その炎は、きっと誰かを照らす。煌々と。熱く。「炎上する君 西加奈子」
炎上する君
西加奈子
とりあえず読み終えた、先に年内に投稿しておこう。
2021年残り4分駆け込みで読了した作品。もっとしっかり読みたかったが致し方無し、やり切った満足感を味わいたかったので、、
フィクション、特にある風船の落下は架空話が強いと感じたけれど、人間生活の煩わしさとそこからの解放は誰しもが考えた事があるから、妙に納得した。自分がある種の悩みを抱えていても、その程度の事で悩んでいるのかと苦労マウントを取るのが現世の傾向なので、共感されず1人で抱え込む人が多いのでは。向き合う強さ、弱さを他人に示す、信頼することの勇気は生きていく上で大きな課題だと、年の瀬に考えさせられました。又吉さん解説なので大好きな2人の文章がまとめて読めました。
○
太陽の上
官能小説ばりのやらしい表現をそう感じさせずに表現できるのは西さんならでは。
あきらめようとする努力のために、あなたはどれほどの時間を無駄にしたことか。
〜〜
あきらめはあなたを安心させ、眠りに誘う。いつしか「あきらめをあきらめることが出来ない」ことになっているのだが、あなたは気づかない。
空を待つ
絶対に初心には戻れないけれど、写真では得ることが出来なかった感動や感謝を、あなたは孕んでいると思います。
甘い果実
ろろろろろ。
炎上する君
君は炎上している。
その炎は、きっと誰かを照らす。煌々と。熱く。
舟の町
もうすぐやってくるはずだった夏は、どういうわけか、いつまでたってもやってこなかった。
ある風船の落下
それでも私は、地に脚をつけて歩くわ。
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