![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/84139250/rectangle_large_type_2_4b7cb03fbff070c057d21ee04e191a2f.jpeg?width=800)
弛んでいるからといって、「喝」を入れてはいけません。「活」を入れるのです
はい、また、揚げ足取りの時間がやって参りました。
なぜ、このような性格の悪いことをしているかというと、自分が間違ってしまうためです。
ですから、人様のまちがいを指摘することで、何よりも自分に「活を入れている」のでございます。
で、早速「lifehacker」さんのある日のコラムのタイトル。
ギア入れ直し! ぬるい自分に喝を入れたい時にオススメの本12選
気持ちは分かります。しかし「喝」とは単に大きな声を出すことであって、活力を入れることではありません。
しかし、座禅中の禅僧に迷いが生じたとみられたときに大きな声を掛ける「喝」は、映像的には「気合いを入れる」に近いので、つい、「喝を入れ」たくなるのでしょう。
「喝」の使い方は、「一喝する」や「カツを喰らわす」が正しく、入れる場合は「活を入れる」です。
といっても、やはり「喝」の字面は、タイトルに使いたくなるようで、
今すぐできる!「自分に喝を入れる」方法☆
課題やっていない懺悔!!校長&教頭が喝を入れるよ!!
などと他にも出てきますね。
で、毎日新聞の校閲センターさんのコラム『毎日言葉』では、「喝を入れる」という誤用が浸透したのはどうやらこの人の影響ではないか? と控えめに書いてました。
その人とは、張本勲氏です。
司会を務めるタレント、関口宏(76)から「喝が入ったの久しぶりのような気がする。半年くらい入っていないんじゃない?」と指摘されると、張本氏は「だって、あんまり喝が好きじゃないから、関口さんが。周りから文句が多いらしい、喝を入れると」と反撃。「喝は喝で入れた方がいいんですよ」と訴えた。
と言いますか、これ、音声を文字化したTBSさんやサンスポさんの誤用では? とも思ってしまいました。
で、『毎日ことば』では以下のように解説されています。
国語辞典に載っている用法は「活を入れる」。気を失った人の息を吹き返させること、転じて人を元気づけることの意味で用いられます。
「喝」は大声の意。「喝を入れる」は上述の「活を……」との混用と考えられ、毎日新聞用語集では「活を入れる」「一喝する」のいずれかへの書き換えを促しています。刺激を与えて元気づけるという意味ならば「活を入れる」、大声で叱りつける意味なら「一喝する」と書くように、という趣旨です。
ただし、以前の毎日新聞の記事で元プロ野球選手の張本勲さんが「うっかりミスには『喝』を入れるようにしています」と語っていたように、テレビ番組の影響もあってか「喝を入れる」という言い回しも浸透しているようです。叱責の意なら「入れる」と言わずに「『喝』を食らわす」とかにしてくれればなあ、とは思うのですが、これは校閲記者の勝手な希望かもしれません。
さて、暑さ負けしている自分にも「活を入れる」とします。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?