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儲からないビジネスの逆襲。

いいものを提供してもバズらない。

いいモノ、品質の高いモノ、手抜かりなく丁寧につくられたモノ、伝統に裏打ちされたモノが、高くても真のコスパに優れたモノ…。
そんな商品やサービスを生み出せば大成功して儲かるのか?
残念ながらそうじゃない。
市場から勝手に評価されて売れるものはほんのわずかだ。
営業上手なモノが市場シェアを拡大していく。
いいものよりも営業力があるもののほうがシェアを拡大していく。

世の中は、営業上手が商売上手。

「宣伝がうまいですね」
「目標達成一直線のやり手ですね」
「すごい人脈を持っていますね」
「鋭いビジネスセンスですね」

そんなことを言われる人が成功する。
ヒット商品もうまくつくる。
急成長のビジネスで注目を集めていく。

欲しがらせる手法は営業力だけなのか。

営業力でヒットしているサービスは、
欲しがらせる工夫がうまい。
心の底から買いたいと思うわせるのがうまい。
営業が上手くなくても、
この人はすごいな、と思う職人はいる。
私はそんな人からモノを買いたい。

儲けることより品質重視の職人を尊敬したい。

品質に妥協したくないから…と、つい時間をかけすぎたり、
価格は決して安くないものの、利益が薄いんじゃないかな?と思える手間が見えたり、そういう職人気質の人が好きだ。
たとえば、私の場合。
原価率を軽視して仕込みに時間とコストをかけるサンドイッチの店には定期的に通いたくなる。
売っているクルマはほぼすべてレストアに近いオーバーホールを施すクルマ屋さんが仕上げた中古車に乗っている。
何年か前に立ち寄った新大久保の靴修理屋は、カンタンなはずだったソールの修理に手間取って、わずかに材質が変わっただけなのに「お代はいらない」と言って修理料を受け取ってくれなかった。本人が誇りを持てるクオリティじゃなかったのだろう。後日その店で靴用のクリームを買った。
そういう人を私は心から尊敬する。
そういう人から受けるモノやサービスを買いたい。

バズらないところでコツコツ働く正義にスポットを。

とある田舎の町で「私たちがここで経営しなきゃ地元の人が困る」といって、スーパーの経営を細々と続ける夫婦がいる。地元の年寄りたちのために、保育園の給食食材の提供のために、その町で事業を継続している。
経営者の使命感を聞いてジーンときた。
ビジネスセンスはない。でも、生き方はかっこいい。
こういう商売をしている人こそが儲かるべきだ。
こういう職こそ人気になるべきだ。

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