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Vol.51 爪噛み癖が解消された話

(注意)
重めの爪噛みエピソードなので
気分を害する恐れがありますよ。
誰も傷つけることは書いてないけども
自己責任で読んでね。

・・


わたしは物心ついたことから
爪を噛む癖がある。

最古の記憶は5歳のとき、母親から
やめなさい、と口元に持っていく手を
はたかれたとき。


時には血も垣間見えるほどに深爪をしてしまい
痛々しいわたしの指先へ他者の視線が注がれるたびに

「ああ治さないと。」と焦る半分
「どう頑張っても治んないんだよな」の諦め半分


人が同じ空間にいると噛まないんだけど
一人になると無意識に噛んでた
ひどい時は血が出てもグイグイ皮をむしる


爪ににが〜いマニキュアを塗ったり
マスクをしてみたり等


対策は全て爪を噛む無意識には抗えなかった。


考察してみた。
わたしはどんな時に噛むんだろう。と

特に手先がボッロボロに、絆創膏まみれに
なってしまった時のことを書き出してみた。


するとどうやらわたしは

「誰も理解してくれないんだ」
「ひとりぼっちなんだ」と感じたときに

噛むようだ。


歪んでるけど、自分で自分を構ってたんだろう。
そう思う。


家でも学校でも塾でも
周りに人はいっぱいいるけどひとりぼっち

周りの人はみんな敵で
わたしは一人で立ち向かっていかなければならない


そう信じて疑っていなかったね。


思い当たるのは5歳のころ
私には3歳の弟と2歳の妹がいた。


なんのタイミングかは忘れたけど
家族でどこかの田舎へ誰かを訪ねた


そのとき私は父と母が目視で確認できる距離にある
畑みたいなところで一人で遊んでいた
そこへ2歳の妹がよちよちとこちらへ向かってきたのだ

2歳の妹が土を掴んでこちらへ投げて笑った
わたしも一緒に土遊びをしようと
少量の土を掴んで妹にはかからないよう配慮して
投げた。妹にはかからなかった。

その瞬間をわたしの母が捉えたのだ

「人に土を投げるな!!!!」


大きな声で叱られた


わたしの記憶の中で最も古い怒られた記憶だ


頭が真っ白になりその場に立ち尽くしていた
そのときの気持ちは今でも覚えていて


「悪いことしてないのにどうして怒られたんだろう?」
「妹の方が大事なのか」
「おかあさんは構ってくれないな」


そんなことを思って涙が出そうなのを堪えて
妹を抱っこして父の元へ歩いていく母の背中を見ながら

父をまっすぐ捉えて歩いた。

・・

このときから私の中に
「母は私を見てくれない」

という思い込みができたのと同時に

「父だけが私の味方」

という居場所になったように思う。


5年後、わたしが小学校4年生になり
父と母が離婚するまでのあいだ

わたしは家族一、いや日本一の
お父さんっ子だった。


お父さんが残業で遅くなる日は
起きて待ち、お父さんの布団で寝るレベルに。


父と母が離婚して父と会わなくなってからは
わたしは徐々に学校にも行けなくなり、
家にいるのも学校に行くのも辛くなっていった。


教室に入る恐怖よりも
学校に行かなかったことが母にバレるのが怖い


中学に上がり、いじめられるようになり
一度母にいじめられていることを告白した


すると呆れたように
「それくらい言い返しなさい。情けない」

と返ってきた。
そして母は学校に対してものすごく
怒っていた。


悪口言われて言い返せない弱い自分
言い返そうとしたら涙が出てしまい、
泣く姿にさらに馬鹿にされる。

そんな情けない自分が嫌いだったし
情けない自分のせいで怒っている母を見るのも
怖くて辛かった。


きっと母も私を傷つけようとしたのではない、
それはわかっている
だけど、だけど思ってしまうのだ


自分には居場所がない。
わたしはひとりぼっち。


この思い込みを思い出す経験をした時
わたしは爪を噛む。


実際New Zealandへ留学に行って
羊と戯れていた頃は
羊がいる牧場が居場所だったから
爪切りで爪を切ってたもの

多分そうなんだと思う。

・・

ちっちゃい頃のほんのいっときの記憶
子ども時代の学校での記憶

忘れ去ったように見えて
心はバッチリと覚えているもので。


ひとりぼっちだと悲しむ心の中の私が
構って欲しくなったとき

自分で自分を構わせたんだろう
爪を噛むことによって。


根拠に基づいた文献とかがあるわけじゃないから
原因がこれだ、とは言えないけれど


少なくとも
「愛されたい」「寂しい」「構ってほしい」

この気持ちたちが自分の爪噛み発動の感情だったのかな、と思う。


いまでは、爪を噛みそうになったときは
自分に問う


「何か不安なことがあるの?」

その時自分が置かれている状況を書き出すうちに
自分が置き去りにしていた感情に行き着く。


そして心の中の自分に言うのだ。


「気づかなくてごめんね。」
「爪噛もうとして教えてくれてありがとうね。」と。


爪を噛むことは衛生的ではないし、
パッと見美しいとは言えないから
やめられるならば是非やめたい。と願ってきた。


ただ、私には超わかりやすい
「自分の心に嘘ついてるSOSサインがある」

そう思えばなんだか不器用な心と体だなあ、とも思えて
愛しくも思えた。笑


ちなみに今でも噛みそうになる時あるよ。
その時は逃げずにとことん、紙に
どうしたの??って書きまくってる。

いつか、噛もうとせずとも
自分の為すべき道を自信もって
歩む自分に出会うまで。


おーわりん。

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