シゲチャビン

札幌から世を見つめる広告人。斜陽の国の斜陽の業界で文筆等創作を嗜みつつ、定年前に再度の起業を目論む。目の前に選択肢があれば、およそ面白い方を選ぶ、そんな愚生のネタはまとまりなし。めぐりあう素敵な人たち、起業のこと、食や映画、スポーツ、政治、社会問題、日々の雑感を徒然なるままに。

シゲチャビン

札幌から世を見つめる広告人。斜陽の国の斜陽の業界で文筆等創作を嗜みつつ、定年前に再度の起業を目論む。目の前に選択肢があれば、およそ面白い方を選ぶ、そんな愚生のネタはまとまりなし。めぐりあう素敵な人たち、起業のこと、食や映画、スポーツ、政治、社会問題、日々の雑感を徒然なるままに。

マガジン

  • 食と食文化のこと。気づいたこと。考えたこと。

    どうしてこんなに美味しいのか。素材がいい、調理の仕方がいい、というのもあるけれど、その味、実は食べる前に半分以上決まっているんじゃないかな。食べる空間、器だけじゃない。文化的な背景、食べる自分の食歴史も大きい。色々あって美味しいと思うから、それを好きな食べ物ごとに考えてみようかな、と。

  • スポーツ語り ひとりNUMBER

    スポーツは観るのもやるのも大好きですが、運動不足のせいで、この6月、久々にギックリ腰になりました。若かりし頃のあの輝きを取り戻せるわけなどないけれど、重力に負け、食欲に負け続けた、このかませ犬体質から脱却し、克己心によって健全な肉体を再構築するには、まずスポーツへの関心を持ち続けることが大事かと。

  • この映画を自分はどう受けとるか

    長く生きていると、鑑賞した映画作品も数千本レベルになってくると思うのだけど、内容なんてもう忘れてしまった名作も多いんです。最新作や話題作ももちろん観るけれど、改めて観たい昔の作品も含めて、アニメもテレビドラマも、インディーズも、ショートフィルムも、気になるものならなんでも。偏りまくった個人的見解を述べていきます。

  • 起業記録「老兵の去りかた」

    54歳の私。最近、ひょんなことから会社を去るまでの期限を決めた。遅くとも2029年末までに辞める。会社から三行半をつきつけられる前に、自分から去る。そう決めたとなると、そのまま社会からフェードアウトするより、サラリーマンではできなかった「世のため人のためにやりたかったこと」について考えるようになった。ぼんやり思っていたことが少しずつ具体的なアイデアと行動になっていく、その予定なのだが。

  • 私の黒歴史

    無名な人間の自分史なんぞ誰が読むか!! 妻はもちろん、子どもだって、親だって、そんなものに興味は示さないだろう。いわんや他人をや。みんな、自分の人生、目の前を生きることで精一杯なのだよ。そう、このマガジンの読み手は1人だけ。書き手の私が人生を反芻する際の基本文献として、書き記すものである。

最近の記事

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自分概要

1970年苫小牧市生まれ、札幌市在住。3人の息子は大人になって実家を離れ、この春から妻との2人暮らし。かつては階段下の物置部屋に追いやられ、幼少期のハリーポッターのように過ごしたこの家も、今は空き部屋だらけ。子どもたちに占領されていた部屋を無血開城にて奪還し、我が書斎として快適に暮らす日々。noteも再開して1ヶ月余り。少し慣れてきたので、改めて自分概要説明。 仕事人としてのキャリア 広告会社のプランナーとして民間企業の商品・サービスを企画したり、販売や集客の促進施策、官

    • 土鍋の力

      グルメバイブル美味しんぼでは、「そんなわけない」というやりすぎファンタジーが散見される。「土鍋の力」という回では、すっぽん鍋の老舗で使い倒されていた古い土鍋が、長年かけて出汁を吸い込み、すっぽん鍋の味に深みを与えていた、というファンタジーが描かれていた。「嘘っぱちのファンタジー」だと、少し前まで、私はそう考えていた。食器全般は洗剤でしっかり洗われることで、次の料理に使われる時点で完全にリセットされるもの」という思い込みが、私から真実を遠ざけていた。 「食は広州にあり」という

      • キャズム理論と選挙

        長い間マーケティング活動に携わっていると、この理論(イノベーター理論として有名)がほぼ正しいことを皮膚感覚で理解してしまう。普及学とも呼ばれるこの理論を乱暴にざっくり説明すると、ある新商品やサービスの普及率が16%に達すると急激に普及率が上昇していくというもの。つまり、普及率、認知率16%を境にヒットするかどうかが決まってしまうという理論。その科学的根拠はともかく、マスマーケティングの現場では常識なのだ。 マスマーケティングという考え方がすでに過去のものとなり、全世代が知っ

        • 政治の話はなぜタブー?

