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#150 1on1ミーティングがうまく行かない方へ。僕が傾聴を実践したプロセス

竹内義晴です。この番組は組織作りやコミュニケーション、キャリアデザインなどの人材育成、複業やテレワーク、多拠点ワークといった「これからの働き方」についてゆるゆるとお話をしていく番組です。この番組が面白かった、あるいは参考になったらフォロー、コメントなどいただけると嬉しいです。


組織作りに関するコミュニケーションのお話をしています

いまですね、組織作りに関するコミュニケーションのお話をしております。

コミュニケーションのスキルって、伝え方とか、プレゼンテーションとか、いろいろありますよね。

その中で、もっとも重要なことがあるとしたら、特に管理職、あるいはリーダーの方々が「働きやすい職場を作ろう!」「心理的安全性の高い職場を作ろう!」というふうに思ったときに、まず最初に実践することがあるとするならば、「傾聴じゃないかな」と僕は思うわけですね。

傾聴というのは、つまり「相手の話をよく聞く」ということです。そのための方法として、昨日はバックトラッキングについてお話ししました。

傾聴のスキル「バックトラッキング」

バックトラッキングとは……傾聴でよくあるスキルに「オウム返し」があります。バックトラッキングも、オウム返しの一種って思ってもらってもいいかなと思います。

オウム返しが、相手の言葉を、オウムのようにそのまま返す方法だとすれば、バックトラッキングは、もうちょっと長い話のときに、それを要約して「つまり、こういうことですよね」とか、「つまり、こういうことですか?」のように確認しながら、話を聞く方法です。

「相手の話を返す」という意味では、オウム返しの一種ですが、言葉尻りは、別にそのままじゃなくてもいいし、自分の解釈で構いません。場合によっては間違ってても大丈夫です。

なぜならば、もし、間違っていた場合、相手の反応は「う~ん」みたいな、ちょっと違うような空気になるので、「あれ? ちょっと違ったかな?」と感じた場合は、「あ、違った? じゃあ、もうちょっと詳しく教えてくれる?」のように話を聞き直せば大丈夫です。

バックトラッキングがうまくいっているシグナル

バックトラッキングうまくいっている場合、相手の方がリズムよく自分から話してくれたり、あるいは、「そうなんですよ!」みたいな言葉が出てきます。そのような状況なら、うまくいっていると思っていただいていいんじゃないかなと思います。

なぜならば、バックトラッキングは相手の話をある程度の文脈に対して、「なるほど、つまり、こういうことでしょ?」「こういうことね」のように確認しながら話を聞いていくので、確認した内容があっていれば「そうなんですよ! それで……」のように、次の言葉が自然と出てきます。

なので、「そうなんですよ~」みたいな言葉が出てきて、次の話が始まったりしているような状況だと、大体うまくいってるって思っていただいていいんじゃないかなと思います。

バックトラッキングを身に付けるためには?

でね。バックトラッキングは、スキル自体はすごくシンプルです。オウム返しもそうですが、傾聴はスキル自体はすごくシンプルです。「相手の話を繰り返す」とか、「相手の話を要約して確認する」という、これだけっちゃあ、これだけですからね。

もちろん、相づちとか、それ以外の要素もあるとしても、「要約して確認する」ということだけだったら、とてもシンプルじゃないですか。

この、シンプルなスキルでうまく話が聞けるようになるためには、ぶっちゃけ、練習しかないんですね。なので、相手の話を聞く場合には、「よし、今日は話を"聞くモード"に徹しよう」と。「聞くに徹しよう」と決めて、話を聞く。このようにしていくといいと思います。

僕はそうやって、実践してきたタイプです。

僕が傾聴のスキルを身に付けた実践法

僕がこの、傾聴のスキルを学んだ時には、いろんなワークショップに参加しました。

ワークショップでやることって言ったら、だいたいは、3人が1グループになって、1人が話し役、1人が聞き約、1人が観察役みたいな感じで、話し手の人の話を、聞き手の人がバックトラッキングを使いながら、相手の話を要約しながら確認しながら、ただただ話を聞くっていう、そういったトレーニングを結構やったりするんですよ。僕も結構、練習しましたよね。

せっかく学んだのなら、「職場でできるようになりたい!」と思いました。そこで、1on1をはじめたんですよ。

僕が傾聴の勉強したのは2005年か2006年くらいです。え? 20年くらい前? もうそんなに経っているんですか?(笑) まぁ、それは置いておいて、学んだことに対して「本当に効果があるのか?」っていうことを感じたかったので、職場で「実践しよう」と思って始めたのが、15人くらいのメンバーの話を、毎月1人30人、必ず全員の話を聞く、ということをし始めたんですよね。

そういう意味では、僕が1on1ミーティングを始めたのは、「1on1ミーティングをやろう」と思って始めたんじゃないんですよね、どっちかといえば。

(※注 テキストのみ:当時は、1on1ミーティングは広まっていませんでしたし、そのような言葉自体もありませんでした。なので「1on1ミーティングをしよう」とは、なりません)

傾聴のスキルが「上手くなりたい!」と思って始めたのが半分くらい。あと半分は、メンバー一人ひとりとコミュニケーションをとって、お互いをよく知ろう……みたいな気持ちが半分くらいでした。

でも、どちらかと言えば、きっかけは「学んだスキルを活かしたい」「実践したい」という動機の方が強かったんじゃないかなって思います。

このような、自身の経験としても、1on1みたいな機会を作って、話を意識的に聞く……ということをやっていくと 少しずつですが実力がついていきました。

僕が「最近、話が聞けるようになったな」と思えるまでにかかった時間

ちなみに、僕が「最近、やっと話を聞けるようになってきたな」って思ったのは、メンバー全員の話を聞き始めて、大体3ヵ月ぐらいしてからじゃないかなと思います。

毎月1人30分、15人ぐらいいたから、3ヶ月っていうと……のべ45回ぐらい、意識的に話を聞いたってことですね。あるとき、「最近、話が聞けるようになってきたな」って思った日があったんですよ。

なので、トレーニングを重ねていくと、次第に傾聴力はついていくので、もし、1on1ミーティングをやっているのに「うまくいかない」って思う方がいたら、ぜひ、意識的に話を「聞く」ということを実践してみたらどうかなと思います。

でね。僕がこの、傾聴のスキルを、実践する中で、自分自身が学んだっていうのもあるんですけど、実は、メンバーにも「傾聴のスキルを身につけてほしいな」って思ったことがあって。

そこで毎朝、メンバーの傾聴力を高めるためにやっていたことあるんですよ。たぶんそれもね、チーム全体の傾聴力が上がった、1つのきっかけなんじゃないかなと思うので、それは、また明日、お話したいと思います。これ、職場で実践していただけると、めっちゃいいと思いますよ。心理的安全性も高まりますね。

というわけで、今日の話はこれで終わりにしたいと思います。じゃあね。バイバ~イ!

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