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「父が娘に語る経済の話」を読んで

 こんにちは、げーしーです。
今日はヤニス・バルファスキが著者の「父が娘に語る経済の話」という本の感想をつらつらと書いていこうと思います。

 この本に出会ったのは偶然も偶然、書店に行って経済の本を探していた時に黄色い帯でめちゃくちゃインパクトがあったからです。
見事に広告戦力にはまってしまいました。笑
是非書店で確認してみてください。

 ただ内容も非常に読みやすく、終始語り口調で説明していき、優しくも感情的であり、ビジネス書というよりも物語のようなパラパラと読み進められる経済本でした。

自分の中で大きく見出しを分けてみるとこんな感じ

 ・格差について

 ・市場社会の形成
 
 ・金融の誕生

 ・自動化について

 ・通貨の成り立ち

これを自分なりに解釈したものをざっくり説明して行こうと思います


・格差について
冒頭著者の娘がこう尋ねます。
「パパ、どうして世の中にはこんなに格差があるの?」
これに対する答えとして著者は200年前にイギリスがオーストラリアの先住民族であるアボリジニに侵攻した話を例に説明しています。
ここで出てくるのが余剰という言葉です。
どういう事かというと、余剰があることによってその余剰分と別の物質を交換するという交換価値が生まれます。最初は米と魚だったりなど物々交換がメインでしたが、余剰分を預けてその証拠として貝殻に預けた作物の量などを記載し証拠とする手形のようなものを作り始めました。所謂貨幣の誕生、そして文字の誕生です。そして次第にその交換物が多いものが権力を持つようになり政治を行いやそれに付随するの誕生、さらには宗教により人々の権力に対する反抗を抑える文化までもが形成されたと説明しています。そして、技術革命もあり、ヨーロッパ諸国はアフリカやアメリカ大陸などの植民地化に乗り出したと言われています。こうして国の間でも格差が生じ、さらには国の中でも格差が出来ていきます。

・市場社会の形成
 次に生まれるのが“市場”という概念です。先にも述べたように余剰を多く生み出せるものが富や権力を手に入れていました。次にする事はこの余剰をいかに効率よく生み出し、保有するかという問題になってきます。
ここで新たに価値として見出したのがこの3つ
“土地” 

“生産手段” 

“労働力”
これらが商品となり市場を形成していきます。土地があるものは自分の土地を貸し、労働者に商品を生産させ、その際に必要な道具を作り売買するものが現れます。これにより様々な部分からビジネスチャンスが生まれてきました。さらにはここで産業革命が重なり市場はどんどん多くの商品を扱い、価値のあるものが増えていきます。そしてこれに伴い貧富の差がより一層大きくなっていきます。

・金融の誕生
 ここでは著者がなんとも言えないキャッチフレーズを打ち出しています。

「借金と利益のウエディングマーチ」

何とも痛快な見出しですが金を貸して利子で利益を出す銀行の誕生や、銀行による金の生み出し方などを書いています。
 現在でも借金により自らの事業に先行投資を行うことが出来るようになりました。これが上手くいけば何も問題ないのですが、借金を抱えたまま事業が失敗、倒産。これが連なると働く人達が減り、購買力がなくなり世の中が不景気になっていく。そうするとお金がなくなりデフレへと向かって行きます。銀行も資産を抑えそれを売っていくがそもそも賃金が減っていく中で買ってくれる人が現れません。そんなどうにも行かなくなった、不景気で活躍するのが国です。国が紙幣を刷り、借金を建て替え景気を何とか回復させるように工夫していきます。ただ景気が戻ると銀行はまた利子をつけて金を貸し繰り返す・・・。
 この光景を著者は“黒魔術”と呼び、市場社会を不安定にする要素だとして伝えいます。

・自動化について
 しかし、著者は銀行はただの富の増幅器でしかないと述べています。
本質的な問題は“労働力”“マネー”だと。これは技術発展における自動化がそれを浮き彫りにさせていると述べています。つまりは自動化により人間の働き口が奪われていき、また働けたとしてもコストの低下による商品自体の低価格が進み、賃金の低下が免れない状況になるという事です。
自動化自体は良いのですが、これを一部の権力者、要するに富を持っている人間が扱うことしかできないため、その技術の恩恵をあやかれない人達はどんどん貧困になって行く恐れがあるのではないかということです。

・通貨の成り立ち
 最後に通貨はどのように調整され何によってその価値が決められているかを述べています。ここでは第2次世界大戦次の収容所の内容を基に価値の上がり方や価格の安定するまでの流れ、そしてデフレとインフレの起こり方をわかりやすく説明しています。最後には今起きているビットコインの利点と欠点なども説明しておりこれは本を読んでもらえればと思います。


・まとめ
 最後のところは少々雑になってしまいましたが、ここを書こうと思うとおそらく本の内容をそのまま書くことになりそうなのでやめました。苦笑
この本をまとめようとするだけでも中々苦労するボリュームなのですが、
本当にサクサク読めてしまうのがこの本の凄いところです。
たまたま目に入った本がこんなにも当たりだったのは意外と嬉しいもので、ついついnoteに書いてしまいました。
皆さんも手に取って読んでみてください。


では ♪(´ε` )




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