シゲチャビン

札幌から世を見つめる広告人。斜陽の国の斜陽の業界で文筆等創作を嗜みつつ、定年前に再度の…

シゲチャビン

札幌から世を見つめる広告人。斜陽の国の斜陽の業界で文筆等創作を嗜みつつ、定年前に再度の起業を目論む。目の前に選択肢があれば、およそ面白い方を選ぶ、そんな愚生のネタはまとまりなし。めぐりあう素敵な人たち、起業のこと、食や映画、スポーツ、政治、社会問題、日々の雑感を徒然なるままに。

マガジン

  • 食と食文化のこと。気づいたこと。考えたこと。

    どうしてこんなに美味しいのか。素材がいい、調理の仕方がいい、というのもあるけれど、その味、実は食べる前に半分以上決まっているんじゃないかな。食べる空間、器だけじゃない。文化的な背景、食べる自分の食歴史も大きい。色々あって美味しいと思うから、それを好きな食べ物ごとに考えてみようかな、と。

  • 起業記録「老兵の去りかた」

    54歳の私。最近、ひょんなことから会社を去るまでの期限を決めた。遅くとも2029年末までに辞める。会社から三行半をつきつけられる前に、自分から去る。そう決めたとなると、そのまま社会からフェードアウトするより、サラリーマンではできなかった「世のため人のためにやりたかったこと」について考えるようになった。ぼんやり思っていたことが少しずつ具体的なアイデアと行動になっていく、その予定なのだが。

  • 私の黒歴史

    無名な人間の自分史なんぞ誰が読むか!! 妻はもちろん、子どもだって、親だって、そんなものに興味は示さないだろう。いわんや他人をや。みんな、自分の人生、目の前を生きることで精一杯なのだよ。そう、このマガジンの読み手は1人だけ。書き手の私が人生を反芻する際の基本文献として、書き記すものである。

  • スポーツ語り ひとりNUMBER

    スポーツは観るのもやるのも大好きですが、運動不足のせいで、この6月、久々にギックリ腰になりました。若かりし頃のあの輝きを取り戻せるわけなどないけれど、重力に負け、食欲に負け続けた、このかませ犬体質から脱却し、克己心によって健全な肉体を再構築するには、まずスポーツへの関心を持ち続けることが大事かと。

  • この映画が好きな理由

    長く生きていると、鑑賞した映画作品も数千本レベルになってくると思うのだけど、しっかり覚えている映画って、せいぜい200本くらいじゃないだろうか。最新作や話題作ももちろん観るけれど、結局「こんな気持ちの時には、この映画を観よう」と思って昔のタイトルを引っ張り出す。そんな映画の観方の方が多くなってきませんかね。

最近の記事

  • 固定された記事

自分概要

1970年苫小牧市生まれ、札幌市在住。3人の息子は大人になって実家を離れ、この春から妻との2人暮らし。かつては階段下の物置部屋に追いやられ、幼少期のハリーポッターのように過ごしたこの家も、今は空き部屋だらけ。子どもたちに占領されていた部屋を無血開城にて奪還し、我が書斎として快適に暮らす日々。noteも再開して1ヶ月余り。少し慣れてきたので、改めて自分概要説明。 仕事人としてのキャリア 広告会社のプランナーとして民間企業の商品・サービスを企画したり、販売や集客の促進施策、官

    • 羊飼いの年収

      釧路のとなりに白糠という町がある。しらぬかと読む。北海道外の人にとっては聞いたこともない小さな町。赤紫蘇で作った焼酎「鍛高譚(たんたかたん)」が有名で、モッツァレラやパルミジャーノなどイタリアンチーズの道内最高峰のチーズ工房「酪恵舎」があり、地物の海産物となぜか豚丼が有名な道の駅「恋問館」のある町。小さな田舎だけど、面白そうで気になる町、という理由で、かつてこの町をじっくり訪れたことがある。 道路を車で進むと、放し飼いの犬が3匹、道路脇で歓迎してくれていた。スピードを落とす

      • とんかつ大王に憧れて

        グルメバイブル美味しんぼ全111巻の中には、後世に語り継がれる有名な神回というものがいくつか存在する。「とんかつ慕情」は純粋な単発読切として、個人的神回と呼べる作品だった。とんかつ大王店主が若者に向かって語るシーンがある。 「いいかい学生さん、トンカツをな、トンカツをいつでも食えるくらいになりなよ。それが、人間偉過ぎもしない貧乏過ぎもしない、ちょうどいいくらいってとこなんだ」 私が学生の頃、ここを読んで、激しく同意した上に、食べたくてたまらなくなる、とんかつ大好きゾーンに

