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ささいな音が気になる、聴覚感覚過敏症にも効く漢方薬(5):桂枝加竜骨牡蛎湯の解説


私が気になるささいな音トップ5

漢方薬の効能効果に「神経過敏」と表記されているものがあります。神経過敏とは精神医学でいうところの「感覚過敏」とほぼ同義で、

音や光など聴覚、視覚などの感覚が過剰に反応して精神や身体に症状が現れるものです

特に音はやっかいで、他人が気にならなくても「自分」だけ気になる音があります。また、前回は気にならなかったのに今回は気になった音もあります。

この自分だけが「気になる音」は人それぞれ、例を挙げればキリがないほど日常にあふれています。

私が気になる音を例にして、あなたのものと比較してみてください。

1.テレビで解説する専門家の、裏声交じりの「甲高い声」が苦手
同じおじさんでもボーカルの高音に不快はありませんが、専門家といわれるおじさんたちの裏声交じりの(交じらなくても)甲高い声が苦手です。解説より先に不快感が脳の大部分を占めてしまいます。しかし彼らと同年代で、声が高いはずの女性には不快を感じません。

2.私の席の隣や後ろで「鼻をすする音」が苦手
試験や自習室など周囲が静かな環境でよく聞こえます。花粉症の時期は特にひどいです。

3.私の席の近くの「話し声」が苦手
レストランや電車の中でよく聞こえます。一定以下の声なら気になりませんが、一定以上になると不快に感じます。この「一定」とはそのときの体調や精神状態が関係しています。

4.アパートやマンションの「隣の生活音」が苦手
隣の生活音は一度気になると終わりがわからないので終始気になります。

5.家の前の「工事の音」が苦手
定期的に別々の業者が家の前で工事など大きな音を立てます。仕方がない、と割り切れる人ばかりではありません。


即座に思いついたもので私の気になる音は5つもありました。もう少し詳しく見ていきます。

私が気になるささいな音:詳細編

1.テレビに出ている専門家の甲高い声
私がよく観るBSの報道番組は地上波と違いウクライナやガザ、裏金など「一つのテーマ」を詳しくわかりやすく解説して、その過程で専門家に意見を求めます。

製作者の意図はわかりませんが、連日彼らが出演しているのは解説がわかりやすい(私はそうは思いませんが)など何か原因があってオファーを出すのでしょう。

つまり、甲高い声を不快に思わない人のほうが多いので彼らは連日出演している、と推察します


2.気になる音といったらやっぱり生活音
部屋の間取りや雰囲気は契約前の「内見」である程度わかりますが、実際に住んでみて初めてわかることがあります。

その一つが隣人の「生活音」です


隣人の生活音は住んでみなければわかりません。しかしそれは私を含めた一部の人が気になるだけで多くの住宅は大丈夫なはず、と思っていましたがこのデータを見てそうでないことがわかりました。


PR TIMESより抜粋


PR TIMESより抜粋


PR TIMESより抜粋


以上を踏まえて、私の実体験を話します。

・木造のアパートを借りたら隣から目覚ましのアラームが毎朝聞こえた
・木造から鉄筋のマンションに引っ越して安心していたら、今度は外の工事など「外の音」に悩まされた、など