          「お客さんとは政治・宗教・野球の話はするな」 新社会人になって営業部に配属された時、先輩からそう教わった。今の若者がその会話の3大タブーを知っているかどうかはよくわからない。どうしてこの3つがタブーなのか?ことこの3つに関しては、どうしても譲れない信念を持つ人が多いため、衝突すると収拾がつかなくなってしまう。ということらしい。 このタブーが、いつから言われるようになったか、少し調べてみた。政治と宗教の話は禁物だと記述されている文献は明治時代からあった模様。これに野球が加わ

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        • 食と食文化のこと。気づいたこと。考えたこと。
          15本
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          8本
        • この映画を自分はどう受けとるか
          6本
        • 起業記録「老兵の去りかた」
          7本
        • 私の黒歴史
          2本

        記事

          大人の炊き込みごはん

          わが家では、五目ごはんのことをいろご(色のついたごはん→色ごはん→いろご)と呼んでいた。子どもたちが小さかった頃は、頻繁に(週に一度くらいは)食卓に上った。このいろごという言葉は、家庭だけで使っていた特別な「ごはんことば」だったが、子どもは気がつかないで、人前でも使ってしまう。長男が小学2,3年だったろうか、好きな食べ物を先生に聞かれ「いろご!」と答えたらしく、その日の夕方、長男がプンプンに怒って帰ってきたことを楽しそうに妻が話していたことを思い出す。 出汁、醤油、みりん、

          大人の炊き込みごはん

          地動説と陰謀論

          気になっていたマンガ「チ。ー地球の運動についてー」がアニメ化された。読めないままだったので、アニメになり、ようやくその作品世界に触れることができた。物語が描かれている時代背景は中世ヨーロッパ。教会が様々な分野で権力を握っており、思想や価値観も教会の教え以外のものは異教徒として排除、弾圧し、厳しい拷問によって秩序を守り、教会の権威を維持させようと徹底管理する社会。そんな社会で、地動説は異教徒の思想であり、社会の秩序を乱す悪と見做されていた。地動説が異教徒の思想と知りながら、知の

          地動説と陰謀論

          断崖絶壁のヤギ

          垂直に切り立った断崖絶壁の、まあまあ高いところに点在するヤギ(アイベックスという高地に住むヤギ)の映像が大好きだ。「4本足の動物は地面にしっかりと長方形のスペースがないと、しっかり立つことができない」という先入観がある。猿や人間が壁を登るのはまだしっくりくるが、牛や馬と同じ基本体型のヤギが垂直の壁を登るのは、もはや違和感しかない。 壁はぶら下がるようにして、這ってよじ登るもので、立つ場所ではない。ヤギはニュートンを嘲笑うかのごとく垂直の壁に立つ。常識や既成概念どころではない

          断崖絶壁のヤギ

          筋書きのないドラマ

          今年の野球は楽しかった。わが日本ハムファイターズは2位でシーズンを終え、いよいよクライマックスシリーズを経て頂上決戦に臨む、はず。今日はリーグ第3位のロッテをエスコンに迎えての第2戦。 野球は「筋書きのないドラマ」と形容されるが、つまらない試合だってたくさんある。昨年は先制されたまま逆転することなく、そのままフェードアウトするように終了する試合が多かった。サヨナラ満塁逆転ホームランなど、感動的な逆転劇がない限り、野球は「筋書きのないドラマ」とは表現されない。何の抑揚もない、

          筋書きのないドラマ

          同世代嫌悪

          「近頃の若者は‥やれやれ」という年寄りの若者批判が嫌いだ。昨日の会議で、50代半ばの女性から20代の若者たちにこんな質問があった。 「今の若者は失敗を恐れ挑戦しない、と言われる。実際に私もそう思うけど、それについてどう思っているのか聞きたい」 この質問は、若者批判では決してない。悪意など欠片もなく、ただ素直に知りたかっただけだと思うが、私のスイッチが入ってしまった。 「それは失敗を責める大人たち、挑戦をさせない大人たちが、環境を作っているだけの話で、若者に質問するような

