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HYORON Book Review

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記事一覧

【書評】『日本歯科評論増刊 ハイエンドな Skill & Knowledge を活かしたワンランク上のコンポジットレジン修復』

【書評】『日本歯科評論増刊 ハイエンドな Skill & Knowledge を活かしたワンランク上のコンポジットレジン修復』

大谷一紀/東京都台東区・大谷歯科クリニック

いまや日々の臨床で欠かせないCR 修復

コ ン ポ ジ ッ ト レ ジ ン 修 復( 以下,CR 修復)は,その物性と接着 技 法 の 大 き な 進 化,Minimal Intervention という治療概念,そして患者の低侵襲な治療へのニーズも相まって,2000 年以降,その適応範囲を広げ世界中で行われている治療法である.

CR 修復は大きな

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【書評】『歯周治療・インプラント周囲治療のための Er:YAG レーザー パーフェクトガイドーベーシックから最新アドバンスまで』

【書評】『歯周治療・インプラント周囲治療のための Er:YAG レーザー パーフェクトガイドーベーシックから最新アドバンスまで』

宮本泰和/京都市下京区・医療法人泰歯会 四条烏丸歯科クリニック

現在の歯科においての「三種の神器」は,歯科用 CT,マイクロスコープ,歯科用レーザーではないだろうか.
当院においても約 15 年前から使用しているが,今や歯周・インプラント治療には欠かせない治療器具 の1つになっている. 主に,歯周再生療法時における歯石除去,根面処理,不良肉芽の除去,さらにはインプラント周囲炎に対するインプラント

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【書評】『アドバンスドデンチャーテクニック―長期使用を目指した義歯の製作とメインテナンス』

【書評】『アドバンスドデンチャーテクニック―長期使用を目指した義歯の製作とメインテナンス』

山下秀一郎/東京歯科大学 パーシャルデンチャー補綴学講座 教授

超高齢社会に突入したわが国

わが国は世界最速で超高齢社会に突入し,その後も高齢者の割合は増加の一途を辿っている.
その結果,健康寿命の延伸と健康格差の縮小を基本的な方向として,口腔の健康と全身の健康の関わりがうたわれるようになってきた.
口腔の健康は,口から食べる喜び,話す楽しみを保つ上で重要であり,生活の質の向上にも大きく寄与し

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【書評】萌出障害―先天欠如,歯胚位置異常,萌出遅延,過剰歯,捻転歯 臨床対応CASEBOOK

【書評】萌出障害―先天欠如,歯胚位置異常,萌出遅延,過剰歯,捻転歯 臨床対応CASEBOOK

土岐志麻/青森市・とき歯科

萌出障害とは

日々の診療で,萌出障害を経験したことがないという方はほとんどいないだろう.
たとえば,2018年に日本小児歯科学会が発表した先天欠如の出現頻度は10.1%,著者の調査でも11.7%に見られたということである.

目の前の患者,10人に1人,先天欠如があると考えられる.しかし,それはパノラマエックス線写真を撮影しなければわからない.
だから著者は,前歯交

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【書評】MTA アップデート 2021-2022―生体材料としての現状と展望

【書評】MTA アップデート 2021-2022―生体材料としての現状と展望

阿部 修/東京都武蔵野市・平和歯科医院

MTAの開発によって私たちの臨床は大きく様変わりした.従来は困難であった歯髄保存療法をはじめ,穿孔封鎖や根尖開大症例等に対して,高い予知性を持って対応できるようになったことはいうまでもない.

その一方で,MTAは常にその操作の難しさや術後の変色が問題視されてきたことから,近年はバイオセラミックスとして総称されるMTAと同様の効果を期待した新しいMTA系材

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【著者が語る この1冊!】  『写真でマスターする リライニング適材適所―新義歯から痛い・外れる・割れた義歯まで』

【著者が語る この1冊!】 『写真でマスターする リライニング適材適所―新義歯から痛い・外れる・割れた義歯まで』

村岡秀明/千葉県市川市 むらおか歯科・矯正歯科クリニック

このたび,ヒョーロン・パブリッシャーズから『リライニング適材適所』 を出させていただきました.ここでは,その内容について概略を申し上げたいと思います.

