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【卯月妙子著】椎名エリの「翳り」

2022年12月8日 19:17

あなたが、言うところの「一般」と呼ばれる、それなりに 普遍性を持った安寧から遠くあったのは、幼い頃、焼けた火箸でいくどとなく肉体に刻印を押し付けられた頃からだろうか。

宵闇に細い三日月が出る頃、あなたは猫の子供のような瞳で、ナイフを持ったまま窓を開ける。

あなたが外を恐れないのは、人々が寝静まった時間だけである。

白い毛糸のぬいぐるみにナイフを突き刺し、なぜその腹から、臓物が出てくるのだろうと、返り血を浴びた幼い あなたはいつも不思議がった。

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最初は卯月妙子が書いてくれたことへのアンサーを、私が書いていこうと思います。 最低月1本、できれば月2本はUPしたいです。

親友の漫画家「卯月妙子」が私について書いてくれた文章をまとめています。収益は卯月妙子に送金します。 卯月妙子が現在書けない状況のため、今後…

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