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#382 地域複業―僕がサイボウズの「そでらぼ」で取り組んでいること

竹内義晴の「これからの働き方」――この番組は、これからの働き方、組織づくり、地域づくりの実務家、竹内義晴が「楽しく働く」をテーマに、組織作りやコミュニケーション、マーケティング、キャリアデザイン、複業、テレワーク、ワーケーションなどの視点でゆるゆるとお話をしていく番組です。


サイボウズ ソーシャルデザインラボについてお話しています

いまですね、サイボウズのソーシャルデザインラボと、その中での僕の取り組みについてお話をしています。

これまで「ソーシャルデザインラボとは何か?」についてお話して、それから、僕がいま、自分ごと化している「社会に対する課題認識」をお話ししてきました。

また、昨日は「いま取り組んでいる3つの施策」というお話をしました。

3つの施策というのは、

  1. 地域複業

  2. 地域課題を解決するための研修のプログラム

  3. 地域でDXを学べる場をつくる

です。

今日は、この中の1つ目「地域複業」に関する話をします。

地域複業とは?

地域複業に関しては、この番組でも何度もお話ししてきましたが、僕は2017年から、新潟を拠点に、東京のサイボウズに所属して「週2日、フルリモート複業社員」という形で働いています。

働き始めて1か月ぐらい、比較的早い段階で、「もしこの働き方が逆にできたらいいな」って思ったんです。「逆にできたら」とは、つまり、「地方の企業に、都市部を始めとした地域外の人たちが、複業のような形で関わる」ということ。

これが実現できると、これからはじまる労働力人口の不足とか、地方の衰退が「解決できる」……とは思わないけれど、それでも、いままでもより「良くなるんじゃない?」と。

人が足りていないところ、特に、IT人材とか、マーケティング人材とか、経営に関する人材とか、地方にはなかなかいない人材が、複業のような形で関わることができたら、地方の企業にとってもいいはずだし、地域をより良くしたいと思っているみなさんにとってもいいはずだな、って思っています。

これまで、取り組んできたこと

こうした形を「実現できないかな?」と思って、ソーシャルデザインラボに入る前から、色々取り組んでは来ています。サイボウズ式の中で複業に関するイベントをしたりとか。あとは新潟県の妙高市で複業に関するマッチングの取り組みをしたりとか。

いろいろやってきましたが。やるにつれていろんな課題もわかってきました。

地域複業の「2つの登場人物」

地域複業には、大きく分けて2つの登場人物がいます。1つ目は「地域の企業」ですね。もう1つは、都市部をはじめとした「地域外人材」。つまり、複業したい人です。

「地域の企業」に関して、新潟県上越エリアでは、いま「シゴトバカタログ」という、地域の企業のWebカタログを株式会社桐朋さんが作ってくださっています。

「この地域には、こういう素敵な会社があるよ」ということを地域内外に知らせる。そこに、企業に登録してもらう……という取り組みです。

あとは企業人材ですよね。複業自体は、以前と比較すると、それほど特別なことではなくなってきています。とはいえ、実際に複業を「やりたい」という人たちには、ちょっとした課題があって。

企業人材の「キャリアの課題」

ここでいう課題とは、「自分の強み」とか、「こういうことができます」とか、そういったことを言語化できるようにすること。いわゆる「キャリア教育」が必要だなと思っています。

この気づきは、2020年に、妙高市で複業マッチングに取り組んだ時に、「案外、自分のことをちゃんと言語化できない人が多いな」という気づきです。企業人材が、複業したいと思ったとき、自分の強みや人となりをちゃんと言語化できないと、地域の企業との接続が難しい。それでは、できる人しかできない形になってしまう……

そんな課題を感じたために、どうすれば「自分を言語化できるか」という形のコンテンツが必要だと思いました。

このコンテンツは、すでに作ってあります。現在は、サイボウズの社内で、実験的に「自分の棚卸しをする」というワークショップを行っています。「結構、いいプログラムになったな」と思っています。

この「わたしが、こういうことができます」といえるキャリア教育は、社員のキャリアを長い目で見たときにも、人材を適材適所に配置するというタレントマネジメントを考えたときにも、今後、多くの企業で必要になってくるのだろうと思っています。

社会がどうなるのかわからない中で、キャリアに悩んでる人は多いですからね。

先日、サイボウズ式で、法政大学 キャリアデザイン学科の武石先生に、キャリアについて伺いました。将来のキャリアについて、悩んでいる人が多いし、企業側も、社員のキャリア支援に悩んでいる……。多分今後、社員のキャリアコンテンツは必要になってくると思っています。

というわけで、企業人材のキャリア教育をしつつ、もう少し先に、地域の企業と企業人材をつなぐ……というところに進展すればいいなと思っています。

地域複業はリモート環境が必須

あとですね、地域複業を実現するためには、リモート環境で働ける環境が必要なんですよね。なぜならば、複業は移住をしない、リモートで、週1日とか、2日とかのような形で働く関わりだからです。

その観点に立った時、地域側の企業のDXが必要なんですよね。

コロナ禍によって、テレワークはずいぶん進みました。でも、地方の企業では、テレワークが必要なかったからほとんどやっていません。

もちろんzoomとか、teamsとかをつかって、リモート会議みたいなことは、普通にできるようになりました。これも大きな進化です。ですが、業務がオンライン化されている会社って、あまりないと思うんですよね。

地域複業を実現するためには、リモートで働く環境も整えていく必要もあるから、そういった環境を、サイボウズの kintone で整えて、その結果として、複業がうまく進められたらいいなと思っています。

なお、この取り組みをここまでやろうと思ったら結構大変です。なので、まずは企業カタログができて、キャリア教育が進んで、そのあとにDXが続けばいいなと。

単なる「副業マッチング」にはしたくない

なお、個人的に、単なる「副業マッチング」にはしたくたいなぁと思っていて。

副業のマッチングサイトって、いっぱいあるじゃないですか? 「企業と、働きたい人をつなぐ」っていう。

僕が実現したいのは、単なる副業マッチングではないんですよね。金稼ぎをする「副業」ではなくて。

「あの地域の、あの会社の思いにすごく共感する」っていう人たちとの接続……っていうのかな。「思いの共感」による仕事の関わり。そういったものを作っていきたいんです。

少し、話がずれてしまいましたが(笑)、僕はこういった取り組みをしていきたいと思っています。時期が来たら、必ず必要になるものだと思っているので、少しずつですが、取り組んでいます。

でも、まったく何もなく、ゼロだった時に比べると、少しずつですが、形は見えてきた感じがしています。

というわけで、今日は地域副業に関するお話をしてみました。じゃあ今日の話はこれで終わりにします。じゃあね、バイバ~イ!

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