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最強トヨタの2021年3月期第三四半期決算を見てトヨタの成長性に勝手に不安を感じた話

はじめに

2021年2月10日はトヨタの決算発表であった。業績予想を上方修正し(トヨタは保守的に予想を出し、上方修正を常としているわけであるが)、売上高を下方修正した日産とは明暗が分かれた。

さすが、トヨタ。日本が世界に誇るエクセレントカンパニーであるが、少し気になる点があるのでNoteに、メモをしておく。

第三四半期連結会計期間の営業利益 約1兆円の衝撃

当第三四半期連結累計期間の営業利益は1.5兆円(前年同四半期連結累計期間は2兆円)であったが、うち、当第三四半期連結会計期間の営業利益は約1兆円、正確には0.98兆円(前年同四半期連結累計期間は0.6兆円)であった。詳細は下記参照。

どのエリア(国)が稼いでる?

世の中は(中国を除き)コロナで不景気そうだ。どの国でトヨタは1兆円の営業利益を稼ぎ出しているのだろうかと疑問に感じた。

このような疑問に答えるのがセグメント会計(セグメント注記)だ。

トヨタの決算資料によれば、当第三四半期連結会計期間では、セグメント利益は、日本で5,385億円、北米2,129億円、アジア1,553億円、となっている。意外かもしれないが、半分以上は日本で稼いでいるのだ。

日本ってそんなに稼げるもんなの?いつ稼いでいる?

日本セグメントでそんなに利益出せるもんなの?と思い過去から、過去から推移を見てみると、以下の通りであった(トヨタ決算情報アーカイブより)。

2019年4月~6月 日本利益 4,299億円、日本売上高 4兆1,750億円

2019年7月~9月 日本利益 3,968億円、日本売上高 4兆2,465億円

2019年10月~12月 日本利益 4,030億円、日本売上高 4兆436億円

※2020年1月~3月 日本利益 4,472億円、日本売上高 3兆9,810億円

2020年4月~6月 日本利益 774億円、日本売上高 2兆6,756億円

2020年7月~9月 日本利益 1,649億円、日本売上高 3兆6,877億円

2020年10月~12月 日本利益 5,385億円、日本売上高 4兆3,846億円

(出典)※のみ2020年3月期の決算要旨補足資料(米国基準)、他は2021年3月期第三四半期連結決算の決算要旨(IFRS)

2020年10月~12月は3か月単位でみると、ここ2019年4月以降で最高収益、最高益を達成したということになる。

利益を出すために、トヨタは無理をしていないだろうか?

トヨタのライバルは、EVやコネクテッドカー、自動運転車をものすごい速度で開発しているテスラやApple、Google(まだ無名のシリコンバレー、中国深圳テック企業かもしれないが・・・)となっている。テスラやApple、Google、彼らの時価総額はトヨタをはるかに上回っている(テスラ株価上昇率はバグっているが・・・)。まるでウサギと亀だ。恥ずかしい決算は出せないというプレッシャーはすさまじいものがあると思う。

ここで、日本に目を向けてみる。

日本の賃金統計を見ると、実質賃金は令和元年(2019年)はマイナス1%、令和2年(2020年)はマイナス1.2%(速報2021年2月9日公表)とのことである。

そして、2020年は日本の消費支出はマイナス5.3%落ちこんだとのニュースがあった。日本はものすごいデフレの真っただ中なのである。

2020年10月~12月の利益水準を日本で継続することは、もはや無理だろう。はっきり言って、日本の市場環境が悪すぎるのである。

日本の最強エクセレントカンパニーであるトヨタの稼ぎどころが日本である点から、トヨタの成長性に勝手ながら不安を感じたというお話でした。

追記

統計データを見てみました。トヨタ車ですが、2020年10月~12月は、前期比を上回って売れていた。

ただし、2020年1月~12月の累計は、前期比マイナスになっていた(トヨタでも前期比93.5%)。

一方、三菱自動車と日産は、2020年1月~12月の累計では、前期比57.9%、67.6%と大幅悪化していた。減りすぎ・・・。日産、やっちゃってます。

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