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大手企業で契約社員になるもブラック社員に囲まれる

職業訓練校を卒業して、年が明け、わりとすぐに就職先は決まった。

契約社員としての入社。企業の得意先のデータ修正の業務だ。派遣社員との違いは、月給制だったことだ。交通費もきちんと出る。

難点といえば、女性ばかりの職場だったこと。とはいっても、これまでも女性が多い職場で働いたことはあったので、その点は問題ないだろうとやる前までは思っていた。誰もが知っている有名大手企業だったし、落ち着いた雰囲気でできるだろうと楽観的に思っていた。

ところが実際働いてみると、とにかく騒がしい職場だった。女性同士仲良くやっているように見えて陰湿な衝突があったり、会話内容がひどく下品で、人が不快になることを業務中でも平気で言い合う。

若い女性だから、というわけではなく、ここの職場に集まっていた女性たちがそうだったのだ(他の企業で若い女性と働くことはあったけれど、どこも社会人らしいマナーは最低限でもわきまえていた)。

会社や上司がブラックなのではなく、今度は社員や派遣社員の方がブラックというパターン。

とにかく社内にいるだけで多大なストレスになってしまった。業務内容自体は簡単で無難にこなせるのに、周りの会話で精神が疲弊してしまった。

ぼくの後に入社してきた女性も数名いたが、下品さ・騒がしさの雰囲気に耐えられずに一か月程度で辞めていったりした。同じ女性でもなかなか耐えられない職場環境だったのだ。

それでもぼくは半年間我慢して通い続けた。精神的に疲弊し、体もかなりやつれてしまったけれど、きちんと任期満了出来たのは本当にすごいことだった。

 

ちなみに、この職場で働いている間、ライター養成講座というものに通った。それに、久しぶりに電撃小説大賞で一次通過を果たせたことも少し自信になった。
※PNは早乙女史起で、『燦然と光り輝く……』という作品で。

 

それにしても、職場環境に毎度毎度恵まれないのは、本当に運がないのだなと思った。待遇の良い会社で働こうとすると、うつ病が悪化するパターンが本当に多い。うつ病が運のなさを引き寄せてしまっているのか。これまでの死にたいというネガティブな思考がネガティブな環境を引き寄せてしまうのか。

 

それから二か月後に、新しい職場で働くこととなる。その仕事は大量募集のもので、たくさんの人がワンフロアで働くものだった。内容はデータ入力と資料のチェック。

大量募集の仕事というのは、大抵仕事がなかなか見つからなくて困っている人たちが入社してくるという印象が強い。

そのためか、雰囲気は真面目で穏やかで仕事がしやすい。他の人と会話も弾むし、ぼくの能力が評価されることも多く、自己肯定につながった。

 

ただ、その分、給料はかなり安く、交通費も出ないから、生活は苦しくなる一方だったし、神奈川の家にいる父親からは、早く正社員の仕事に就けと脅迫に近い形で何度も連絡がきた。過去にぼくが自殺の旅に出た時、父にうつ病であることを打ち明けたのだが、父にとってうつ病とは薬を飲んでいれば簡単に直るものという思い込みがあった。だから、ずっとうつ病で苦しんでいるなんて全く理解してもらえていなかった。

そういう状況下でやっていたが、この職場も半年続けられたのだった。

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