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へたっぴゴルフその悪魔的魅力

ゴルフを始めたのは40代後半。遅かった。金持ちの道楽というイメージがあったし、サッカーを続けていた自分にとっては運動神経とは無関係のスポーツにも思えて、まだ体の動く自分がやる意味を感じなかった。始めることとなったきっかけは、私の尊敬する文藝批評家の小林秀雄がゴルフ好きだったということを知ったから、というのと、もうひとつ。長男が大学生の頃にゴルフメーカーのテーラーメイドでアルバイトをしていたからという理由による。セッティングを任せて一式5万円という在庫整理の社員価格で購入した。

ゴルフを始めてから7年ほどになる。ほかのスポーツと明らかに違うのは、練習量と上達スピードは比例しないということ。なかなか上手くならない。運動神経には自身を持っていただけに、自分への怒りが収まらない。運動神経とは違う別の資質が必要なのだろうか?そう考えて自分の得手不得手なことと照らし合わせて考えた。ゴルフは反射型のスポーツではなかった。予測しにくい相手の出方にどう対処するか?迫り来る状況の変化にどれだけのスピードとパワーで効果的な動きを自分がとれるのか?格闘技全般、球技全般、つまり倒すべき相手のいるスポーツは反射型のスポーツ。経験値を上げれば上げるほど効果的な反射の仕方を体が学ぶようになる。ゴルフはボールを使うが相手はいない。常に同じ動きをして、それを安定させられるか、いう言わば再現性のスポーツ。あ、そうだ。1番苦手なボウリング、あれも再現性のスポーツだった。自分、向いてない。そう思ったのは、ゴルフを始めて3年ほど経った頃。再現性のスポーツだからといって、練習は意味ないのかと言うわけでもない。上達のコツ?  まるでわからない。普通に考えれば、そこでゴルフなんてやめてやる!となるところだが、そうはならなかった。

アベレージゴルファーとは常にスコア100の前後を行ったり来たりするゴルファーをいうが、私もその仲間なのに、最近は腰痛が酷いせいでなかなか100を切れない。腰痛を抱えて、後半は腰を軽く叩きながら騙し騙しクラブを振る姿が、我ながら痛々しいが、それでも、楽しい。ゴルフは楽しすぎるのだ。なぜこんなにも楽しいのだろう。上手い人は上手いなりに、やっぱり楽しいと言う。むしろ、上手くなる分、ハマっていく。ゴルファーの中で「嫌いだけど仕事上止むを得ずやっている」という人に会ったことがない。みんな楽しそうにゴルフをプレイする。

ゴルフの何が楽しいか。深掘りするとややこしくなるので、またの機会に考えようと思うが、日曜のゴルフコンペが楽しみ過ぎて、金曜の夜からソワソワしている自分がいる。

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