        • 道民の味覚は鋭いか

          昨日、東京の取引先の担当者とランチを御一緒した。某有名店にて美味しい冷し鴨南蛮蕎麦をいただいた。そのお店は先方に案内してもらったのだが、検討段階では何店舗か候補があって、苦慮の上、消去法的にその蕎麦屋になったのだという。聞けば鮨屋もその候補には入っていたというが、北海道から来た人間を東京の鮨屋に連れていくのは無謀だとの判断があったとのことだった。 北海道は何でも美味しい!と、道外の方から、いろいろな場面で耳にする。あまりにも言われ過ぎて、食べ比べもしたことない道民までもが、

        • 固定された記事

        マガジン

        • 食と食文化のこと。気づいたこと。考えたこと。
          13本
        • 起業記録「老兵の去りかた」
          7本
        • 私の黒歴史
          2本
        • スポーツ語り ひとりNUMBER
          7本
        • この映画が好きな理由
          3本

        記事

          ハニキヌを着せぬ物言い

          それが何かは分からないが、昔の人たちが使っていたのだろう、と勝手に想像していたモノが二つある。一つは、コンダラ。巨人の星というアニメのオープニングソングは「重いコンダラ」という歌詞からいきなり始まる。主人公の星飛馬が引っ張っていたコンクリートでてきたローラーのことだ。あの飛馬のコンダラは特に重そうだった。しばらくして、その歌詞の正解は「思い込んだら」だと判明し、ものすごく納得したのを覚えている。そして、同じ間違いを当時の少年たちの大多数で共有されていたという事実を後々知ること

          ハニキヌを着せぬ物言い

          ヘソを出すなら慎重に

          今月の東京出張は、都内の電車移動が多い。歩く。バスにも乗る。また歩く。しっかり一日一万歩以上歩く。昨日、歩き疲れて、最後に乗った電車、池袋から上野までの山手線の車中でのこと。私は仕事だったが、世の中は三連休の最終日。仕事帰りのサラリーマンの姿はほとんどなく、休日を楽しんだカジュアルな服装の人たちで車内はいっぱいだった。 たまたま席を確保でき、座っていた私の目の前に、全身黒のストリート系ファッションでコーディネートされたカップルが立ちはだかった。女は、黒のカーゴパンツに、タイ

          ヘソを出すなら慎重に

          若禿の至り

          日本初の発毛成分1%含有発毛剤「リアップ」が発売された2006年、より効果の高い発毛剤の治験募集が実施されるとの話を聞きつけ、私は人知れず、やましい気持ちで応募した。札幌の選りすぐりの薄毛たちがこぞって応募したその狭き門を掻い潜り、見事私は、正式な治験モルモットに任命され、6ヶ月間にわたる壮大な実験が行われた。19年前だから、私が35歳の頃。 その治験体験報告をほぼリアルタイムで綴ったブログがある。何度かの長いブランクがあったものの、結局11年間に渡りそのブログを管理運営し

          しっかり歩く。楽しく歩く。

          「社内報の内容を検討するにあたり参考としたい」ということで社内アンケートが送られてきた。その中に引っかかる質問があった。仕事以外の時間を何に費やし、それは何のためにやるのか、という趣旨の質問だった。ん? 何だこの質問は。 例えば、プライベートの時間はそのほとんどを趣味に使う人がいたとして、その趣味は何の為にやっているの? と質問されているということだ。 はて、趣味というものは、自分の成長のために選ぶものなのか? それともお金を稼げるからという理由で趣味を決めるのか?

          しっかり歩く。楽しく歩く。

          やっぱりネギが好き

          10年ほど前の数年間、北海道内の生産者を回っていた。前ファイターズ監督の栗山氏が同じ苗字ということで自宅を構えた栗山町という町は札幌から車で1時間ちょっとの農業の町。その栗山町のネギ農家で、ブランド作りの仕事をさせてもらっていた。 もともとネギは好きだった。ただ、あくまでも脇役。なければないで我慢ができる。その程度だった。 収穫は夏から秋にかけて毎日。ある夏の日。収穫の現場を見学させてもらった。大量のネギをカットして束にするハーベスター(収穫機)。カッコいい。農業機械は作

