりを気にする方がたくさんいます。もちろん、点数という目に見える形で出る限り、気になること自体はごくごく普通のことです。ただ、点数の高さは、植物の背丈の高さを表しているに過ぎないのです。つまり、点数ばかりを気にする人というのは、その背丈にばかり目がいっている人であり、それが唯一の価値基準なのです。だから、仮に幹が細くても、そこには目がいきません。

幹が細いのに背丈だけ伸びていくと、どうなるでしょうか。それは、先まで栄養分が行かずに、上の方から枯れてくるか、風などが少し吹くと簡単にポキンと折れてしまうことになります。中学受験では成功と思える結果を残せたのに、その後伸び悩む子どもというのは、幹が細い子どもなのです。

志高塾では、一にも二にも考えることを重要視して教えています。考える力がついてくると、まず、根が張るようになります。そして、そこがしっかりすると、今度は幹が太くなり、力強く成長していくということにつながっていきます。

親御様から「子どものことをよく見てくれている」という言葉をいただくことがあります。私自身は、その言葉を「根の部分をしっかりと見てくれている」という意味で受け取っています。根というのは、土の中にあるものなので、意識することなしに見えるものではありません。そこを見ていることに我々の価値があるのです。あたかも特別なことを実践しているように表現しましたが、根を見ることなしには子どもを成長させることはできないので、当たり前のことをしているに過ぎません。

地中の根がしっかりしてくれば、自ずと地上の幹の部分も伸びていきます。つまり、テストの点数が上がっていくということです。ただし、そこには大抵の場合、タイムラグがあります。親としては、どうしても点数が気になってしまうものなので、地上に変化が見られないと「本当にこのままで大丈夫なのだろうか」と不安になってしまいます。だから、根が張ってきていることを我々が実感できていれば、「焦るとは思いますが、しばらくすれば間違いなく結果は出てきます」ということを伝えるようにしています。

もちろん、その反対もあります。それなりにテストで結果が残せていても、そのまま背丈を伸ばすことだけを意識していると、間違いなく近い将来には折れてしまうと判断した場合、できる限り具体的に、点数に表れていない現状の問題点とその改善策を伝えるようにしています。表面的なことに惑わされずに、どのような時でも根の部分をしっかり見て判断しさえすれば、必ず成長することができるのです。

                              松蔭俊輔



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