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こんにちは、志高塾です。
各地で大雨が続いております。みなさま、どうぞお気をつけてお過ごしください。

本日は好評につき、講師の作文第2弾をお届けします。

今回掲載するのは、社員の三浦が、教室で実際に扱っている教材『毎月新聞』のテーマをもとにして書いたものです。

日常に対して注がれる彼女の視線、その豊かさや鋭さには、いつもはっとさせられます。

『毎月新聞』とは

過去の「志高く」に、代表の松蔭がこの教材のことをずばり説明している回があったので、そこから一部抜粋させて頂きます。

中高生が取り組む意見作文用の教材の1つに『毎月新聞』がある。著者の佐藤雅彦が日々の生活の中で感じたことを毎月1回文章にし、それらをまとめて1冊の本にしたものである。全部で50話弱ある。つまり、その数だけ生徒は作文をすることになる。胸を張って言おう。この教材の作文のテーマはすべて私が一人で決めた。
(中略)

10年ぐらい前になるだろうか。環境問題に興味を持って欲しくて、手塚治虫著の『ガラスの地球を救え』を教材として使おうと、かなりの時間を掛けて何人かで記述問題などを作った。しかし、期待したような効果が見られずに結局半年から1年ぐらいでカリキュラムから外した。今回文章を書くに当たって、「時間を掛けたのに使わなくなったものもあるのに、その逆もある。その違いは何だろうか?」と考えた。出した結論はこうである。
「『ガラスの地球を救え』はテーマに対する手塚治虫の意見がしっかりと書かれているが、一方、『毎月新聞』はそういう結論めいたものがない。それだけに本文に縛られずに発想を広げやすいのではないだろうか」。
ちなみに佐藤雅彦は教育テレビで放送されている『ピタゴラスイッチ』の監修をしている。

 
(Vol.447「これって代わりにならないかな?」2020年5月26日/HP掲載)
 ※全文は以下のURLからご覧いただけます。
5月, 2020 | 志高塾 | 西宮北口校・豊中校・高槻校 (shiko-juku.com)
 
このようにして生まれた教材ですが、一昨年、社員たちが問題数を25題に絞り、テーマも一部刷新するなど、マイナーチェンジが図られました。
 
そして、今回取り上げた作文のテーマは以下の通りです。「新しい心配」というタイトルの話を読んでから、このお題に沿って書き進めます。
 
「演奏中に携帯電話の着信音が鳴ったらどうしよう」という筆者の心配は、携帯電話というツールが登場する以前を生きた人々には思いつきもしないようなものです。このように時代の変化に伴ってこれから生まれるであろう「新しい心配」を考えて四百字程度で作文しなさい。ただし、単なる想像で終わるのではなく、現在の社会を分析した上で将来の世界がどう変わっていくかを根拠も含めて予測すること。

この問いに対して、みなさんならどのように考えますか?
そんなことを念頭に置きつつ、次章で三浦の作文をお楽しみ頂ければ幸いです。

三浦の作文

アマゾンプライムやネットフリックスなどの動画配信サービスが台頭し、映画館に行かずとも好きなときに好きなだけ映画を楽しめるようになった。同様にドラマやバラエティも見逃し配信が進み、テレビを持たない若者層はそれで視聴するのが主らしい。映画館やテレビといった媒体は消えないにしても、そうしたサービスが一層普及していくことは明らかだろう。ファスト映画が一時期話題になったが、短い動画での短絡的な娯楽に慣れた世代は、長時間の視聴に不慣れになっていくことは間違いない。私自身そうなっていく予感がある。視聴途中で飽きて止めた映画が何本もあるからだ。だからこそ、いつか映画館で「スキップできないのか」と残念がってしまうかもしれない、そのことが心配だ。合わないシーンも含めてその作品として楽しみたいのに、私の忍耐力が敵わなくなるのが嫌なのだ。どれだけ即物的な娯楽の溢れる世の中になっても、その時間くらいは没入できる人でありたい。(405字)



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