          千尋の谷

          親ライオンは子を千尋の谷に突き落とし、這い上がってきたものだけを育てるらしい。それが本当なら親ライオンはやべぇヤツなのだが、よく調べると、風評被害らしい。ライオンもあのタテガミ、怖そうな風貌のために勝手にそんな定説を作られて、いい迷惑だろう。 子を厳しく育てるのは、かつては父親の役割だった。江戸時代の封建制にはじまり明治から昭和まで続く家父長制は、フェミニストに言わせれば女性が権利を奪われ虐げられた暗黒時代だったのかもしれないが、見方を変えれば、家族の役割が明確化され、社会

          テレクラとマチアプ

          私が新社会人の頃は、まだススキノにもテレフォンクラブ(テレクラ)があって、営業の先輩と飲んだ後に、よく寄ったものだった。 テレクラとは、端的に言うと男女のいかがわしい出会いをプロデュースする場。まだケータイ電話も普及していない時代だから、見知らぬ異性と出会う手段と言えば、街でナンパするか、合コンするか、その2択しかない。生身のカラダでぶつかって行くしかない。そんな時代に、顔の見えない相手と電話だけのコミュニケーションで、出会いに持ち込む、ある意味、話術虎の穴的な存在であった

          テレクラとマチアプ

          ぼくが生きてる、ふたつの世界

          耳がきこえない「ろう」の両親を持つ主人公。その産まれてからの半生が描かれた作品。原作者はこの物語の主人公本人。吉沢亮が演じる。 24時間テレビに代表される感動ポルノ。健常者が高いところから眺めつつ、寄り添ったフリして弱者を賞賛するという偽善。人を感動させることを目的にして、弱者を手段に使ってしまう無神経さに敏感な私にとって、この手の感動巨編はだいたい感動虚編に思えるため、なるべく避けているが、この作品のすこぶる良い評判を聞いて、観に行くことにした。 音のない世界、色のない

          ぼくが生きてる、ふたつの世界

          媚びるの連鎖

          人は2種類に分類することができる。媚びる人、媚びない人。 私のまわりにもどちらもいる。この媚びる人、媚びない人は白黒はっきり分かれるわけではないが、どこかに境界があって、その一線を超えると「媚びる人」認定となるのではないかと私は思う。 人は誰しも、相手に合わせなければならない局面がある。それは、常識的な社会人であれば、誰でも経験したことがあるだろう。それが媚びたということにはならない。 「媚びる」を辞書で調べてみる 1 他人に気に入られるような態度をとる。機嫌をとる。へつ

          承継問題

          「あなたのような若くて前向きな人にこの団体を任せたい。」 30年続く環境市民団体に、運営委員の一人として携わってきた。私がこの団体に入ったのは13年前だが、会員の多くは発足当初から30年継続して会員となっている。平均年齢は70歳を越えようとしていた。政治団体との絡みは一切ないので、思想的にはリベラルだが、政治の話は基本的にしない。足元の暮らしを見つめ直し、社会のために意識を変えて暮らしをどう変えるか、ということを徹底して考えてきた利権絡みなしの硬派な団体。 会員の高齢化に

          おめでたき自民党

          少しはまともに日本国民と向き合って政治をしてくれる可能性がある自民党の政権があるとしたら、私は高市氏しかいないと思っていた。すでにこのことについては以前に触れていた。 決選投票が高市氏と石破氏の戦いならば、党内において圧倒的に人望のない石破氏に勝利の目はないと思い、高市総裁誕生を確信した。しかしまさかの石破氏逆転。2020年の米大統領選のような不正を疑う声もあちらこちらから聞こえてくるが、間違いないのは石破氏が強かったのではなく、高市氏に勝たせたくない力が強かったということ

          おめでたき自民党

          ミッシング

          4年ほど前、お世話になっている取引先の社長の長男が、当時まだ大学生だったのだが、秋の海にさらわれて行方不明になった。今に至るまで、まだ発見されていない。行方不明のまま。社長も夫人も、何年経とうが、区切りはつけていない。つまり、死んだことにして葬式をあげることができていない。どこかで生きていて、ある日、ひょっこり「ただいま」と帰宅するだろう、と本気で思っているフシがある。 ワンピースのチョッパー編に登場するヒルルクの言葉 「人はいつ死ぬと思う? …人に忘れられた時さ」 はあま