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夢と呪い

「俺に言わせればな、夢ってのは呪いと同じなんだ。呪いを解くには、夢を叶えなきゃいけない。 
……でも、途中で挫折した人間はずっと呪われたままなんだ」

この台詞は仮面ライダー555の海堂直也って人が作中で言った言葉らしい。

らしいっていう曖昧な表現をしてしまうのは私が仮面ライダー555を観たことがなく、私が初めてこの言葉に出会ったのは「怪異症候群3」の猫マグロさんという方のゆっくり実況プレイ動画をニコニコ動画で視聴した際に、きさらぎ駅に行ってしまった由佳ちゃんが神社辺りを探索しているところで唐突にされていたコメントだったりする。

されていたコメントは確か「夢ってのは呪いと同じなんだ」ってところだけだったと思うけれども。なお、その時のゲームのストーリーや状況とはまるで関係がなく、なぜこの言葉をコメントしたんだろう? っていう疑問しかなかったけれども、それでもすごく心を打った言葉で、すぐさま元ネタをその時の私はググったのでした。

私はずっと小説を書いていて、初めて小説をネット上に公開してからだともう十二年以上経っていて、趣味で書いています! と常に主張しながらも学生の頃は密かに将来小説家になれたら良いなみたいなことを考えていたりした。

つまりは小説を書いて、それで色々な人に反応をもらえたら、生きていけたらというのが私にとって夢みたいなものなのである。

実際は大体の公募規定である十万~十二万字の長編が書けなかったり、ここ数年は短編のネタもからっきしで応募すらできていないという、そもそもスタートラインにすら立てていない、日々応募し続けているワナビの方々から見たら失笑ものレベルな状況だったりするのですが。

完結するまで完全非公開でそのまま公募に出せた一番長い作品は「少女、失踪(応募時タイトルは『試したがり少女の失踪事件』)」ぐらいだったりします。

基本的には小説投稿サイトにてネット公開みたいな形で(最初期は携帯用ホームページである自サイトにて)ずっと活動していて、けれども全然反応はもらえないし、ブックマーク等もほとんどない状態で、書くのにものすごく時間が掛かってる割には何の成果もなくて馬鹿らしくなってくることも度々ある。

実際、去年辺りは自分が書く作品って流行りの傾向に乗ってないからどうせウケないし、だからといってチート物や溺愛系は好かないし、人付き合いで読んでもらったって嬉しくないし、そもそも書いている作品が面白くないし等々思い悩み、というか小説書くよりも他のことに注力した方が余程成果を上げられるんじゃないか? と考えたりしていて、小説を書くことから離れている時間が一番長かった。(他にもこういう話が書きたい! というネタが恐ろしい程思い浮かばず、無理矢理ネタ出しぐらいはできるものの書いてみたいというワクワク感がまるでなく、スランプ状態に陥っていた)

でも、書いていないと必ずといっていい程、何か書かないと! みたいな焦燥感に駆られて、最終的には小説やこの文章みたいなnoteを書くことがやめられず、今もまた何かしらの文章を綴っている。

こんなのやって何になる! って何回も投げ捨てて遠ざけても最後には戻ってきてしまっているし、書かなくちゃとポメラやPCに向かっている。

だからこそ、夢は呪いで、挫折したり叶わないままでいたらずっと呪われたままなんだってことをこんなにも肌で感じているし、夢を呪いだと定義した台詞を見た時に心を打たれたんだと思う。



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