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「好きなことを仕事にする」がNGな理由

「好きなことを仕事にする」という風潮がある世の中ですよね。単刀直入にいいますが、やめた方がいいです。なぜなら人生が狂うからです。好きという感情は、損得では語れません。お金を稼ぐ目的と掛け合わせることは、想像以上に難しいからです。


好きなことを仕事にしている人

世の中には、好きなことでお金を稼いでいる人はたくさんいます。私自身、実はそうです。それなのに「好きなことを仕事にしない方がいい」と言うのには理由があります。「好きなこと」に対する解釈ともいえます。

私の話をしますと「書くこと」が好きです。メインの仕事内容は、プロモーション関連の書くこと全般です。もう少し詳しくいいますと、企画・原稿・セールス文・キャッチコピー・案内文など。他でも雑誌の一ページのライターや、web記事、企業の案内ページ文も書いています。挙げたらキリがないです。

好きとか嫌いの話ではない

では、これらが「好きで好きでたまらないのですか?」と聞かれれば「いいえ」ですね。好きとか嫌いとかの領域ではないのです。口では好きといいますが、もう少し分解していくならば「得意」という解釈の方がしっくりきます。仕事に好き・嫌いの感情を乗せていたら、持ちませんよ。

仕事における「好き」とは

好きな仕事とは、得意な仕事のことだと私は考えます。私自身、はじめから「書くこと」が特別好きなわけではありませんでした。嫌いでもなければ、何でもない、至ってごく普通の分野でした。書くことに注目しないといいますか、気にも留めていなかったです。

しかし、いろいろな人から私の書くものが認められていくわけです。そこで初めて「自分の得意分野なんだ」と気づいたのです。自分では当たり前にやっていたことが、誰かにとっては「すごい」「助かる」「いいね」と評価されるのです。

それは段々と自信になり、いつしか好きになります。私の中で、自己肯定感が満たされていくような喜びがありました。こういう発掘的な気づきの過程で得た「好き」は、仕事として成立していけます。実際に私が経験しているからこそ言えることです。

好きなことが仕事にならない場合

一言でいえば、需要がないものは仕事になりません。つまり、お金にならないことですね。好きなことを仕事にせず、趣味やボランティアなどにすれば、この問題はもう解決ですよね。仕事ではないから。

しかし、あくまで「好きなことで稼ぎたい」というのであれば、適性を見極めなくてはなりません。マッチングですね。好きという想いだけではどうにもなりません。人と同じです。大好きな人がいて、いくらアピールをしても断られることだってあります。ならば、どうすればいいか?戦略を立てますよね。仕事も同じです。これを、「あなたは好きなことで割り切れますか?」って話です。

得意は最短ルート

好きと得意は似ているようで違います。好きとは、自分の中だけのもの。ここは誰にも侵食されない純粋な想いです。一方、得意とは人から褒められたものです。仕事とは、誰かの役に立つことが前提なので、得意分野は型にハマりやすいです。

しかし、好きなことは世間の需要とは関係ない世界です。仕事にしていくならば、型にはまるように合わせていかなければなりません。ここが苦しくなる人もいれば、迷走して自爆する人もいます。得意はここを飛ばしていけるので、仕事になるという意味では最短ルートです。

需要がなかった経験

私は20歳の頃に大好きなことがありました。ハンドメイドのアクセサリー制作です。好きなことで小金を稼いでみたい思いから、販売を試みました。結果は見事に撃沈。私には何かが足りなかったようです。一瞬で悟るくらいには「私には向いていない」と感じました。

要因を挙げたらたくさん出ると思います。若かったから、戦略がなかったから、お金を稼ぐ意味を理解していなかったから、作品が未熟だったから、など。「たられば」は言うだけ無駄です。好きという自分から湧き立つ思いから始めた仕事は、結局は運もあります。

実らない「好き」は脆い

私の場合、ハンドメイドアクセサリーは自分の土俵ではなかっただけなのです。ちなみに、私はこの件以降ハンドメイドアクセサリーはやらなくなりました。好きという思いも、案外脆いものです。割り切りも重要です。

好きなことを仕事にする誤認

「好きという円」と「仕事という円」、この2つの円が重なったところが「好きなことが仕事になる」と単純解釈をしている人が多いです。これね、好きの円が違うんですよね。もうここまでお読みになれば、少しは理解が深まったかと思います。

もはや根本が違うのです。「好き」はあなたの考えている「好き」ではないということ。仕事にするのならば。なぜなら、仕事とは誰かにとって役立つことを提供することだから。需要がなければ意味がありません。

もちろん、新しい分野を開拓していくんだ!と起業家精神でいる人はここで踏みとどまらないかと思います。とはいえ、やはり仕事である以上は、世の需要はよくよくサーチする必要はあります。

仕事における人生設計

私は得意なことを仕事にしたあたりから、「人生が軌道に乗ってきた」という感覚を覚えました。明らかに精神的な満足が違うのです。「楽しい」のです。もちろん、苦しい時だってあります。常にハッピーではありません。しかし、この苦しみさえもバネにすることができたのです。

好きなことを仕事にするのは、人生を豊かにするためには必須ポイントでしょう。正しくは、得意なことを仕事に。もっといえば、得意なことが好きに変わったことを仕事に、ですね。ここの設計を間違えなければ、人生設計も上手くいくかと思います。

※この記事は、2024/3/16 に書いたものです。
※【私のブログSTART】2024/2 WordPressにて開設→2024/4 現noteに移転

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