このように住宅では生活音に悩まされる人が多い一方で電車に乗れば線路脇に家が建ち、幹線道路を走れば道路脇に家が建ち並んでいます。

つまり彼らはそこに住み、電車や車の音が気にならない人も一定数以上いる


気になる音は人それぞれです。ではなぜ「その音」が気になるのでしょうか。

人は自分が出した音は気にならないが、他人の出した音は気になる傾向がある


これは「車酔いの論理」や「おならの論理」と同じです。

自分が車を運転するときは四方に目を配らせて集中するので車に酔いません。同様におならも自分が出した音は気になりません。

一方で隣人の生活音も工事の音も他人が出した音です。他人が出した音は自分でコントロールできないので、いつ終わるかわからない音に人は不快に感じる傾向があります。

気になる音の理屈は以上ですが、では気になる音が気にならなくなる方法はあるのか。それを考察します。

気になる音の3つの対策

まず前提としてその音が気になっても「気にしない」ことが重要です。

人は自分であれ他人であれ誰でも音を出します。あなたが気になった「他人の音」は、言い換えれば他人も「あなたの音」が気になることでもあります。お互い様です。

その音が気になっても気にしないことが重要であり、意識を別に向けて集中することで多少は気にならなくなります。その上で、それでも気になった場合は次の3つの対策です。


1.耳栓とヘッドフォン

精神科医の動画やサイトをいろいろ調べましたが、聴覚過敏において最も有効な対策が耳栓やヘッドフォンなどの「物理的」なものものでした。

これらは音を遮断してまったく聞こえなくなる、わけではなくて多少は耳に入ります。ですがこの「多少」が重要で、この多少のおかげで気にならなくなる場合があります。

100円ショップで買えるものや1000円を越すものまで種類は豊富です。


2.場所を移動する

電車なら車両を変える、レストランなら店を出るなど「自分」が移動することでその音から離れます。

気になる音に長時間我慢してイライラするくらいなら、とっととその場所から離れましょう。そのほうが心の平穏が保たれます。


3.精神科を受診して様子を見る

最初はささいな音が気になる程度だったのが、長期間その音を聞き続けると今度は、

そのささいな音を探すようになります


極端な例では、毎日隣の部屋で話し声が聞こえていたのに今日は聞こえない。それで落ち着くならいいのですが、「そんなはずはない」と壁に耳を当てて確かめる人もいます。普通はそのようなことはしまません。

脳の扁桃体が興奮して冷静な判断ができなくなると、自分の行動が異常かどうかはわかりません。医師はそのような患者をたくさん診てきたプロなので適切に対応してくれます。

ただし、いきなり病院を受診するのに抵抗があるのもわかります。そこで神経過敏を改善する漢方薬「桂枝加竜骨牡蛎湯」が効くかもしれません。


桂枝加竜骨牡蛎湯の成分他詳細情報


桂枝加竜骨牡蛎湯エキス顆粒 45包
成分
15歳以上1日服用量3包み中1600mg

・桂皮2.0g:降気、発汗作用
・芍薬2.0g:補血、筋弛緩作用
・竜骨1.5g:鎮静作用
・牡蛎1.5g:鎮静作用

「健脾」グループ
・生姜0.5g:健胃、血行促進作用
・大棗2.0g:健胃作用
・甘草1.0g:健胃、補気、抗炎症作用

用法用量
1日3回食前または食間に水または白湯にて服用してください。

・15歳以上1回1包
・7歳以上15歳未満1回2/3包
・4歳以上7歳未満1回1/2包
・2歳以上4歳未満1回1/3包
・2歳未満1回1/4包

効能効果
体力中等度以下で、神経過敏で興奮しやすいものの次の症状がある人
神経質、不眠症、小児夜泣き、など

その他ご不明な点は薬剤師や登録販売者にご相談ください。

桂枝加竜骨牡蛎湯は竜骨と牡蛎の働きで過剰になった熱を下に降ろして、桂皮と芍薬で全身に気血をめぐらせることで精神不安や身体の症状を改善します。

ささいな音は一度気になると耳に残りイライラします。短期間なら身体の防御機能が働きますが、長期間だと脳の扁桃体が興奮して心身ともに不調をきたします。決して軽くみて良いものではありません。

「ささいな音」が気になるなら我慢せずにその場から離れましょう。我慢は美徳ではありません。我慢して病気になったら元も子もありません。離れられないなら耳栓やヘッドフォンなどで防ぎましょう。

それもダメなら桂枝加竜骨牡蛎湯で一度落ち着きましょう。
心を冷静に、これから取るべき対策を考えるのです。




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