見出し画像

【呟き】現実と非現実の融合、推しの子の魅力【漫画感想_02】

 ども、式です。

 体力と気力が続く限り、あと飽き性な側面がこんにちはしてこない限り、頑張って毎日更新していけたらと思う今日この頃、既に続くか不安になっています。世の中のnoteクリエイターの方々すごいなぁ、と。

 やっぱり折角こうして発信するプラットフォームを使っているんだから、何かしら自分なりの発信の形を作っていきたいんですよね。まだSNS連携等は(なんとなく)していないのに私のnoteを見つけてくださって、スキしてくれる方がいるので、そういう人たちがまた戻ってきてくれたらなぁって思います。SNSが苦手なわけじゃないです。Twitterアカウントは9個あるしインスタアカウントは3つあります。

 じゃあ何を、と思ったところで「ゆるゆるとマイペースに漫画紹介していくか〜」という発想に至ったので、既に星の数ほどある漫画レビュー系noteの端くれとして無事有象無象のnoteを生成していきます。もちろん暇があれば創作小説もぽいぽい投げていきます。

 今回はヤングジャンプ、並びにジャンプ+の両方で連載されている『推しの子』という作品です。原作者は『かぐや様は告らせたい』の赤坂アカ、作画は『クズの本懐』『君は淫らな僕の女王』の横槍メンゴという、圧倒的鬼才漫画家によるタッグ作品です。

 以下目次らしきもの。

 1.あらすじ

 田舎で産婦人科医として働く厄介……もとい熱心なドルヲタゴロー。ある日彼の元に、体調不良により活動休止中のアイドルグループ『B小町』のエース、星野アイ(16歳♀)が現れる。最推しのアイドルが自分の前に、しかも父親不明の双子の妊婦として診察を受けていることにゲボを吐きそうになるゴロー。

 アイの「子供は産む、アイドルも続ける(要は子供の存在は公表しない)」という意志の強い決断に、ゴローは「安全に元気な子を産ませる」と決意する。

 予定日当日の夜、夜道を歩いていたゴローは不審者に襲われ、命を落としてしまう。再び目が覚めると、彼は星野アイの子供に転生していた。

 2.非現実が齎すエッセンス

 よく芸能人の結婚報道が流れる度、「今死ねば○○の子供に生まれ変われる」という激ヤバな声を耳にします。私の友人でも3〜4人ほど「堀北真希の子供になる」「パパは菅田将暉、ママは小松菜奈」と妄g……想像力豊かな未来図を描いていた人がいましたが、全国規模で考えると堀北真希さんは一体何人の子供を産むことになるんでしょうか。

 とまぁ、アイドルや芸能人、タレントのファンをやっていれば誰でも一度は思う「推しの子供に転生」という題材を大真面目にやっているのがこの作品。

 前述のようにアイは双子を妊娠していて、ゴロー、転生後は星野愛久愛海(あくあまりん、以下アクア)というぶっ飛んだキラキラネームを授かるんですが、双子の妹の瑠美衣(るびい)もまた誰かの転生者です。ちなみに生前の彼女もアイの狂信的なオタクでした。

 異世界転生やら強くてニューゲームやら、フィクションの世界では手垢がつきすぎて元の姿形が判別できなくなっているジャンルですが、この作品は「主人公達が転生者という点以外はほぼ全てが現実的」です。確かにアクアは生前医者だったということもあり類まれな知識と偏差値を誇りますが、それ以外特に目立った能力はありません(あくまで先天的、という話です)。

 だからこそ物語序盤では「大人並みの知識を持っている早熟な幼児」というギャップが良いスパイスとして機能しているし、その要素がギャグパートもシリアスパートにも活きている。転生モノによくある主人公無双とかそういうわけではないから、読んでいて飽きがないしテンポが良い。

 この、「転生という非現実」と「至極現実的な芸能界」との絶妙なバランスが、ページをめくる手を止めてくれない。まじですごい。

 3.急展開による物語の加速 

 ネタバレにならない範囲で書きますが、1巻では乳児期・幼少期のアクアとルビー、母アイが中心となって描かれます。

 読んでいた感想としては「ああなるほど、『かぐや様』と同じでギャグテイストな日常モノなのか」と軽く考えていたんですが、1巻の最後の展開で度肝を抜かれました。読んでいて「えっえっ嘘でしょ」と一人で呟くくらいにはびっくりしました。

 いやほんとに、ネタバレ覚悟で洗いざらい全部書き出したいんですが、それをすると数少ない読者の方に申し訳がないので……

 まぁ1巻に収録されている各話最初の1ページ目がそれぞれちゃんとした伏線だったんですよ……私に言えるのはそれだけです。

 今まで軽く踏んでいる程度だったらアクセルを、急にベタ踏みにしたくらいの加速感があります。アクセル感タマンねぇ。

 4.現実描写の解像度の高さ

 これがこの作品の魅力をもう一段階引き上げてると思っている思っているんですが、現実世界を描く解像度がまじで高いです。

 どういうことかというと、作中で登場する様々な「人の声」が本当にリアルで、「あー確かにこういう人いるよな」と腑に落ちるんです。例えばニュースに対する(Twitter、ニュースサイト、掲示板での)世間の反応の違いや書き込みの差異なんかは本当に見事に現実をそのまま映し出していて、思わず似たような実際のニュースと結びつけて「確かにそうだよな……」と複雑な心境になります。

 加えてその「現実描写」に対して、作者のメッセージがどストレートでぶっ刺さる。作者なりに世の中の歪みに対して色々思うところがあるんだろうな、これが作者なりの答えなんだろうな、というのを随所に感じます。

 個人的に一番好きなセリフは「有名税って何?(中略)傷つけられる側が自分を納得させる為に使う言葉を、人を傷つける免罪符に使うな……!」という妹ルビーの叫びです。

 といった社会風刺的な側面もあるので、ギャグパートとの緩急がよくて最高です。

 今のところ既刊は単行本2巻ですし、3話までは無料で読めるので、一味変わった漫画を読みたいという方はぜひ読んでみてください。

#マンガ感想文

いいなと思ったら応援しよう!

この記事が参加している募集