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月島軍曹…幸せになってほしい!

ゴールデンカムイの月島に『第七師団の良心』というキャッチコピーつけた人に拍手を送りたいです。本当にぴったりの表現ですよね。
寡黙で苦労人で、多分私と同世代?ということもあり、応援したくなります。


※激しいネタバレがあります!!



「俺を名前で呼んでくれるおめが好きらすけ」
「その髪も俺にとってはいとしげら」
「おめの髪をからかう奴は俺がしゃつけてやる」

若き日の月島のストレートな愛情表現が胸を打ちます。照れずにこういう事が言える男性はとても素敵!堅物っぽい月島にこんな一面があったなんて…

「だすけん基(ハジメ)ちゃんはみんなに嫌われたっちゃね」

いご草ちゃんの返事もすごくいいですよね〜。月島がみんなに避けられているのは自分の髪の毛を庇うからで、本来の原因である父親なんか気にしない!みたいなニュアンスというか自分でも何言ってるのか分からなくなってきましたが、最高です。「ハジメ」のルビがカタカナなのも幼なじみだけの特別な空気があるんだろうな…甘酸っぺぇ〜!

月島が大怪我をして生死の境目をさまよっていた時に頭に浮かんだ淡い思い出。エモエモのエモ、尊いとはこういう感情でしょうか。
まさかこの回想から地獄が始まるなんて知る由もありませんでした…

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↑いご草ちゃんがかわいすぎて描きました。本物はもっと可愛い。多分性格もいい。髪のことをあーだこーだ言ってた奴はみんないご草ちゃんが好きだったと思います。何だかんだ花枝子お嬢様とも仲良くお茶したりしてそう。


軍人としての能力がべらぼうに高く、ロシア語も流暢。真面目で読者目線のツッコミ役。基本厳しいけれど会ったばかりの江渡貝くんや灯台守の娘に対しても優しく接する。鯉登少尉を支える姿はまるでお母さんのよう。根っこの人間性もまともそう。理想的中間管理職・月島。私的、上司になってほしいキャラと部下に欲しいキャラ、両方のランキングで作中堂々のナンバーワンという奇跡。
顔のつくり自体は美形ではないかもしれませんが、なぜかすごくかっこよく見える時がありますよね!15巻の表紙、大好きです。軍服を脱げば何もしていないのにバキバキッという謎の効果音が生まれる筋肉もすごい!
杉元、尾形に続き人気投票3位なのも頷けます。

鶴見中尉の汚れ仕事にはだいたい絡んでいるけれど、他の鶴見・愛の戦士たちのように盲目的に忠誠を誓っている訳ではない。任務は粛々とこなすけれどその度にすり減っている。それが月島の当初のイメージでした。当初のね…当初の。

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↑男の子ママ感のある月島。セリフを少し変えればこのとおり。世のお母様方、お疲れ様です。


そしてやってきている事がなかなか重く、残念ながら彼は生き残れないだろうと思いました。死をもって鯉登少尉を奮起させるとか、鶴見中尉に重たい一撃あたえるとか…?などなど月島の最後については色々想像しました。
ちなみに鯉登誘拐事件の時、鯉登の背中をさすろうと(?)していた犯人いますよね?私はそこで「この寄り添い方…まさか月島!?」と勘違いしました。人違いでしたが意外と真相に近づいてしまいました…


物語が進むにつれ、冷静で常識的で頼りになる先輩キャラだった月島の内面の脆さが露呈しはじめます。自暴自棄になって、心の奥の方で死に場所を探している感じもありますよね。
鶴見中尉に対しても宇佐美や尾形と遜色ない、むしろ上回るくらい複雑で重い気持ちを抱えていたのにはびっくりしました。

鶴見中尉の計画で死刑を免れたとはいえ、鶴見劇場に翻弄され、大切なものはことごとく奪われるか自ら捨ててしまい、もはや失うものもなく、思考も停止。
いご草ちゃんの生死があやふやになった時の「ああ………そうですか」は私の心を抉りました。辛すぎる…

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↑既に手遅れ感のある月島2選。私は月島にはずっと「鯉登少尉殿!(手パンパン)」とか、メンコやっていて欲しいんだよ…


月島は自分が地獄への道を歩んでいることには気づいているけど今更引き返せないと思っていて、鶴見中尉と鯉登少尉の間でかなり揺れてましたよね。私は「鯉登少尉にしなよ、前は頼りなかったけど今は違うよ、鯉登いいやつだよ」と何回思ったか分かりません。

そんな中放たれた鶴見中尉の、「私の味方はもうお前だけになってしまったな」
ゲームセット。終わった…
と思いましたが最後の最後で月島が鶴見中尉について行かず、鯉登少尉の手を取る。この時の「YES!!!」という感情の大波は、映画『ショーシャンクの空に』を見た時以来です。散々策略に嵌り誘導されてきた月島だからこそ、鯉登のシンプルでストレートな「行くな」という言葉が刺さったのかなと思います。

(※30巻に鯉登と月島に関して重大な加筆箇所がありましたね!月島のあの表情よ…!!!!!)

鶴見中尉について行かなかったとしても、月島が汽車から降りた後に一人でそっと人生を終わりにしてしまう可能性もあったと思います。そこでも私のちからになって助けてくれ、と語りかける鯉登少尉。本当にこの人米粒でコラ写真作ろうとしたりしてたバルチョーナクと同一人物?神々しすぎる…

そして月島が好きな人なら誰もが一度は考えるけどあまりにも綺麗すぎて「さすがにないだろう」と手放したであろうラストシーンに。
鯉登、全うさせてくれてありがとう。月島、全うしてくれてありがとう…ありがとう…ありがとう…

月島は過去にひどい事をたくさんしているので納得いかない人もいると思います。
私は月島が自分で選んだ未来を晴れやかな表情で進んでいくラストが気に入っています。

月島ホントに良かったね…!


〜〜 さてここからは私の妄想です 〜〜

最終回のあと、鯉登の右腕として活躍する月島といご草ちゃんが偶然再開。お互い未練などはなく、再会を喜ぶ二人。いご草ちゃんが「生きていてよかった、立派な軍人さんになったんだね(新潟弁)」と言い、月島も「ちよさん(もう人妻だから他人行儀)もお幸せに」と言ってさっぱりと別れ、近くにいてそれを見てた鯉登か杉元あたりが号泣してる…みたいな漫画とか…ありませんか?ないなら誰か描いてくれませんか?お願いします。

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