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エヴァンゲリオンの世界観から、会計士が地球温暖化について考えた結果、非財務情報の重要性に気付くという話

エヴァンゲリオンとは

筆者は37歳男であるが、現在30代後半くらいのほとんどの男性はたいてい影響を受けていると思われる。日本の中学生男子誰しもが碇シンジだったわけです。念のため、wikiを張っておく。

物語の舞台は西暦2000年9月13日に起きた大災害セカンドインパクトによって世界人口の半数が失われた世界。その15年後の西暦2015年、主人公である14歳の少年碇シンジは、別居していた父、国連直属の非公開組織・特務機関NERV(ネルフ)の総司令である碇ゲンドウから突然第3新東京市に呼び出され、巨大な汎用人型決戦兵器エヴァンゲリオン(EVA)初号機のパイロットとなって第3新東京市に襲来する謎の敵「使徒」と戦うことを命じられる。(Wikiより)
当初はゲンドウの命令で、そしてEVA零号機のパイロットである少女綾波レイの負傷を目の当たりにしたため仕方なくEVAに乗っていたシンジだが、使徒との戦い、そして戦闘指揮官であり保護者役となった葛城ミサト、同級生鈴原トウジ・相田ケンスケらとの交流によって次第に自らの意思でEVAで戦うようになる。第3、第4使徒を倒し、戦線復帰したレイとともに第5使徒を倒したシンジに、新たにドイツから来日したEVA弐号機のパイロットの少女惣流・アスカ・ラングレーが仲間に加わり、彼らは次々と襲来する使徒を迎撃し、たびたび窮地に追い込まれるも辛うじて勝利を重ねていく。(Wikiより)

話はかわるが、地球温暖化について考えたい

カーボンニュートラルと今般よくいわれているし、日本政府も積極的に発信している。

その考え方の土台は2015年12月合意されたパリ協定にある。環境省からわかりやすい資料が出ていたので、紹介しておきたい。

出典:「環境省へようこそ! - おしえて!地球温暖化」

http://www.env.go.jp/earth/earth/ondanka/oshiete201903.pdf

温暖化により、気温が1.5℃上昇すると、2100年までの海面水位上昇は0.26~0.77mと予想されている。これが、1.5~2℃上昇になると、南極氷床の不安定化、グリーンランド氷床の不可逆的な消失が引き起こされる可能性があり、これによると、数百~数千年にわたり、海面上昇が数メートル上昇しうる。

ちなみにであるが、どうやら、2020年の時点で、各国の目標を合わせても3℃上昇になってしまうので、2℃より低くなるように、気候変動問題に対して世界で取り組もうとしているとのことである。

このままでは、3℃上昇してしまうとので、何とか2℃より低く抑えたい?

ちょっと待ってほしい。2℃で南極とグリーンランドの氷が溶けるって話あったよね。日本の主要都市である東京、大阪、名古屋、横浜・・・は水没してしまわないのだろうか。と大きな疑問を持つ。

第三新東京都市はもはやフィクションではない。

エヴァンゲリオンは現在の東京が水没した後の世界を描いている。しかし、これは確実に起こりうる未来かもしれない。もはやフィクションとはいえない。

東京の海抜をご存じだろうか。

前から言われていることではあるが、東京都の中でも江東区、墨田区、葛飾区、荒川区、大田区、江戸川区は低い。ほぼゼロ、海抜がマイナスという土地もある。

ちなみに下記は、とある横浜駅東口ベイクォーター近くの写真(6月24日18時3分)。満潮(6月24日17時37分) が近かったということもあるが、海抜はほぼゼロです。

今後予想される未来。

気候変動については、長期間にわたり、COVID後の最大の関心事になり続けると考える。事の重要性や影響度、難易度はCOVIDの比ではない。ワクチン打って終わりのような即効性のある解決策がないからだ。

国際的にも様々な合意がなされ、枠組みが作られ、規制は強化されるだろう。ただし、国がいくら旗を振っても、実行や取引を行う主体は各企業、そして生産者、消費者になり、グローバルで関連する。

有価証券報告書の記載もより詳細に記載が求められることになるだろう。そうでなければ、投資家はもはや投資判断ができず金融市場が機能不全を引き起こすことになる。

気候変動関連で生じる外部環境の変化への対応力次第では、日本企業がさらに主要市場でのプレゼンスを落とす可能性にもなるだろう(重要な影響があるのは、日本のお家芸といわれた自動車、製造業。そして、電力、資源エネルギー関連。さらに、二酸化炭素の排出量に関する消費者への開示がされるような場合には、運輸、小売、飲食、サービス業など全業種に影響があるかもしれない)。レジ袋有料化とかエコバックといった次元とは違う世界がすぐそこにある。

リスク情報開示の比較(トヨタVSユニリーバ)

そんなことを考えながら、日本のトップ企業であるトヨタ自動車の2021年3月期の有価証券報告書を読んでみた。海外投資家は、この有価証券報告書リスク情報の記載で満足するだろうか。リスク情報について、どこか抽象的ではなかったか、と思うのである。勝手ながら来年以降に期待させていただく。

一方、ユニリーバのホームページでは、CO2排出量について詳細に記載されている。アニュアルレポートのリスク情報の記載も詳細でわかりやすい。

結論:非財務情報の重要性は増していく

非財務情報の開示は、今後も重要性が増し続け、開示の注目は会計以外の分野に移っていくだろう。公認会計士という名前や職業は、もう時代遅れかもしれない。


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