          やっぱりネギが好き

          ジェンダー平等に乗る小男が痛い

          まあ、今日のタイトルでほぼ言いたいことは言えてる。稀に出くわす、唖然としてしまう男たち。さすがに私の同世代ではまだ見たことはないが、20代30代では、公然と男の権利を主張する輩がいる。男として恥ずかしい。 男と女は肉体的に、体力的に違うのにそれすらあたかも平等だと言わんばかりに、同じボリュームの力仕事を女性に求める男。どこかの国のトランスジェンダーボクサーじゃあるまいし、男と女が同じリングに立つなよ、と言いたくなる。 私見として、男の化粧はかまわない。自分が若い頃は、眉毛

          ジェンダー平等に乗る小男が痛い

          私の頭の中のサウザー

          捨てられていた赤ん坊を拾って、一人で育てようとするある師匠がいた。子どものいなかった師匠はわが子のようにその赤ん坊、のちに聖帝と呼ばれる男、を可愛がって育てた。厳しい修行を重ねる二人の日々は赤ん坊が15歳になるまで続いた。そして南斗鳳凰拳の伝承者宿命の日がやってくる。師匠はサウザーに目隠しをし「次の敵を倒すことで正式な伝承者になる」と告げる。目が見えない中で、敵を倒すサウザー。目隠しを外すと、そこには致命傷を負った臨死の師匠がいた。 絶命した師匠を前にサウザーは半狂乱になっ

          私の頭の中のサウザー

          茹で上げ日本人

          思想強めと思われるような発言は極力抑えている。でも、考えるきっかけを提示したい気持ちもある。言葉を選びながら、腹落ちできるように、今日はマスコミと政治の話に触れる。 自民党の総裁選真っ只中で報道も連日、各陣営の足の引っ張り合いで過熱気味の様相。 マスコミはその存立基盤とビジネスモデルの性質上、極めて恣意的な情報を流さざるを得ない。経営状況が逼迫するとなおさらで、なりふり構わず金に媚びるようになる。そこを理解していると、テレビのニュースの見方が大きく変わる。特に今の政治に関

          茹で上げ日本人

          レベッカの時代。あいみょんの時代。

          日本の経済成長が止まり、衰退が始まった1990年代前半以降、現在に至るまでを「失われた30年」と呼ばれている。30年以上昔の華やかだった時代を知る人間として、当時を「よい時代」として、後世に伝えるべきかどうか、悩ましい。拝金思想にまみれ、金があれば万事解決すると、本気で思っていた人間が溢れかえっていた時代として、冷ややかに振り返ることは国民総貧民化まっしぐらの今においては必要なことなのだと思う。しかしもう一方で、あの「熱に冒されていた時代」の若者の前向きな気持ちが今の冷やかな

          レベッカの時代。あいみょんの時代。

          #7 伏兵あらわる

          自分の小賢しい思惑など「運命」の前では無力だった。私が構想していた「チーム」は、アクションを起こす手前の最序盤で、小さな音すらたてることなく崩れた。いや、自ら崩した。仲間集めの構想の中で、最初に脱落したはずの「おじさん」デザイナーが先週末、急浮上したのだ。 9月6日はさっぽろオータムフェストの初日。大通公園の4丁目から11丁目がその会場となるのだが、各丁目毎にそれぞれ異なる広告代理店が企画運営にあたっている。2年前まで私が担当していた会場で、その会場のデザインワークをお願い

          #7 伏兵あらわる

          大人への階段

          30代になるまで人は、濃厚味噌や魚介豚骨などのラーメンを好む。ボリュームがあって、脂がギトギトで、分厚いチャーシューのラーメンを好む。40代になると、あっさり醤油や塩にシフトしていく。50代になると、そばに全振りする。ランチタイムに50代以上のおじさんとおじいさんに占拠されている蕎麦屋を数限りなく見てきた私の考察である。 3人の息子たちは、やはり、若者らしく二郎が大好きで、二郎系と家系中心のラーメンライフを送っているらしい。類は友を呼ぶというが、長男には八王子に、次男はエス

          noteの中での良い関係

          ストレスのない、穏やかな日々が続いている。 熟慮が必要となるような難しい状況がない。 人生の中で今が一番、何もない時期かも。 通勤の往復2時間は、かつてはインプットの時間であったり、 疲労回復のために休む時間に充てていたが、東京から札幌に戻った今年はその必要もなく、少し持て余していた。なのでnoteを再開。バスと地下鉄の中の時間を、原稿書きの時間に費やすようになり、最近は、ほぼ毎日のように記事をアップしている。ノンジャンルでその時に思いついたことを題材にする。 数週間前、

          noteの中での良い関係