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「ウィークエンダー」のような連載をまとめたインモラルでエロチカな新潮文庫 2013年2月15日

 おはようございます。自称「鼻血ブーの女」神垣です。

 週刊誌と言えば

 わたしの場合・・・

 「週刊文春」あるいは「週刊現代」。

 文春は高校生の頃から30年余り
 現代は結婚してから16年
 毎週読み続けてきました。飽きもせず……

 文春派の私は、並べて売られている「週刊新潮」を
 買うことはめったにないのですが
 銀行や病院の待合室では、時々読みます。

 「週刊新潮」をめくって真っ先に読むのが
 「黒い報告書」。

 知っている人は知っている
 「週刊新潮」の名物連載です。

 テレビ番組で言うと
 昔、「ウィークエンダー」でやっていた
 再現ドラマみたいな感じと言いましょうか……
 (例えが古くて、すみません)。

 「黒い報告書」は実話をもとに、
 エロ部分が実に生々しく描かれた
 「報告書」仕立ての読み物なわけですが

 この連載を
 文庫で読むことができるんですねぇ。

 新刊案内に
 「黒い報告書 インモラル 」 
 のタイトルを見つけ
 即買いしようと思ったのですが……
 
 アマゾンの商品説明を読んだ時点で
 あまりに濃厚そうな内容に
 いつになく「ポチッ」とする手が止まり
 ためらうこと3分。

 結局、5年前に刊行された
 こちらの方を先に読むことにしました。

   タイトルは一緒ですが
 シリーズ最初の文庫版です。

 表紙には、この連載をかつて担当した
 名だたる作家名がずらり。
 そこに惹かれて買ってしまいました。

 「週刊新潮」で、この連載が始まったのは
 1960(昭和35)年。
 わたしが生まれる6年も前です。

 60年代初期は
 新田次郎や水上勉らが執筆を担当。

 連載は一度終了しているのですが
 2002年の連載再開からは
 岩井志麻子や重松清が起用されており
 書き手の一人として、ビートたけしも
 書いています(あんまり面白くなかったけど)。

 いわゆる
 男女の「愛欲のもつれ」「痴情事件」が
 取り上げられているのですが
 中でも、女性作家の作品がエグい!

 岩井志麻子
 内田春菊
 中村うさぎ

 この3人の作品は特に強烈で
 男性の書き手が踏み込むことのできない
 赤裸々で鼻血ブーな内容に
 ちょっとクラクラきました。

 取扱注意です。

 本書に収録された18篇のうち
 私が一番好きだ、と思ったのは
 水上勉の「塩原事件の女」。

 1961(昭和36)年の作品ですが
 そのまま市川昆監督で映画化できそうな
 情感漂う内容でまいりました。

 濡れ場の描写はさほどないのに
 作品全体が艶っぽいというか
 なまめかしい。

 困ります。


 というわけで
 読み方としては、まず
 この「黒い報告書」を読んでから
 最新刊の「黒い報告書 インモラル 」
 その前に刊行されている「黒い報告書 エロチカ」
 に進むことをお勧めします。

 それにしても、巻末の対談で岩井志麻子の突き抜け方が半端ない。
 この人、ぼっけえ、きょうてえ……。

VOL.1892 2013年2月15日配信 メールマガジン あとがきより)


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