大事な義歯の“3要素”

義歯製作の上で大事な要素として,「辺縁の形(辺縁形態)」,そして「咬合面」がありますが,もうひとつ,3つ目の要素があります.
それは,「内面の適合」です.咬合関

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【書評】歯科クリニックで見逃してはいけない 口腔粘膜疾患―経過観察・院内検査・専門医への紹介その判断ポイント

【書評】歯科クリニックで見逃してはいけない 口腔粘膜疾患―経過観察・院内検査・専門医への紹介その判断ポイント

月刊『日本歯科評論』では,当社発刊本の書評を随時掲載しております.2022年5月号掲載分の「HYORON Book Review」を全文公開いたします(編集部)

下野正基/東京歯科大学名誉教授

このたび,『歯科クリニックで見逃してはいけない 口腔粘膜疾患』がヒョーロン・パブリッシャーズより上梓された.著者の田中陽一先生は1974年に東京歯科大学を卒業し,同大学病理学教室に在籍した,私とはいわゆ

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【書評】歯内療法 成功への道 CT時代の臨床根管解剖―三次元で捉える解剖学的情報と病態―

【書評】歯内療法 成功への道 CT時代の臨床根管解剖―三次元で捉える解剖学的情報と病態―

月刊『日本歯科評論』では,当社発刊本の書評を随時掲載しております.2022年4月号掲載分の「HYORON Book Review」を全文公開いたします(編集部)

阿部 修/東京都武蔵野市・平和歯科医院

原点に回帰し,さらなる高みへ!

本書は日本の歯内療法を牽引する臨床医であり大学臨床教授でもある著者により,2013年に発刊後ベストセラーとなった『臨床根管解剖』を皮切りに,壮大なスケールで始ま

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【書評】写真でマスターする 簡単・効率的な ラバーダムテクニック―実はやったことありません……という先生方へ

【書評】写真でマスターする 簡単・効率的な ラバーダムテクニック―実はやったことありません……という先生方へ

月刊『日本歯科評論』では,当社発刊本の書評を随時掲載しております.2021年1月号掲載分の「HYORON Book Review」を全文公開いたします(編集部)

宮崎真至/日本大学歯学部保存学教室修復学講座 教授

「前準備諸(補助)法」に関しては,保存修復学の講義において比較的早い時期に行われるものであり,これは修復処置を行っていくための環境の整備,あるいは修復操作を容易とするための臨床的に必

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【書評】日本歯科評論 別冊2021『モノリシックで活かす!ジルコニア・レストレーションの現在』

【書評】日本歯科評論 別冊2021『モノリシックで活かす!ジルコニア・レストレーションの現在』

月刊『日本歯科評論』では,当社発刊本の書評を随時掲載しております.2021年7月号掲載分の「HYORON Book Review」を全文公開いたします(編集部)

山﨑長郎/東京都渋谷区・原宿デンタルオフィス

■進化著しいジルコニア
修復・補綴治療におけるマテリアルやシステムの発展には目覚ましいものがある.その中でも,ジルコニアほど汎用性が高く,進化してきた材料はない.
それだけジルコニアの優位

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【書評】やさしい・失敗しない 低侵襲ソフトティッシュマネジメント

【書評】やさしい・失敗しない 低侵襲ソフトティッシュマネジメント

月刊『日本歯科評論』では,当社発刊本の書評を随時掲載しております.2021年1月号掲載分の「HYORON Book Review」を全文公開いたします(編集部)

水上哲也/福岡県福津市・水上歯科クリニック

■少ない侵襲で同じ結果を出すためのノウハウが満載
私たちは,ともすれば派手な臨床結果や,複雑で華やかな臨床術式に目を奪われがちであるが,より少ない侵襲,より短い治療期間で同じ結果を出せるので

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【書評】増刊2020『接着・機能性材料を活用した歯髄保護』

【書評】増刊2020『接着・機能性材料を活用した歯髄保護』

月刊『日本歯科評論』では,当社発刊本の書評を随時掲載しております.2020年12月号掲載分の「HYORON Book Review」を全文公開いたします(編集部)

坪田有史/東京都・坪田デンタルクリニック

2019年12月「象牙質レジンコーティング法」が保険収載された.
本技術は間接修復の際,切削によって露出した象牙質面に接着材料を使用してコーティングし,象牙質を外来刺激から遮断し,象牙質のみ

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【書評】治癒に導くエンドの秘訣 ―難症例克服のための歯内療法ケースブック

【書評】治癒に導くエンドの秘訣 ―難症例克服のための歯内療法ケースブック

月刊『日本歯科評論』では,当社発刊本の書評を随時掲載しております.2020年8月号掲載分の「HYORON Book Review」を全文公開いたします(編集部)

武市 収/日本大学歯学部 歯科保存学第Ⅱ講座 教授

■これは秀逸だ!これは,本書を読み進めていくうちに私が抱いたファーストインプレッションだ.

難症例の対応には,高度な治療技術が必要とされる.それにもかかわらず,不用意に治療を行った

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