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私がオーダースーツを好む本当のニーズを探ってほしい!

今日も誰より価値ある1日を。

こんにちは、大鹿です。
noteを開いてくださって感謝です。

頻繁に使われるのに99%の人がその定義を言語化できない、「価値」について探求するnote。

マガジンを順番に見ていくと価値の多面性が分かります。

今回はいよいよ、「価値の創り方」に踏み込んでいきます。

最初に結論:価値を創るには、関わる人のニーズを掘り下げること!

・・・「いや、そりゃそうじゃろう」と思われましたよね。

しかし本当に深く“掘り下げ”られていますか? という問いを投げるために、最近私が経験した出来事を例に挙げます。

オーダースーツが着たいとき

私はオーダースーツが好き。

故人ですがお世話になった方がオーダースーツ店を営まれていて、今では現店主と付き合いがあります。

前店主と知り合う前はオーダースーツに対して

「カッコいいし憧れもあるけれど、高価だから手を出しにくいもの」

といった、世の中の大多数の人が抱くのと同じ印象を持っていました。

けれど前店主が会うたびオシャレに着こなしているのを見て、徐々に「いいかも」と心が揺れ動いていったのです。単純な私。

前店主はさりげなく、「お前はどういうときにオーダースーツが着たいんや?」という問いかけを私にしました。

この答えこそが深い深い、価値が大きな「感動」につながる本当のニーズ。今回の本題。後ほどしっかり解き明かしていきますが、今はそっと置いておきます。

実を言うと前店主が悲しいことに急死してしまったため、私の本当のニーズが現店主に引き継がれていませんでした。

前店主はひと言で言うと押しの強い、「お前はこういうスーツがええ!」と決め打ちで提案してくれるタイプ。

とはいえ「なぜなら」という理由を説明してくれるし、何より門外漢だった私にはある程度答えを絞ってくれるほうがラクでした。

一方、現店主は営業の仕方が前店主とは真逆のタイプ。

生地帳(と言うんですかね)を見せながら

「こういう生地があるのですが、どれがお好みですか?」
「ゆったりした着方と細身の印象に見せる着方、どちらがお好みですか?」

というふうに問診をしていきます。

正解はありません。けれど先に書いたように、オーダースーツの知識がなく単純な私には、「これ!」という提案をしてくれるほうが手間がなく満足度も高かったのです。

そのトリガーとなったのが

「どういうときに着たいのか」

という本当のニーズの素(もと)でした。

感動という金脈

あなたがオーダースーツを着こなすとして(お持ちかもしれませんが)、なぜそれを身に着けたいですか?

自分を引き立たせたい? オシャレに見せたい?
自信があるように自分を表現したい?

おおむねこんなところでは。“表層”のところは。

私は「価値」みたいな話をするくらいだから、オーダースーツに対する自分自身の本当のニーズを理解しています。

もっと大きな仕事を得るために相手に恥じない自分でいたい

です。早い話、「仕事が欲しいから」「相手に舐められたら終わり」だから。前店主が問いかけてくれた「どういうときに着たいのか」の答えがこれです。

そしてこのことを叶えてくれそうなスーツなら喜んで買います。前店主が「お前にはこれがいい。なぜなら~」という根拠を含めて説明してくれたのは私にとって理にかなっていた。

肩の周りはカッチリ見せたほうが遠くから見ても印象がいいな、とか。

そんな話を聞いているうちに、「高い買い物じゃないのかも」と思えてきました。

で、面白いことにオーダースーツを注文したすぐあとも納品されたそのあとも、スーツに使ったお金を一撃で取り戻すような仕事が入ってきたんですね。

前店主はガハハハッと笑いながら「うちのは必勝スーツなんや! 当たり前や!」と言っていました。

マジかよ…本当に必勝じゃん。唖然とした感情とともに私が味わったのは最高の感動。

このとき、オーダースーツという奮発した買い物は安い買い物に変わり、手にする前よりさらに大きな価値を持つようになりました。

私にとってオーダースーツ屋さんは、感動の源泉を掘り当て、実現するサポートをする仕事。

それ以来、残念ながら前店主は亡くなりましたが、私がオーダースーツを買う場所はそのお店と決めています。

感動という金脈を掘り当ててくれた場所に。

価値を創る責任

しかしながら前述のように、前店主が急に亡くなったこと。そして現店主がどちらかというと控え目なタイプということもあり、代が変わってからはなかなか本当のニーズにたどり着いてくれませんでした。

前回購入したときは

「人によってタイプが違うし、あまりあーだこーだ言うと相手のプライドを傷つけるかな」

と思って私も「自分がスーツを着たくなるシーン」について口にしませんでした。結果的には素晴らしいスーツに出会えましたし。

しかし先日お会いしたときは、思い入れのあるお店ということもあってズバッとお伝えしました。もっとお客が、どういうときにオーダースーツを欲するのか聞いたほうが相手のためになりますよ、と。

「僕は最近、チラホラ県外出張に行くこともあって、田舎者と舐められないようなスーツが欲しいんです」

生地が欲しいのでもストレッチ性が欲しいのでもなくて、やっぱり勝てるスーツが欲しい! それが得られるのならお金は惜しみません。(いや、ある程度は…ですけど笑)

我ながらおせっかい。

しかしお客としてはそういった感動を叶えるものが欲しい。
本当のニーズ=感動を実現してくれるものに、大きな価値を感じます。

ならば、感動の金脈を掘り当てることは売り手としての責任だと思うのです。自分自身への戒めも込めてですが、いいですか? 責任、です。

この責任を果たすことが、「価値を創る」ということ。

残念ながら人は大きな価値を感じないものを買い叩こうとします。なぜならどこで買っても同じだから。

世の中には生活必需品のような「あればなんでもいい」というものも確かにあります。資金が潤沢にある大手メーカーが、多大な広告費をかけることで成り立っています。

彼らのような立場でない限り、普通の売り手たる私たちは、昨日より大きな価値を創ることでしか自分のビジネスを発展させることができません。

本当のニーズたる感動の金脈を掘り当てることは責任であるとともに必要条件です。

まとめ

長ったらしくなってしまいましたが今回の要旨をまとめると、これ。

大きな価値を創るには買い手の感動の金脈を掘り当てること

そしてこの作業は売り手として、買い手に果たすべき責任でもあります。

深く深く、表層ではなく感動が分かち合えるところまでニーズを掘り下げられていますか? と言うと多くの人は口ごもると思います。

私自身も常にできているわけではありません。マニュアル通りにいかないことも多いです。

しかし、このようなニーズの本質を理解して実践していないと、再現ができません。

再現ができないということはビジネスの成功の打率が大きく下がります。打席に立つたびにイチから自分のフォームをつくり込むようなものですから。そして相手は待ってくれない。

このニーズの「構造」とも言うべき部分は今後も探求していきます。

まず今回は「大きな価値は感動が創る」という点をご理解いただければ!

いいですか? 感動! 価値! 責任!

今日はこの辺で筆を止めておきます。



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