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オーストラリアでレンタカーを借りてみた話(2) シドニーでタクシーに乗ってビビる

ホテルからのタクシー、どうしようかな

シドニー空港に着いて、ホテルまでのアシにちょっと悩んだ。Uberという手があるが、使ったことがない。他のタクシーアプリもいくつか見てみたが、オーストラリアの電話番号がないためかうまく登録できない。

タクシー乗り場に行けばタクシーが並んでるでしょって思うかもしれないけど……大人になって初めての海外、英語の自信もない、運転手に目的地を伝えたりする自信もない。なんとかアプリで完結できないかなーと思ったのだった。

結局、アプリ作戦はうまくいかずにタクシー乗り場の列に並んだのだけど。

シドニー国際空港(Photo by photoAC)

シドニーの交通事情にドン引き

トヨタ カムリのタクシーに乗り込んでホテル名を告げると、すぐに走り出してくれた。英語が通じるも通じないもなくて、ホテル名だけ言えばいいわけで。

タクシー車内では、私は運転手の様子や周囲の交通の流れを注視していた。数日後には自分で運転してシドニー市内を走る予定なのだから、そのつもりで周囲を見回す。

まず驚いたのは、タクシーの運転の荒さと運転手の態度の悪さ。先行車との車間距離が短い、頻繁に車線変更を繰り返す。ちょっとでも流れが滞ると、運転手は大きな身振りでいらだちを示し、舌打ちをする。

周囲のクルマの流れを見ても、全般的に車間距離が狭い。やばい、こんなの運転できるんだろうか。「やっとオーストラリアに着いたねー」とお気楽に過ごす母と長男の間に挟まって、私はひとりドキドキしていた。

もうひとつの壁、英語

懸念は、交通の流れだけじゃない。英語。高校生時代に英検2級に合格したのは、すでに遠い思い出。実際に英語でやりとりすることはほとんどない。はたして通じるのかどうか。

不安な思いを胸にホテルのカウンターに立ち、「今日予約している。チェックイン時刻まで観光をしたいので、荷物を預かってもらえるか?」と、おずおず尋ねた。

パスポートの情報から予約はすぐに確認してもらえたのだが、その後にかけられた言葉がさっぱり聞き取れない。お姉さんがいらついているのが伝わるが、どうしても聞き取れない単語がいくつかあり、何度も聞き返してしまった。ついにお姉さんは「お前のスマートフォンに翻訳アプリは入ってないのか」と言い出した。ああそっか、そんな方法があったかと思ったが、残念ながらそんなアプリはインストールされていない。結局、お姉さんは自分のスマートフォンを取り出して翻訳アプリにぷちぷちと入力を始めた。
「デポジットとして宿泊費のほかに100ドルがクレジットカードに請求されます。100ドルはあとで返却されます」
ああー、デポジットの説明をしてくれていたのか……こんなやりとりはやっぱり実際に海外に行かないと経験できないし、そんな表現を学ぶ機会もなかった。テキストで勉強した英検2級は、現地の経験にまったくかなわない。

基本的な交通ルールは共通、標識や標示はもちろん英語

ホテルにチェックインした後、シドニーを散策するときにも私は交通に注目していた。標識や標示はもちろん英語で書かれているが、よほど細かい標示以外はぱっと読める内容だった。信号のルールは、日本と変わらない。

面白いなと思ったのが、「止まれ」に当たる標識。単純に考えると「STOP」と書かれていそうなものなのだが、そうではない。「GIVE WAY」なのだ。交差する道路の方が優先されるという意図が伝わりやすくていいなと思った。

信号と標識(Photo by photoAC)

走っているクルマは、ほとんどが日本メーカーのもの。トヨタ車とマツダ車が多いように感じた。タクシーはほとんどがトヨタ カムリ。ハイエースやランドクルーザーも多い。日本メーカーについで多く見かけたのが、HyundaiとKIAのクルマ。バスはHyundaiが多かったかな?

左側通行なうえに、日本メーカーのクルマが多いので、ちょっと日本ぽくもある。しかし、信号からの発信や車線変更などのアグレッシブな動きを見ると、やはりここは日本ではないなと実感する。

こんなところ、走れるのかな。

この不安は、数日後に実際に走り出すまで胸に残り続けた。

(1) 出国前の準備
(2) シドニーでタクシーに乗ってビビる
(3) ミステリーカーでウルルを堪能
(4) シドニーも走ってみればなんとかなる

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