『孤毒』 第1話「1人目の死」

私はヤク中である。といっても合法のドラッグだが。2年少しばかり前にTwitterを始め、この界隈、いわゆる『病み垢界隈』に入った。鬱病(今では気分変調症、薬物依存症)を6年ほど診断されて薬漬けなのは言うまでもない。当時は本気で死のうと考えていた。できれば最愛の人と。しかしながら時が過ぎるにつれ、フォロワーが増えていった。いつの間にか、仲良く話す人も増えてきた。その当時は何だかんだもたまにフォロワーと遊んで、死にたいと呟き、それでもフォロワーに支えられて生きていた。その時に、とても美しい女性と出会った。最初から最後まで恋愛感情はなかった(と思われる)が、この界隈では次第にアイドルのような存在になっていた。私は一緒に配信をしたり、ビデオ通話をしたり、お互いが辛い時は支え合って、何とか生きていた。それどころか、生きることに少しの楽しみを見出してしまっていた。彼女の家は少し遠かった。しかししばしば東京に来てくれて、何回か遊んだ。彼女は私にとっての恩人であり、生きる希望を与えてくれた。そんな彼女が死んだ。私は泣いた。ただ泣いた。理解が出来なかったし、今もまだ理解出来ていない。私と電話をした数日後だった。絶望した。人はこんなにもあっけなく、死んでしまうのかと。彼女の笑顔は今でも脳裏に焼き付いている。一緒に酒を飲みながら、くだらない話をした。ツイキャスで下ネタをいって笑いあった。そんな彼女が、死んだ。そこが私の人生の1つの転換点だったのかもしれない。

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