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【中小企業向け】中途(キャリア)採用のコツ/基礎編をスタートします。

現在は保険募集人として活動している私ですが、ご縁あって中小企業の社長様より中途採用に関するご相談をいただきました。中小企業において「採用」は会社の成長を左右する大問題なのに、人事担当不在で採用に関するノウハウの蓄積がなかったり、そもそも採用に関する悩みの相談相手がいないというケースも多いのではないでしょうか。今回は、私の過去の経験がそんなお悩み解決のヒントや糸口になれば…と思い、この記事をまとめることにしました。

なお、今回は「基礎編」と題し、採用時にベースとして必ず念頭においていただきたい事項のまとめ記事です。「こうすればいい人材を採用できる!」という具体的アドバイスやテクニックではなく、あくまでも「考え方」なので頓服薬のような即効性はありません。が、基礎編の考え方がないまま走り出しては採用コストの面で大幅なロスを出しかねません。個人的にはこの基礎編だけでも結果は変わると思ってます。とにかく大事!めーーっちゃくちゃ大事な話なので、腹落ちするまで繰り返し読んでいただますと幸いです。

ただ、記事を1本にまとめようとすると大変なボリュームになりましたのでマガジンとして1テーマごとに分けて書くことにしました。書く方も途中「あれ?何が言いたかったんだっけ?」と迷子、読む方も読んだ順に忘れて迷子…と、ただの迷路記事になると思いましたので。何本にも分かれちゃいますがご了承ください。

【はじめに】 shiiは何者なのか?

本題に入る前に、私の経歴についてお話させてください。(これ説明しないとなぜ保険募集人が採用を語っているのか謎だと思いますので…)

私shiiは保険募集人のお仕事をする以前、広告制作の仕事(10年超)に携わっていました。制作物やジャンルは様々ですが、そのキャリアの中で一時期某大手求人サイトの制作ディレクターを務めていました。歴は約5年。途中、第二新卒や女性の再就職支援事業でインターンのマッチングをみていた時期もありますが、主は転職(キャリア採用)サイトの求人広告制作。年間100〜150社の企業を訪問し、大手企業から中小企業、スタートアップのベンチャー企業まで様々なクライアント様の採用サポートをさせていただいておりました。

その前線から離れたのが2016年。雇用市場は経済・社会情勢に連動するため、当然約5年のブランクで市況は大きく様変わりしています。人材会社側の成長・変化も著しく、AI化の加速と共にこの5年でデータ収集・蓄積・分析が進んでいることも実感しています。正直、もう私が在籍していた時代とは比較にならないほど採用は戦略的且つ変化のスピードが早いものと思っています。

そんな最中でいただいた「中途採用の求人広告、みてくれない?」のご相談。当初は現場から離れすぎてるので…と萎縮していましたが、どのくらい自分の経験が化石化しているかを知るチャンスをくださったので一度だけトライしてみることにしました。

ご相談いただいた採用は非常に苦戦しています。ただその「採れないだろうな」という予感が的中したことで、久しぶりに採用・求人広告に携わってみて「変わってないなー」と実感することができました。

ではなぜ、「採れないだろうな」を予測できたのか。
それが今回の基礎編に詰まっています。

過去の私は、恐らくこの基礎編だけで「制作はshiiがいい」とご指名をいただいていたと思います(ちょっとドヤ)。当時マーケティング用にデータなんて会社も集めてなかったので、己の嗅覚だけで仮説を立て、ひたすらPDCAを回す超アナログ手法で自分の中に引き出しを作っていました。これが割と当たったんです…ありがたいことに。そして当時の同僚(私にshiiというあだ名をつけてくれたのもこの時のメンバーです)にも恵まれました。トップ営業対応の制作チームに所属していたので、ペアを組んでいた営業も皆優秀でしたし、制作メンバーもユニークで個性的でとってもクレバーでたくさん勉強させていただきました。

そんな環境下でコツコツと積み上げてきた経験が、今回の採用でも(今のデータ全盛期においても)そこまで当時と大きなズレを感じなくて…やはりこの基礎編はテッパンなんじゃないかなと思うようになりました。

基礎編はどれも「当たり前」。

過去振り返っても中小企業の採用では、この基礎編がすっぽり抜け落ちている社長・採用担当者というのは少なくなかったと記憶しています。むしろ当たり前過ぎる内容故、軽視されていた印象さえあります。

「どんなふうに書けばいいか」という”表現”にフォーカスしすぎていて、もっと手前の、「どんな人材を、なぜ採用したいのか」「自社の強み弱みは何か」「競合会社はどこか」の深掘りが甘いまま人材会社に丸投げ〜!が多いのです。運よく優秀な担当(人材会社の営業・制作)と巡り会えたら良いですけど…上手にヒアリングして分析してくれますから。でもそうじゃない場合はただ求人票をネット上に張り出してるだけにすぎず、貴重な採用コストをドブに捨てる行為で終わるはずです。

採用において、この「当たり前」ってすごく大事なんですよ。特に求人広告は対人に向けてのコミュニケーションなので、相手の感情や気持ちや状況を強く意識して作らなくてはなりません。だから普段のコミュニケーションと同じように、相手(求職者)の気持ちや状況を想像することを採用シーンでもできるかどうかというのが重要になります。これ、大手企業の人事担当であれば周知だと思うのです。ここを考えるのが仕事ですから。ただ専任の人事担当がいない(総務や配属部署の責任者、または社長自らが臨時的に採用を担当している)ことの方が中小企業では多いため、なかなかここをじっくり考える時間がないというのが実情だと思うのです。

だから「まぁ、求人さえ出しゃ誰かしら来るやろ!」が通用しないのです。求人と求人広告は違います。「広告」なんです。多くの場合、人は美味しそうに見えなきゃ食べたくないし、美人じゃなかったら会いたくないし、素敵な服じゃないと売れないし、美しい景色じゃないと訪れません。かといって事実と乖離しててもクレームになります。

「何でもいいから出せばいい」じゃダメなんです。求人サイト・人材会社の人間に丸投げしとけばなんとかしてくれる…じゃないんです。ブス・デブ・不清潔の人間が結婚相談所に登録さえすれば結婚できると思いますか?本人の努力ナシでは需要なんてあるわけないし、なんの努力もなく玉の輿婚や高嶺の花が振り向いてくれることなんてありえないんです。そんな甘くないんです。だって求職者にも人生がありますから。人材は単なるマンパワーでも労働力でもなく、一人の人間の人生(時間)をこの会社で預かるという意識が大切です。

現役時代、丸投げ企業さんから「うちでもいい人採れますますか?」と聞かれると、私は正直に「難しいと思っていただいた方がいいと思います」とお答えしていました。営業は横で真っ青でしたけど…でもコミットしたところで、結果出ないと確信してるならここで嘘つく意味なんてないですから。

なのでぜひ「求人さえ出しゃなんとかしてくれる」からは卒業しましょう!

採用は本気で取り組まないと誰も幸せになれません。
会社も、求職者も、人材会社もです。


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