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インドに行って何も変わらなかった友人と東京に行って人生が変わった友人

人生が変わる瞬間というのは突然やってきたりする。

でもそんな変わる瞬間を意図的に作ろうとすれば、人が行き着く先というのは旅なのかもしれない。

大学の卒業旅行でインドに行った高校時代の友人は、インドの感想を「日本食が食べたくて仕方なかった」で終わらせた。

インドからタイに向かう友人と僕がタイの宿泊地で合流したとき、彼は疲れきっていた。

僕にとっては初の海外旅行。
てっきり地元の最寄駅から同じかと思っていた僕にとって集合場所がタイの宿泊施設だと聞いたとき、現実味が湧かなかった。

気持ちが落ち着かないまま気付けば僕は片言の英語を駆使(?)して何とか集合場所まで到着していた。

そんな僕の初の海外でのご飯は日本居酒屋だった。友人はそこで食べた海鮮丼があたり、次の日死んでいた。ちなみにその日の晩御飯は丸亀製麺だった。

そんな海外旅行で僕も友人も人生は変わらなかった。ただ楽しい海外旅行として記憶に残っている。

別の友人で、大学生から知り合った彼は最近約4年付き合った彼女と別れた。好きな人が出来たからと振ったらしい。

そしてその好きな人に告白するも振られてしまい結果フリーになる。大学生の頃13人の彼女が出来た彼にとって、半年以上彼女がいないのは7年ぶりらしく、休みの日の過ごし方がわからないと15分おきに言っていた。

そんな彼はこの間長期休暇を利用して、突然東京に行った。
休みに入る前日まで何をしようか悩んでいたが、休みに入った日の朝にたまたまを連絡を取っていた友人から「今東京に遊びに来てるんだけど、きてよー」と言われ、その4時間後に気付けば東京駅に着いていた。

そこから彼はその友人とその日は遊び、次の日から渋谷、新宿、原宿と東京を謳歌した。

そこで気付いたことは「東京の人は誰も他の人を気にしてない」らしくそこから「おれも周りの目ばかり気にしちゃダメだ」となり、前から密かにしてみたかった"サングラスを買って街中を歩く"を東京で1人実現してみせた。

東京最終日には客引きでついて行ったガールズバーにハマり、泥酔したあげく帰りの新幹線を乗り過ごし携帯が入ったカバンを失くす。

でも東京で進化した彼は違った。

何も焦ることなく次の日の朝、帰りの新幹線に乗り、今までしたことがなかった遅刻を堂々とすることになる。

そこからの彼の仕事ぶりは彼曰く「堂々と出来るようになった」らしく"東京でサングラスをかけて歩いた男"は、それまでになかった自信を身に付けていた。

東京を異国の地のように語る彼をよそ目に僕は、タイで食べた海鮮丼の味を密かに思い出していた。

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