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#298 キャリア安全性・主体性を深堀る26ー企業で社員が「外に出る」取り組み

竹内義晴の「これからの働き方」――この番組は、これからの働き方、組織づくり、地域づくりの実務家、竹内義晴が「楽しく働く」をテーマに、組織づくりやコミュニケーション、マーケティング、キャリアデザイン、複業、テレワーク、ワーケーションなどの視点でゆるゆると話をしていく番組です。この番組が面白かった。あるいは参考になったらフォロー・コメントなどいただけると嬉しいです。


キャリア安全性。主体性についてお話をしています

今日は長崎からお送りしております。

いまですね、キャリア安全性・主体性についてお話をしています。「3つの資本」でお話ししておりまして、3つの資本とは「人的資本」「金融資本」「社会資本」の3つです。

この中で、社会資本の「外に出る」というお話をしていまして、社会資本とは「人とのつながり」を作るということです。その機会をどう作るか? という話をしています。

特に今日は、企業のみなさんが、社員のみなさんに対して、外との接点を作るために、どんな取り組みができるのか? ということについてお話ししてみたいと思います。

企業の「外に出る」取り組みについて、僕の経験値

企業の「外に出る」取り組みについて、僕自身が、すごい経験値があるのか……というと、そういうわけではありません。

一方で、企業における社員のみなさんが、社外の外に出て「学びを得る」といったプログラムの開発には携わってきました。その経験が、参考になるかどうかはわかりません。

でも、企業における社員のみなさんが、社会資本を増やすために「会社として支援する」ことも、これから、人生100年時代のような「長く働く」という時代のキャリア安全性を考える上では、社員のみなさんが「このまま成長していけば、将来はきっと大丈夫だ」と思えるような支援を、企業が行うことは大事ではないかと思ってます。

企業が、社員の「外に出る」を支援する具体的な取り組み

そこでいくつか、企業として、社員のみなさんの「社会との接点」をつくる方法として、具体的な事例を挙げてみたんですよね。

社外の「越境学習プログラム」に参加する

1つ目が、「社外の越境学習プログラムに参加する」です。

例として、日本能率協会マネジメントセンターが取り組んでいる「ことこらぼ」というプログラムがあります。これは、地域課題を、企業研修のような形で解決するプログラムです。

あとは、同じく日本能率協会マネジメントセンターの「ラーニングワーケーション」ですね。ラーニングワーケーションはさまざまな地域に行って、そこの地域でしか実感できない、さまざまな課題に触れたり、現地の人と話したりすることによって、会社ではなかなか得られない学びを得ようというプログラムです。

だからといって、すぐに社外との接点ができて「複業しよう」とか、そういう話ではないですが、外との接点を作り、いろんな生き方・働き方に触れる。そしてさまざまな課題を、地域の人たちがどう乗り越えているのか、そういったことを学ぶ上では、すごくいい経験になるんじゃないかなと思います。

企業間インターン

2つ目がインターンですね。

インターンについては、これも1つの例として、僕が複業しているサイボウズの事例を挙げます。

サイボウズでは、これまで企業や行政機関のみなさんをインターンとして迎え入れて、サイボウズが「どのような働き方をしているのか?」を実際に体験していただいて、それを自社に持ち帰る……という取り組みがあります。

インターンも、社外との接点をつくる、企業としての取り組みの1つではないかと思います。

社外のキャリア自律プログラム

3つ目が……これ、なんて言ったらいいのかわかんないんだけど、社外でキャリア自律や、キャリア安全性に関する取り組みをしているプログラムへの参加です。企業として参加してみるのも、1つの方法じゃないかなと思います。

事例として、2つ挙げます。1つははたらく未来コンソーシアムさん。これは大手企業の何社かが集まって、キャリアオーナーシップ(キャリア主体性)や、キャリア自立について、議論したり、実践したりしていくコンソーシアムです。

もう1つはONE JAPANさん。こちらも、越境学習的な観点で有効じゃないのかと思います。社外に出て、大企業の中ではなかなかできない取り組みをすることは、キャリア安全性・主体性を高めるうえで有効ではないかと思います。

行政機関との「地域課題解決」のコラボ

4つ目は、先ほどの、日本能率協会マネジメントセンターの越境学習プログラムに近いんですが、地域課題を解決するさまざまな取り組みに参加するっていうのも、1つの例じゃないかな思います。

いま、さまざまな自治体で、地域課題がたくさんありますよね。人口減少に伴うものとか。このような取り組みに対して「企業といっしょに取り組みたい」という地方自治体がたくさんあります。

もし、企業のみなさんの中で「〇〇の地域にゆかりがある」とか、課題がある地域と連携して、地域課題を解決する取り組みをいっしょに行ったりすると、社会との接点が生まれて、社員のみなさんの成長に役立つのではないかと思います。

※僕の地元の新潟県妙高市でも、おつなぎできるかもしれません。

複業推進

5つ目が複業の取り組みです。

複業の取り組みは、まだまだ難しいところはあると思います。たとえば、制度は作って「複業してもいいよ」としたけれど、会社として「どう支援したらいいのかわからない」とかね。いろんな課題はあるとは思います。

ですが、人口減少が進む、今後の日本社会を考えたら、ワークシェアと言うんでしょうかね。1人の労働力を共有するっていう働き方が、人口減少社会では今後、広がると見ています。

ワークシェア……つまり、複数の企業に関わることによって、収入面や働き方の面で、間違いなく、キャリア安全性・主体性は高まります。

この取り組みは、まだ試行錯誤が必要かもしれませんが、複業の取り組みをOKにすることは、企業におけるキャリア安全性を高める上で、重要な取り組みだと思います。

ちなみに、僕が複業しているサイボウズは、特別複業を推進しているわけではありません。ですが、複業したい人は、比較的自由に――もちろん、いろんなルールはありますが――行うことができます。

サイボウズの複業に関する記事はこちらをお読みいただければと思います。

このように、社員が複業できるようにしておくと、企業における社員のキャリア安全性・主体性を高める上では、具体的な手段としてありうるんじゃないかと思いますね。

さまざまな試行錯誤は必要。でも、今後必ず必要になる

ここまで、キャリア安全性・主体性を高めるために、社会資本……つまり、人とのつながり、社外との接点をつくる企業の取り組みについて話してみました。

企業においては、いままではどちらかというと、社員のみなさんを「会社の中に囲う」(外に出さない)という意識が強かったと思います。

そう考えると、社会資本を増やすのは、ベクトルが逆方向なので、すぐにうまくいくわけではないと思います。さまざまな試行錯誤も必要でしょう。

僕自身は、その制度を設計する立場の人間ではないので、具体的に「こうすればいいですよ」というお話はできません。

一方で、一個人として「実践しているタイプ」ではあるかなと思いますので、もし、キャリア安全性・主体性に関する議論や、「今後、必要なことは何か」みたいな取り組みが、みなさんの企業で始まるのであれば、さまざまな意見交換や議論で、ごいっしょできることがあるのではないかと思います。

というわけで、今日の話はこれで終わりにしたいと思います。じゃあね、バイバ~イ!

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