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「正」

◇語彙が無いなぁと思った。

東京ドーム何個分
強気の価格
百万ドルの夜景

使い古された言葉が今もなおテレビで慣用句の様に使われていた。

これは東京ドームは大きく偉大だというイメージがその時代の視聴者に存在していればこそ成り立つ表現であり、また、強気の価格だとか百万ドルの夜景だなんて言葉は昔の時のタレントか役者が使ってたまたま流行っただけだろう。

「うちはテレビがないのにNHKの集金の人が来るんです」

22歳の店員の女の子が店長とそう話していたのが聞こえた。自分はラーメン食べながら「そりゃあ若者もテレビ観なくなるわな」そう思った。

要は視聴者の方を向いていない。おそらく今は存在しない昔の視聴者の亡霊を見ているんじゃないかな?

自分達の方を向いていないサービスや商品から客が離れるのは至って普通の事だから“テレビ離れ”は異常でもなんでもなく普通の事であるという事を、店員の女の子の言葉が示していた。


◇二毛作メディア。

持ち上げたら次は落とす。そうやってキャッシュポイントを2回作る。随分と下品だなぁと思うけど数字を上げる為なら自分以外の人の人生はどうだっていいというのが当たり前の本音だろう。

今の時代、冗談でも酔ってても「失言」「誹謗中傷」「心無い言葉」として拾い上げればいくらでも扇動して叩けるので“大衆はチョロイなぁ笑”と思っているに違いない。


◇以前勤めていた会社の上司の口癖は「テメェ○すぞ!」だった。今なら酷いパワハラ上司認定だろう。

もちろん冗談で言っていて殺意があるわけじゃないし、部下の小さなミスが発展し大きなトラブルとなりネット内で騒がれた時は「俺は信じてる。俺が守ってやる」そう部内全員にメールを打ち組織を鼓舞した。

現代は冗談は通じないし情熱なんて流行らないんだろうな。

上司の「テメェ○すぞ!」を訳すと
「お前はまだこんなもんじゃないだろう!」
という意味になる。

じゃあ最初からそう言えばいいじゃないか!と思う人が今は多数なんだろね。

だけど時には「期待外れの言葉」でしか最大限のエールを伝えられない事がある。そしてそれを聞き取れる耳を心を養う必要がある。

だからか今は部下や人を本気で守ろうとする人を、とんと見なくなった気がする。


◇あるタレント?がソーシャルメディアで誹謗中傷したとして炎上という名の総袋叩きにあっているらしい。

詳しい事はわからないが、犯罪行為をしようとしていた疑惑の男性を物理的に複数人で袋叩きにして殺したという海外のニュースを思い出した。

「正義」という言葉と概念を自分は懐疑的に思っている。争いは常に互いの正義の為だから、良いモン悪モンと簡単に分けられない。

絶対的に正しいとする原理主義は典型。

今回の炎上の件に言うことは特に無い。ごめんなさいして相手が許したのだからこれで終わり。

そういう事は小学生の頃に先生や親から教えられたが、今は当事者で無くとも正義の名の下に完膚なきまでに叩きのめせと教えられたんだろうかね。

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